スマホで撮った写真からガラスの反射やフェンスなどの障害物を消し去るアルゴリズム、GoogleとMITの研究者が開発

スマホで撮った写真からガラスの反射やフェンスなどの邪魔モノを消し去るアルゴリズム、GoogleとMITの研究者が開発

スマートフォンで写真を撮影するとき、目当ての被写体とカメラとの間にガラスや金網フェンスといった障害物があると、自分がガラスに反射して映り込んだり、フェンスが邪魔をしたりして、思い通りの絵に仕上がらないことが多々あります。GoogleとMITの研究者は、被写体とカメラセンサーとに挟まれている物体が写真に焼き付けられるという当たり前の現象に反抗すべく、新たにアルゴリズムによる解決を試みています。

どういった技術なのかは、上のアニメーションGIF画像を見れば一目瞭然。手前に存在していた金網フェンスを綺麗さっぱり除去しています。

このアルゴリズムは、前景と背景を区別し、邪魔モノとなっている前景部分を消し去ります。理屈を簡単に説明すると、GoogleカメラやiPhoneの標準カメラといった最近のスマホに搭載されているパノラマ写真撮影機能を利用するときのようにスマホを少し動かしながら連続的に画像を取り込み、前景と背景の視差を検出することで障害物を取り払っています。

A Computational Approach for Obstruction-Free Photography

たとえば、電車に乗って風景を眺めている状況を思い浮かべてください。近くの建物は速く移動していき、遠くの建物は遅く移動していくように見えるはずです。そこで速く移動していく近くの建物を認識して、その建物が写っているレイヤーを除去すれば、出来上がった写真には遠くの建物だけが写されている状態になるわけです。

研究者のひとりであるMichael Rubinsteinによれば、Google社内でもこの技術は関心を持たれているようで、最終的にはスマホカメラの機能として実装される可能性があるとのこと。ただ、まだ具体的なプランがあるわけではありません。

アプリ「Googleカメラ」をダウンロード
Googleカメラ