書店大手の文教堂は主要出版社と共同で、紙の雑誌を購入すると同じ内容の電子版を無料で提供する「空飛ぶ本棚」サービスの店頭実験を12月より開始する。
雑誌の売上が120~150%増となったケースも
「空飛ぶ本棚」は、持ち運びの不便さ、読み終えた後の処分など購入客から要望の多かった雑誌の問題点を解消するために開発された、デジタルストレージサービス。
雑誌購入者は、スマートフォンやタブレットで「空飛ぶ本棚」アプリをダウンロードし、店頭で手渡されるクーポンに表示されているユニークコードをアプリ上で入力するだけで、電子版を無料で閲覧できるという。
まず出版10社が参加し、経済誌2点(『週刊東洋経済』など)、旅行雑誌3点(JTBパブリッシング『るるぶ』など)、スポーツ雑誌3点、料理雑誌1点、ファッション誌2点(幻冬舎『DRESS』など)が対象となる。
日本経済新聞によれば、同サービスは文教堂が首都圏を中心に運営する約200店で開始し、2014年末までに売れ筋の300誌に対象を増やす見込み。文教堂では昨夏よりハースト婦人画報社と実証実験を進めており、対象雑誌の売上が120~150%と増加する結果となったという。
「空飛ぶ本棚」は、Amazonが米国で開始したAmazonで紙版の書籍を購入すると無料もしくは格安でKindle版(電子書籍)が入手できる「Kindle MatchBook」に似ているが、リアル書店と出版社による実験の行方が気になるところだ。