グノシー、嫌いなサイトを丸ごとブロックする機能を追加

グノシー

Gunosyは2日、ニュースアプリ「グノシー」(iOS)をバージョン4.0.4にアップデートし、サイトをブロックする機能を追加した。その他、チャンネルが存在するサイトの場合はサイト名にチャンネル名が表示されるように変更し、記事をさらに読み込める変更もおこなわれた。

グノシーにサイトブロック機能が追加

待ち望んでいたユーザも多いであろうサイトブロック機能が、ついに追加された。メニューでは「このサイトをブロックする」とあり、文言解釈上、特定サイトの記事を全てブロックする機能であると考えられる。

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ユーザの声を反映か

グノシー(旧Gunosy)は、ユーザの興味関心を分析し、ユーザが欲するであろう記事を配信することを最大の売りにしてきた情報キュレーションアプリ。Twitterなどのソーシャルアカウントやアプリ内の行動履歴を解析することで、各ユーザごとに適した記事を届けることを目指し、ユーザ数を拡大させてきた。興味に基づいた記事が配信される「朝刊・夕刊(マイニュース)」を楽しみにしてきたユーザも多いだろう。

配信される記事の質に満足するユーザが多かったことが成長の大きな要因になったことは想像に難くない。しかし一方では、興味の無い記事が配信されることや好きではないサイトからの記事配信をブロックできないことに不満を持つユーザも見受けられたのも事実。そのようなユーザが少数派だったのか多数派だったのかは不明だが、Gunosyはそういったユーザの声をアプリの新機能として反映させたようだ。

グノシーの競争力の源泉が枯れる?

このサイトブロック機能の特徴は、記事の提供元サイト全体をブロックする点にある。つまり、少しずつレコメンドエンジンを"調教"していくのではなく、ユーザが受け取りたくない情報を配信してしまう要因を根元から断つ、という方向に舵を切ったわけだ。

ユーザに届ける情報を何らかの手段で選別することがキュレーションサービスの本質であり、その精度こそが競争力の源泉であるはず。その手段は少数精鋭の編集部による選別であってもよいし、集合知を活かす多数のユーザによる選別であってもよい。前者は「Yahoo!ニュース」が代表格であり、後者であれば「はてなブックマーク」などが有力だ。

他方、グノシーは、機械的なアルゴリズムをキュレーションの手段としてきたサービスだ。したがって、その手段の中にユーザ自身による選別機能を付加することは、一歩間違えればサービスの本質を殺すことになりかねない。ユーザの要望を無視してでも、はてなブックマークがサイトブロック機能を追加しないことは、そういった可能性を危惧しているものだと思われる。

一般ニュースアプリ化したグノシーにとっては、妥当な機能追加か

今回の機能追加の危険性については、Gunosy側も認識しているはず。そうであるにも関わらず、サイトブロック機能を追加した理由はどこにあるのか。

これは、キュレーション系のサービスにとっての1つのジレンマに、グノシーなりに答えを出したということなのかもしれない、と筆者は推測してしまう。

キュレーションのジレンマ

情報元をユーザに限定させればさせるほど情報の多様さは失われていく反面、ユーザの従来からの興味関心に沿った情報を配信しやすくなる。逆に、情報元を限定せずアルゴリズムに任せれば潜在的な情報の多様さを確保できるものの、ユーザの現在の好みに反するサイトの情報を流すことになりかねない。

配信精度に関して、現時点における満足度を重視するのか、それともユーザが自ら認識している満足度を無視してでも知の追求という潜在的な満足度を重視するのか、これがキュレーションサービスに付きまとうジレンマだ。嫌いだと感じているサイトからでも、自分の興味関心に合致した高い価値を有する情報を配信する可能性は捨てきれない。

一般ニュースアプリ化と辻褄が合う

おそらく、前述のはてなブックマークは潜在的な満足度を重視しているのだろう。そして、Gunosyは、はてなブックマークと異なり、ユーザの現時点における満足度を重視するタイプのキュレーションサービスに変化するのだろう。

この推測は、グノシーが先日の大幅アップデートで一般ニュースアプリ化したことに鑑みても、あながち見当外れだとは思えない。今の最新情報である"ニュース"を配信するアプリに変化したのだから、「朝刊・夕刊(マイニュース)」も"現時点における満足度"を重視するサービスになったとしても不思議ではない。

なお、このサイトブロック機能が追加されたのは現時点ではiOS版「グノシー」のみ。じきにAndroid版「グノシー」でも同様のアップデートが実施されるだろう。大幅アップデート前の面影を残す「Gunosy LITE」にサイトブロック機能が実装されるのかは不明だ。