ドコモが医療システム参入、治療情報などを病院間でスマホ共有 迅速な処置に生かす

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NTTドコモが、治療方針や診断などの患者情報を病院間でクラウド共有する新サービスを8月より開始するという。日本経済新聞が報じた。

慈恵医大や医科歯科など有力15病院が導入へ

同システムは、クラウド上に共有された患者の画像情報(CT、MRIなど)や検査データなどを、病院の垣根を越えて医師や看護師らがスマートフォンやPCで確認できるというもの。治療方針や診断などに関するコメントのやり取りもおこなえる。

まずは、東京慈恵医科大学付属病院や東京医科歯科大学、東京都済生会中央病院、虎の門病院など有力15病院が導入するという。

脳卒中など緊急性が求められる治療での活用が想定されており、たとえば夜間に脳卒中の専門医が院内にいない場合でも、同じ患者情報をスマホ等で確認しながら、外出先の専門医や他の病院とスピーディに治療について相談できる。

共有する情報については、情報共有の範囲を設定するグループ内に限定したうえ、必要に応じてグループ外の病院や医師が参加できる仕組みを採用。患者情報の漏洩にも配慮する。

これまでも電子カルテシステム等で治療情報を共有する例はあったが、高額なコストがかかるため病院間の連携は進んでこなかった。同システムは、それよりは導入負担も少ない。

連携できる病院・医師らが増えれば多くの知見が集まり、迅速で的確な治療を受けられる患者のベネフィットにつながることが期待できそうだ。