右上のボタンと左手の親指が苦もなく触れあえた時を、覚えていますか ── 。
iPhone 6 / 6 Plus以降、そんな感慨を抱く日が遠からずやって来るのかもしれません。
iPhoneは4sから5に移行する際、画面サイズが3.5インチから4インチに拡大しました。「大きすぎるのではないか」というユーザーの不安を和らげるためか、アップルは2012年9月、TV CM「Thumb」によって親指がiPhone 5の画面全体に届くことをアピールしました。
左手で持つと、右下のアイコンに親指が届きます。
そして、右上のボタンにも親指が届きます。
動画はこちら。
iPhone 6 / 6 Plusの発表で、この広告が訴求していた「指が画面の端まで届く」という事実は、手が大きくないユーザーには当てはまりづらいものになってしまいました。
もっとも、アップルとしては、従来実現できていた操作の快適性を無かったことにしようとしているわけではありません。アップルは新モデルで、画面サイズが4.7インチ/5.5インチに拡大することへの対処として、片手でも操作しやすくするためにTouch IDをダブルタップすることで画面上部が下に降りてくる機能を搭載しています。したがって、「Thumb」が訴求していた本質的な価値である片手での操作性は、十分配慮されているわけです。
ただ、一方で次のような指摘も出ています。
画面が大きくなると、テンキーを使ったフリック入力では指が届きにくくなるのだが、残念ながら、そこの配慮はまだなされていないようで、テンキーを右端や左端に寄せることはできなかった。
【西田宗千佳のRandomTracking】iPhone 6/Plus、Apple Watchファーストインプレッション - AV Watch
今後、iOS 8で文字入力の快適性を改善する方向に向かうのでしょうか。
アップルにとって、CM「Thumb」はユーザーに忘れてもらいたい広告になってしまうのか否か、発売後のユーザー評価を待ちたいところです。