「ドクターウォレット」は、レシートを撮って送るだけで、99%以上の正確さで家計簿が完成するサービス。匿名化されたレシートをシステムと人力で処理することで、データ化する。
家計簿を付けるのが面倒だった
「元々、家計簿を使っていましたが、手入力を地道にしていくのが面倒で長続きしませんでした」と、ドクターウォレットを開発したBearTailの黒崎さんは語る。その後、期待して使ってみたOCR(光学文字認識)による家計簿作成アプリを使ってみたものの、誤認識が多く修正作業が発生してしまい挫折してしまったとのこと。
そこで、「面倒なことをせずに、最も簡単に家計簿を付けるとしたらどうすればいいだろうか」(黒崎さん)と考えたのが、サービスを始めたきっかけとなった。調べていくと、入力の手間に苦しんでいる人が多いことが分かり、カメラでレシートを撮って送るだけで家計簿が出来上がるサービスを思いついた。
「情報学を専攻したメンバーが中心となっているエンジニアの会社なので、もちろん画像処理やOCRなどの技術を用いて完璧にシステムだけでデータ化したいという気持ちはありますが、筑波大学の研究者などと議論をするなかで、技術単体の限界というものも見えてきました。そこで、人力をシステムの一部に上手く組み込むことで、超えられなかった壁を超えられるのでは、と考えました」(黒崎さん)
文字入力の精度は高く、レシートの1文字1文字を誤入力する割合が、0.02%。5000文字に1文字間違えると考えればイメージしやすい。現在は、公式では99%という表記で統一している。
レシートの撮影・送信から、実際にデータ化されたものをユーザが確認できるようになるまでは、現時点では基本的には1日以内のデータ化を心がけているという。ある日の実績値では平均25分というデータもある。
仕分けも商品名も自動入力
編集部で実際に使ってみたところ、コンビニのレシートを撮ると約25分後に反映された。
写真のように詳細情報が出ているが、手入力はしていない。仕分けがきちんとされ、購入場所と商品名も正確に入力されていた。グラフでも表示されるので、とても便利。