海外旅行に出発するときに頭を悩ませるのが、スマホ通信網の確保。現地のSIMやレンタルWi-Fiなどを契約する手もありますが、海外でもいつものスマホですぐにデータ通信や通話を使えたら一番スムーズです。
この点、ワイモバイルは、海外でローミングができるオプションに入っていればほとんどの国でそのまま使えます。しかし、高額にならないよう安心して使いたいなら、適切なオプションに加入する必要があります。
本記事では、ワイモバイルで海外ローミング利用する場合の料金や使い方、高額請求されないための注意点などを解説します。
ワイモバイルの「シンプル3 S/M/L」では2026年夏以降、海外での高速データ通信が毎月2GBまで追加料金なしで使えるようになるサービスが提供予定です。オプション加入が不要になり、海外ローミングがより便利かつお得に利用できます。
対象エリアは、海外あんしん定額の定額国Lに設定されている国・地域。2GBを超えた場合は、1GBにつき1000円でデータ通信量を追加できます。
ワイモバイルは「世界対応ケータイ」に入っていれば海外で使える
ワイモバイルのユーザーは、無料の国際ローミングオプション「世界対応ケータイ」に加入していれば海外の対象国で使えます。専用のポケットWi-Fiをレンタルしたり、海外のSIMやeSIMを設定したりする必要がないため便利です。ワイモバイルを海外で使うときの料金の仕組みについてざっくり解説します。
新規契約(MNPや番号移行は除く)でワイモバイルに申し込んだユーザーは、課金開始から5カ月目以降にならなければ「世界対応ケータイ」に加入できません。この場合、ワイモバイル経由で海外ローミングができないので、海外SIMを別途契約するなど別の方法を検討してください。
国際ローミングオプションは2種類
世界対応ケータイは、あくまで海外でローミングをオンにできるようにするというオプション。実際に海外で通信するときは、世界対応ケータイ内の有料サービスが適用されます。
少しややこしいのが、有料サービスは「海外あんしん定額」と「海外パケットし放題」の2プランに分かれていること。料金はざっくり言うと、「海外あんしん定額」が1日3GBで980円、「海外パケットし放題」が1日使い放題で2980円です。
世界対応ケータイに加入している人が何も設定せずに海外に行くと、自動的に「海外パケットし放題」が適用される仕様です。
しかし、多くの海外旅行では「海外あんしん定額」のほうがお得になるはずです。対象国など、海外あんしん定額の条件にあてはまっている人は忘れずに設定を済ませておきましょう。
国際電話・SMSの通話料金は別料金
「海外あんしん定額」や「海外パケットし放題」の料金に含まれているのは、あくまでデータ通信のみです。国際電話やSMSを使うときは、別途料金がかかります。
海外滞在中の通話料金
海外滞在中の通話料金は、国や地域ごとに分かれています。滞在国・日本・その他の国と、電話をかける相手のいる場所によっても料金が異なります。渡航する前に確認しておきましょう。
| 国・地域 | 滞在国向け | 日本向け | その他の国向け | 着信 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ本土 | 125円 | 140円 | 210円 | 175円 |
| ハワイ | 125円 | 140円 | 210円 | 175円 |
| オーストラリア | 75円 | 265円 | 265円 | 80円 |
| グアム | 80円 | 180円 | 210円 | 130円 |
| タイ | 70円 | 180円 | 260円 | 195円 |
| ベトナム | 70円 | 295円 | 265円 | 85円 |
| シンガポール | 70円 | 195円 | 260円 | 155円 |
| フィリピン | 70円 | 175円 | 260円 | 155円 |
| 韓国 | 25円 | 190円 | 265円 | 75円 |
| 香港 | 75円 | 260円 | 260円 | 145円 |
| 台湾 | 70円 | 290円 | 265円 | 150円 |
| 中国 | 70円 | 195円 | 260円 | 165円 |
| イギリス | 75円 | 260円 | 265円 | 110円 |
| イタリア | 75円 | 280円 | 265円 | 115円 |
| スペイン | 75円 | 175円 | 265円 | 110円 |
| ドイツ | 75円 | 265円 | 265円 | 115円 |
| フランス | 75円 | 375円 | 260円 | 110円 |
※接続される現地の通信事業者によっては料金が異なる場合があります。
たとえばハワイに旅行しているときに、ハワイにいる相手への電話なら125円/分、日本にいる相手への電話なら140円/分、ハワイ・日本以外の場所にいる相手への電話なら210円/分かかるというわけです。
海外では、着信を受けたときにも通話料金が発生します。ハワイであれば175円/分です。日本国内では発生しない料金かつ高額なので、特に注意しておきましょう。
LINE通話などのデータ通信による通話なら、追加の通話料金はかかりません。海外滞在中は、できるだけデータ通信の通話を使うことをおすすめします。
日本から海外への通話料金
日本国内から海外にいる相手に発信したときも、通話に特別料金がかかります。通話定額オプションや準定額オプションに入っていても対象外です。通話料金は相手のいる国・地域によって変化します。
| 国・地域 | 国番号 | 通話料金(30秒ごと) |
|---|---|---|
| アメリカ本土 | 1 | 39円 |
| ハワイ | 1 | 36円 |
| オーストラリア | 61 | 99円 |
