格安SIMでケータイ料金を抑えることが普通の時代に
格安SIM……最近、ケータイ業界でよく耳にする言葉だが、何だか小難しく聞こえてしまって「自分とは関係ない」なんて思っていないだろうか?
しかし、通信料金が劇的に低く抑えられるとなれば話は別だろう。特に、スマホのパケット定額料金の高さに苦しんでいるユーザにとっては、この格安SIMを導入することで家計を大きく助けることができるため、非常に魅力的な選択肢になるはず。
SIMフリータブレットであるGoogle「Nexus 7」の売れ行きが好調だったり、SIMフリーのApple「iPhone」が発売されたりしたことの背景には、格安SIMが普及しつつある事情があると見てよい。月額1000円を切るような格安SIMは、Nexus 7のようなSIMフリー端末や、多くのドコモのAndroidスマホにそのまま挿して使うことができるからだ。それでいて、通信速度や通信容量などの面から使い勝手は一定以上の水準に達している。人気が徐々に高まっている状況も納得なのだ。
音声通話が可能な格安SIMは限られておりデータ通信専用の使い方がメインになるが、IP電話アプリを活用することで音声通話ありの格安SIM使用が可能となる。
格安SIM「楽天ブロードバンドLTE」を使ってみた
筆者は先日、SIMフリー版Nexus 5をGoogle Playから購入した。このNexus 5は、ドコモのスマートフォンで利用していたSIMカード(以下、ドコモSIM)を挿して使うことができるので、そのままドコモSIMで利用しているのだが、やはり運用コストは安くはない。そこで、格安SIMでの運用も検討しているところだったのだが、ちょうどよく「楽天ブロードバンドLTE 875円エントリープラン」のSIMカードを借りる機会があったので、少し試してみることにした。
詳細はこちら → 楽天ブロードバンドLTE
使用感
Nexus 5からドコモSIMを抜いて、楽天ブロードバンドLTEのマイクロSIMを挿し、設定を行う。
設定は簡単で、モバイルネットワーク設定で数カ所に必要な情報を入力するだけだ。
その後、しばらく使ってみたが、当然のことながらデータ通信についてはドコモSIMと同じように使える。ドコモSIMでLTEにつながっていたところでは楽天SIMでもLTEにつながるし、逆もまた然り。
使ってみた感想は「ドコモSIMと同じだね」だ。通信速度も受信時最大112.5Mbpsと、ドコモSIMと変わらない。
ただ、ドコモSIMと異なるのは、LTEなどの高速通信が可能な容量が少ない点。「楽天ブロードバンドLTE 875円エントリープラン」のSIMだと、基本的に月300MBまでとなっている(容量を追加するオプションあり)。300MBを超過すると速度制限がかかり、最大100Kbpsの通信速度に落とされてしまう。
300MBはどれくらいの容量なのか、おおまかな目安は以下のとおり。
- スマホ版Yahoo!トップページを表示…約1,270回
- YouTubeモバイル動画(5分7秒)の再生…約28回(142分)
- スマホ版Google Mapsで現在地を表示した後に拡大(東京23区内のデータ)…約409回
- Skypeテストコール3分…約559分
1日に軽くネットを使う程度なら、この300MBの範囲に収まるという人もいるのではないだろうか。
通信速度が100Kbpsに制限された場合
では、仮に300MBを超過して通信速度が100Kbpsに制限された場合、どの程度の使い心地なのだろうか。思い切って300MBを使いきってみた。
速度制限後でも、LINEの使い勝手は制限前と遜色なかった。テキストとスタンプ画像のやりとり程度なら問題なく利用できる。
また、Webサイトを閲覧する場合、表示に時間はかかるものの、そこまでの不自由さは感じない。20世紀からインターネットを利用しているユーザなら、これくらいの表示速度は耐えうるレベルなのではないか。
それでも通信速度が速いに越したことはない。容量を超過しないように、自宅や会社などではWi-Fiを上手に活用し、できるだけ格安SIMを働かせないことが重要だ。
もしもネット利用の上で支障が出る場合は、容量を追加したり上位プランに変更したりして自分の使い方に最適な格安SIMを探す。そのカスタマイズ感も、ケータイ料金を抑えて賢くスマホ・タブレットを活用していく楽しみの1つだろう。
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