Kantar Worldpanel ComTechは、2013年8~10月における世界のスマートフォン販売シェアに関する調査結果を発表した。
9月にiPhone 5s/5cをリリースしたiOSのシェアは日米を中心に前月より大きく上昇したが、全体的にiPhone 5のリリース時より(2012年同期比)もその効果は低いという。
10月の日本でiPhoneが76%の圧倒的シェア
ただし日本市場は例外で、NTTドコモからiPhone 5s/5cが発売された影響により、10月のスマートフォン販売台数の76.1%がiPhoneとなり、8~10月の通算でも61.1%もの圧倒的なシェアを占めている。
10月の日本市場に関しては、同グループのカンター・ジャパンがより詳しく調査結果を公表した(n=10,000)。それによれば、ドコモのスマホ購入者のうちの61%、同じくauの72%、ソフトバンクの97%がiPhoneを選択しているという。新型iPhoneリリース直後およびドコモからの発売により、急激にシェアが拡大した格好だ(通常月のiPhoneシェアは50%前後)。
米国ではiPhone 5cが新たな顧客を開拓
また世界に目を戻すと、キャリアによる販売補助金の影響が大きい米国でも、iOSのシェア(8~10月)は40.8%と高水準になった。なかでも、iPhone 5cがAppleのシェア増加に貢献し、5c購入者のほぼ半数が他メーカー(SamsungやLG)製品からの乗り換えだったという。
さらに、iPhone 5c購入者の平均年齢が38歳なのに対しiPhone 5sの購入者は34歳であり、5c購入者の42%が年収4万9,000ドル以下(5sでは21%)と、5cがiPhoneに新しいユーザー層を取り込む成果を上げていることが示唆されている。
欧州や中国ではAndroidとWindowsの壁
その一方で欧州では、販売補助金の少ないドイツ、イタリアなどを中心にiOSは苦戦。Androidが70.9%(EU5カ国)と立ちはだかったことに加え、Nokia製の「Lumia 520」「Lumia 620」などの低価格モデルを投入したWindows Phoneのシェア増加が進んだ。結果、フランス、イタリア、イギリスなどでWindows Phoneのシェアは10%を超え、EU5カ国でも10.2%に達して2位のiOS(15.8%)に迫った。
そして、販売台数で世界首位となった中国市場では、Androidの圧倒的優位の状況が続いており、シェアは前年比8.4%増の78.1%にまで上った。iOSのシェアは15.5%(前年比3.4%減)と振るわなかった。