関西の鉄道各社、「優先席付近のケータイOFF」を廃止 根拠乏しく混雑時のみに

関西鉄道協会とJR西日本

25の私鉄や市営地下鉄が加盟する関西鉄道協会とJR西日本は、優先座席付近などで乗客に要望していた携帯電話の電源を切るマナーについて、7月1日以降、見直すことを発表した。こうした緩和は全国で初。

見直し後は「優先座席付近では、“混雑時には”携帯電話の電源をお切りください」との案内に変更される。混雑時とは、乗客の体同士が触れ合う程度。これに伴い、阪急など一部の鉄道事業者で設定していた「携帯電話電源オフ車両」も廃止となる。

理由については、携帯電話およびペースメーカーの改良が進んだことに加え、2013年1月におこなわれた総務省の指針の改正によって、携帯とペースメーカーの距離が約22cm→15cmに緩和されたことなどが挙げられる。

また、関西鉄道協会は産経新聞の取材に「電源を切ってもらう根拠が薄くなってきた。携帯電話が緊急地震速報など非常通報ツールになっていることを踏まえた」とコメントしており、昨今の携帯電話の利用実態の変化などを考慮した結果とみられる。