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「エレメントガーディアン」は、美しい3Dグラフィックが目を引く、RPG形式のタワーディフェンス。プレイヤーはガーディアンとして敵の攻撃から魔晶石を守りきり、ステージをクリアして物語を進めていく。実のところ、戦闘シーンはアクション性の高いリアルタイムシミュレーションなのだが、様々なゲームの魅力がギュッと詰まった遊びごたえある作品となっている。
戦略性×アクションのごった煮バトル
WAVEと呼ばれる敵が攻めてくる間、魔晶石が壊されないように敵を倒す戦闘システムで、タワーディフェンスゲームではよくあるスタイルだ。
しかし、敵を倒すために敵の通り道に兵士や罠を設置するのではなく、プレイヤーキャラが敵と直接戦う、アクションゲームのようなシステムを採用。そのため1WAVEの間に、マップを見ながら敵と戦いつつ、魔晶石の近くに敵が行ったらそこへキャラクターを移動させたり、戦闘中に罠を設置して敵の進行を食い止めたりと忙しい。
ゲームジャンルとしてはリアルタイムシミュレーションに近く、クリアはプレイヤーの腕前に依存するだろう。とはいえ、タップのみですべて操作できる操作性、美しいグラフィック、頑張れば何とかなる難易度など、無料ゲームとしては素晴らしいクオリティだ。
多彩な戦術を駆使できる楽しい戦闘システム
敵を倒すためにはプレイヤーのガーディアンだけでなく、防御水晶、紋章、お守りの3種類のトラップを効果的に使いたい。
防御水晶とは、水晶の範囲内に入った敵を自動的に攻撃するもので、ステージによって場所が決められている。紋章は、ガーディアンが移動できる場所なら好きな所に配置でき、紋章の上に敵が乗ると発動。一度発動すると紋章は消えるが、効果は高い。お守りは、紋章と同じくガーディアンが移動できる場所に配置でき、敵が近づくと攻撃を行う。ただし、一定時間で消えてしまい、効果も低めだ。
さらに上記トラップに加え、火・氷・雷の3種類の属性、キャラクターの武器、2種類の職業(近距離だが高火力のウォーリア、または遠距離攻撃ができるエレメントメイジ)が選択できるなど、豊富な戦術をとることができる。
たとえば3方向から敵が攻めてくる場合、最初の集団にはプレイヤーが対応し、他の2方向は氷の属性の防御水晶、お守りを使って進撃速度を抑える。そして、プレイヤーが最初の集団を倒し終わってから対応に向かう。
反対に、道に紋章を配置し、魔晶石のそばに来る前にダメージを与えておき、魔晶石のそばに来たところをプレイヤーが一掃するなど、プレイヤーが自分にあった戦略を練る楽しさがある。
RPGとして期待するのはやや厳しいか
戦闘システムが充実しており、腰を据えて楽しめる「エレメントガーディアン」なのだが、物語はステージ冒頭の数回の会話で終わってしまうので、早く次のストーリーが見たいという欲求はあまり湧いてこない。
RPGやタワーディフェンスという言葉に惹かれるユーザーよりも、しっかりと作られた遊びごたえのあるゲームが好きな人におススメしたい作品といえそうだ。