厚さ0.7mm、世界最薄の「ピエゾフィルムスピーカー」はタブレットにも採用へ #CEATEC

ピエゾフィルムスピーカー「スマートソニックサウンド」

開催中のCEATEC JAPAN 2013で京セラが展示している「ピエゾフィルムスピーカー(製品名:スマートソニックサウンド)」が入場者の注目を集めた。

最大の特長は、従来の電磁式スピーカーとは比べ物にならないほど超薄型で軽量であること。3種類のラインナップのうち最も小型のタイプで、縦19.6mm、横27.5mm、厚さ0.7mm、重さ1g。実際に製品を目の前にしても、それがスピーカーだと言われないと普通はスピーカーだと分からないほどの大きさだ。

ピエゾフィルムスピーカー「スマートソニックサウンド」

これを可能にしたのが、ピエゾ素子と呼ばれる圧電素子。電圧を力に変換し、音を発生させる。京セラが培った独自技術により開発されたピエゾ素子と樹脂フィルムによって、大幅な薄型化・軽量化を図った。これにより、薄型テレビやタブレット端末などをさらに薄型にすることが可能だという。スマートフォンへの搭載については、「まずはテレビや車載スピーカー、タブレットなどで使われることを想定している」(説明員)とのことだった。

また、音の指向性が広く、前方180度のどの位置で聞いても同じように聞こえるのも特長。ピエゾ素子が振動し、樹脂フィルムの面全体を振動させることで音が出るためだ。このため、応答速度が速いのも特長で細かい音の再現能力に優れているとのことだ。

ピエゾフィルムスピーカー

京セラブースでは、実際にピエゾフィルムスピーカーの音を試聴することができ、たしかに音はクリアに聞こえた。ただし、低音域の音には迫力が出ていなかった。説明員によると、現在の製品は「中高音域の音の再現度は高いが、低音域は弱い」とのこと。ピエゾフィルムスピーカーをベースにしたスピーカーを採用したLG製の55インチ曲面型3D有機ELテレビも同時にブースで試聴することができたが、こちらは別途メインスピーカーも備え、ピエゾフィルムスピーカーの弱点を補っていた。