血管が見えにくいばかりに、注射針を何度も刺し直すはめになった経験をもつ人は少なくないだろう。患者・医療者双方にとって不利益なこの事態を解決してくれるスマートメガネ「Eyes-On Glasses」を、Evana Medicalとセイコーエプソンが開発した。
Androidベースの医療用ウェアラブルデバイス
「Eyes-On Glasses」は、Androidをベースにしたセイコーエプソン製の透過型ウェアラブルディスプレイ「Moverio」が元になって開発されており、着用者の視界の中央に透過したデジタルコンテンツ(静脈)をオーバーレイ表示しながら、周囲の環境も見ることができるというもの。
皮膚下の静脈を可視化する仕組みとしては、近赤外光で血管内のデオキシヘモグロビンを強調表示し、2つの立体カメラで画像としてキャプチャ。これをメガネのスクリーン上に投影する。画像や動画はドキュメントデータとして最適化され、病院の電子カルテシステムにWi-Fi、Bluetooth、3G経由でワイヤレス転送することも可能だとしている。
皮膚上から適切な静脈を探しづらい患者の場合、注射時に何度も穿刺(せんし)せざるを得ないケースは多い。貴重な治療時間のロスになるだけではなく、もちろん患者は痛くて不快な思いをすることになる。今回のスマートメガネはそんな問題を解消してくれるもので、特に新生児や小児医療の臨床での活用が期待されている。
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