iPadの不振トレンドは、当面は回復しないのかもしれません。
「あとで読む」サービスの米Pocketが、自社サービスの利用動向に関する興味深いレポートを発表しています。このPocketレポートは、iPhone 6/6 Plusユーザーは旧iPhone機種ユーザーに比べてiPadを使ってコンテンツを消費しなくなってきていることを明らかにしています。これは、Pocketによって保存された200万件以上の記事や動画などのコンテンツが、実際にあとで読まれたか否かを分析した結果に基づくものです。
それによれば、iPadを所有しているiPhone 5/5sユーザーの場合、テキストや動画などのコンテンツを消費する時間の45%をiPadで、55%の時間をiPhone 5/5sで過ごしていました。これは大画面化の進むAndroidスマートフォン・タブレットとは対照的なデータ。Androidの場合、コンテンツを消費する時間の割合は、スマホ経由が80%でタブレット経由が20%となっていたためです。
一方で、今年のiPhone 6/6 PlusのスクリーンはiPhone史上最大のサイズに変更されました。iPhone 6が4.7インチ、iPhone 6 Plusが5.5インチのスクリーンを搭載し、スマートフォンの大画面化の流れに追随した格好です。
とすると、コンテンツ消費の形態もAndroidと似た傾向になることが容易に予測されますが、Pocket調査によれば見事なまでにAndroidのパターンをトレースしているという結果になっています。iPhone 6ユーザーのケースではiPadによるコンテンツ消費は28%に減少し、iPhone 6 Plusユーザーのケースでは20%にまで減少しています。iPhone 5sの時代からiPadによるコンテンツ消費は半減したと言えるでしょう。
この結果に関して、Pocketはスマートフォンの大画面化がもたらす影響・傾向を次のように分析しています。
- スマートフォンによるコンテンツ消費時間を増加させる
- より多くのコンテンツを消費させる
- iPadの利用率を押し下げる
- より多くの動画を視聴させる
- 自宅におけるセカンドデバイス(つまりiPad)を不要とさせる
- 携帯性を低下させる
今後は「iPadはもう要らない」というユーザーが増えてくるのかもしれません。