携帯電話基地局の電波状況などを測定するサービスを提供しているOpenSignalは、2013年後半における世界各国(各キャリア)のLTEカバー率や速度などを比較した調査結果について報告している。
OpenSignal調査の概要
OpenSignalでは、現在地の電波強度や速度などのネットワーク状況を詳細に測定し、クラウド上にデータをアップして世界規模で共有できるアプリを提供している。
今回の報告は、このOpenSignalが抱える600万人のユーザーデータを集計したもの。ネットワーク接続におけるLTEアクセスの時間が占める割合から導く「カバー率(Time on LTE)」、および「ダウンロード速度」の2指標によって比較が行われている。
なお対象は、日本をはじめ米国、英国、フランス、ロシア、韓国、香港、オーストラリア、ブラジルなど世界16カ国、全38キャリアとなっている。
カバー率による比較
国別
LTEによるアクセス時間の割合(Time on LTE:カバー率を反映)においてトップに立ったのは、韓国で平均91%となった。
次いでスウェーデン(88%)、香港(74%)となり、日本は68%で4位にランクインしている。また、米国は67%で6位につけた。
キャリア別
キャリア別でみると、スウェーデンのTele2が93%の1位で、高いパフォーマンスを示した。また、2位と3位はSK Telecom、KT(olleh)がそれぞれ90.5%、89.7%となっており、この2社が韓国を牽引した。
4位にはわが国のKDDI(86.3%)が入って健闘した一方で、ソフトバンクは12位(71.1%)、ドコモは17位(61.8%)となった。国内キャリアではドコモのみが、「poor coverage」の象限(記事最上部の図参照)に分類されてしまっている。
ダウンロード速度による比較
国別
LTEによる平均ダウンロード速度の比較では、24.5Mbpsのオーストラリアが1位になった。2位にはイタリア、3位はブラジルとなっているが、この結果は香港を除いて比較的LTEカバー率(Time on LTE)の低い国が上位にランクインしていることにも留意すべきだろう。
また、日本は下から3番目の11位(6.5Mbps)に沈んでいる。しかし、前回調査からの伸び率(66%)ではトップになっており、LTEのスピードが最も改善された国と評価されている。
キャリア別
キャリア別のトップは、ブラジルのClaro Brazilで27.8Mbpsとなった。世界最速だが、カバー率(Time on LTE)で最下位レベル42%のキャリアのため、多くのユーザーに広く行き渡るまでには時間がかかるだろうと指摘されている。
日本のキャリアではソフトバンクが気を吐いており、21.3Mbpsで5位に食い込んだ。また、KDDIは15.8Mbpsで21位、ドコモは9.8Mbpsで30位だった。残念ながらドコモは、速度の面でも「slow」の烙印(象限)を押される格好となった。