国内最大のファッションECモールZOZOTOWNが送る、コーディネートに特化したアプリ「WEAR」。おしゃれで実用的な着こなしを探せるだけでなく、ソーシャル機能、クローゼット機能、バーコードスキャンを備え、リリース約4カ月で100万ダウンロードを突破するなど、かなりの盛り上がりをみせている。
すでに20万件を超えるコーディネートレシピ
ユーザーから投稿されたコーディネートは、[アイテム][ユーザー][ショップ][ブランド]のカテゴリ別に、新着や人気度順でチェックできる。もちろん、キーワードやタグなどからも探せるし、気になるユーザーをフォローしておけば「コーディネートフィード」に投稿が流れるようになる。
リリース当初は少なかった投稿も、すでに20万件を超えるコーデ写真が並ぶ規模となり、毎日眺めていても飽きない。ショップ店員も多いが、今や数万人ものフォロワーを集める一般ユーザーまで出てきている。
コーデを通じた交流もさかん
一般ユーザーやショップ店員のリアルで身近なコーディネートだからこそ、日々のファッションの参考にしたくなるし、このアイテムを着てみたい、買いたいという気持ちが自然と触発される世界がそこにはある。
また、自分でも手持ちアイテムでのコーディネートを撮影し、コメントとともに簡単に投稿できる。それを見た他のユーザーがコメントを残したりすることで、人気ランキングなどでアップしていく仕組みで、コーデをテーマにしたやりとりがさかんに行われている。
マーケティング的な話になるが、実際にWEAR経由のZOZOTOWNの売上は月1億円を超え、購入(コンバージョン)率は12%にものぼるという。ユーザーがWEARを通じてファッションに興味をもつ時間が増え、同時に購買意欲も高まっている証といえるだろう。
マイクローゼットで着回しも管理
WEARで見つけたコーデやアイテムがあれば、「SAVE」機能によって自分好みにフォルダ整理して保存し、いつでも見返すことが可能。ZOZOTOWNでお気に入りに加えたアイテムも連動してセーブされるので、ZOZOTOWN利用者は特に便利だろう。
また気に入ったアイテムは、WEARを通じてZOZOTOWNや他のブランドショップで購入することができる。買ったアイテムや手持ちの服はWEAR上の「マイクローゼット」で整理でき、持っている服でコーデも検索できるので、着回しのアイディアも膨らみそうだ。
なお、SAVEやマイクローゼット、ソーシャルの機能などを利用したい場合、メールアドレスで会員登録するかZOZO ID連携を行う必要がある。
店頭でスキャンして購入も
実店舗で気になった商品のバーコードをWEARでスキャンすると、その場で商品情報を確認できる機能もある。そのアイテムを着たコーデを見ることができるなど、購入の判断にも一役買ってくれる。
ただ、ファッションブランド側からすれば、ZOZOTOWNでその商品が購入されることになるため、損失が生まれる危惧もある。WEARは実店舗とECサイトが敵対する、いわゆる“ショールーミング”の拡大につながるのでないかと注目されていた。しかし現状、バーコードスキャンが行えるのはPARCOなど一部ショップのみの期間限定となっており、影響力はそれほどではなさそうだ。
むしろ、そのソーシャル的な活況ぶりからは、コーディネートという軸でユーザーにファッションやショッピングの楽しさを呼び覚ますことに成功しつつあり、今後ファッション市場を盛り上げる大きなうねりになっていく可能性を感じる。