勉強時間が同じ場合でも、スマホの長時間利用する中学生ほど成績が低下する関係にあることを、仙台市教育委員会と東北大の共同調査が明らかにした。時事通信が18日、報じた。
ほぼ勉強しない生徒より成績低下
調査を担当したのは東北大の川島隆太教授。同教授は、ニンテンドーDSで爆発的ヒットを記録した脳活性化ソフト『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』(脳を鍛える大人のDSトレーニング、脳トレ)を監修したことでも有名。
同教授によれば、電子機器の長時間利用が脳の働きを混乱させ集中力が低下するため、「使用は1日1時間以内を意識してほしい」とのことだ。
調査は、仙台市立中学校に通うおよそ2万4000人を対象に実施。1日あたりの勉強時間が同じ生徒でも、スマホの利用時間が長い生徒ほどテストの成績が低い傾向にあることが分かったという。
家庭で2時間以上勉強する生徒の数学の平均点を調べたところ、スマホの利用時間が1時間未満と答えた生徒の平均点は75点、まったくスマホを使わないと答えた生徒の平均点は74.7点だった一方で、3時間以上利用すると答えた生徒の平均点は61.2点だった。とくに、4時間以上利用すると答えた生徒の平均点は57.7点で、家庭での勉強時間が30分未満の生徒の平均点62.6点を下回った。
この傾向は、ゲーム機やPCも同様で、国語や理科、社会でも同じ傾向だった。もしかすると、『脳トレ』をプレイした結果、かえって脳の働きが混乱して成績が低下してしまった中学生プレイヤーもいたのかもしれない。