| グアム | 1 | 36円 |
| タイ | 66 | 99円 |
| ベトナム | 84 | 99円 |
| シンガポール | 65 | 89円 |
| 韓国 | 82 | 99円 |
| 香港 | 852 | 99円 |
| 台湾 | 886 | 99円 |
| 中国 | 86 | 99円 |
| イギリス | 44 | 119円 |
| イタリア | 39 | 119円 |
| スペイン | 34 | 109円 |
| ドイツ | 49 | 119円 |
| フランス | 33 | 119円 |
上記以外の国・地域に発信した際に発生する通話料金および国番号については、ソフトバンクの公式サイトを参照してください。
SMS送信料は一律で1通100円から
海外でSMSを送ると、全角70文字相当(最大140バイト)までで1通あたり一律100円の送信料が発生します。70文字を超える場合は文字数に応じた送信料が加算されます。SMS送信はどの国に滞在していても同じ料金です。
| 全角1文字〜70文字 | 100円 |
|---|---|
| 全角71文字〜134文字 | 200円 |
| 135文字〜 |
200円+全角67文字ごとに100円を加算 |
受信する側は滞在国にかかわらず、受信料はかかりません。
おすすめは定額制の「海外あんしん定額」
海外に渡航するワイモバイルユーザーにまずおすすめしたい有料サービスが、「海外あんしん定額」です。海外あんしん定額の特徴や課金の仕組みを説明します。
3GBで980円/日から、上限に達すると低速になる
「海外あんしん定額」は、世界対応ケータイオプションで提供されているサービスのひとつ。指定された国・地域なら、データ通信を定額利用できます。ほとんどの国・地域は「定額国L」に指定されており、「24時間プラン」「72時間プラン」「96時間プラン」から選択可能です。
| プラン(利用可能時間) | データ通信量の上限 | 価格 |
|---|---|---|
| 24時間プラン | 3GB | 980円 |
| 72時間プラン | 9GB | 2940円 |
| 96時間プラン | 12GB | 3920円 |
利用するには、世界対応ケータイへの加入だけでなく、海外あんしん定額への申し込みが必要です。契約した容量を超えるとデータ通信が低速になり、それ以上勝手に課金されることはありません。高額請求を防げるため、名前通り安心なプランです。
ちなみに低速から通常の通信速度に戻したいときは、再び「海外あんしん定額」のどれかのプランに申し込めばOK。その瞬間から改めて利用時間のカウントが始まります。
「海外あんしん定額」に向いている人・向いていない人
「海外あんしん定額」は、980円で1日3GBというお得な料金で海外ローミングが使えるプラン。ほとんどの海外旅行では、海外あんしん定額を契約しておけば大丈夫です。
しかし、一部の携帯料金プランが対象外になっていることや、実際の使い方によっては「海外パケットし放題」のほうがお得になることに注意が必要です。以下、あえて「海外あんしん定額に向いていない人」をリストアップしました。
- 以下のプランに加入している人
- Pocket WiFiプラン+
- Pocket WiFiプランS
- Pocket WiFiプランL/SS
- 「定額国L」以外の国や地域に滞在予定の人
- 1日に490KB以下しかデータ通信を使わない人
- 1日9GB以上のデータ通信量を使う人
歴代で提供されていたワイモバイルの料金プランのうち、「Pocket WiFiプラン+」「Pocket WiFiプランS」「Pocket WiFiプランL/SS」に加入している人は、海外あんしん定額を利用できません。
「+」と「S」は2015年、「L」と「SS」は2018年に新規受付を終了していますが、そのころから継続してワイモバイルを使っている人は念のため契約している料金プランを確認してみてください。
| 定額国L(3MB/1日で980円) | アメリカ本土、アラスカ、ハワイ、プエルトリコ、バージン諸島(アメリカ領)、タイ、台湾、中国、韓国、香港、モルディブ、ドイツ、フランス、イタリア、グアム、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ブラジルなど |
|---|---|
| 定額国S(1MB/1日で1980円) | バハマ、ジンバブエ、イラン、ミクロネシア、ジブチ、レバノン、ベリーズなど |
記載されていない国と地域に関しては、ワイモバイルの公式サイトを参照してください。
海外あんしん定額で設定されている「定額国L」以外の国・地域、つまり定額国Sでは料金が1MB/1日で1980円〜とかなり割高になります。場所によってはデータ通信が使えないこともあります。この場合は海外パケットし放題を使いましょう。
また1日9GB以上のデータ通信を使うケースでは、使い放題が2980円/日の海外パケットし放題のほうがお得です。1日に490KB以下しかデータ通信を使わない人も、海外パケットし放題のほうがお得になります。
使い放題にしたいなら「海外パケットし放題」
「海外パケットし放題」は、ガラケーが主流だったころに使われたパケット定額制のスマホバージョン。1日9GB以上のデータ通信を使う予定がある人は、海外パケットし放題でデータ通信量の上限をなくしたほうがお得です。
2980円/日で使い放題、従量課金制
「海外パケットし放題」は、1日2980円で海外でのデータ通信が使い放題になるサービスです。「海外あんしん定額」に比べて1日につき2000円も割高になってしまいますが、そのぶんデータ使用量を気にせずに済みます。また海外のどの国でも同じ価格で使えるのが魅力です。
「海外パケットし放題」の料金制度についてもっと詳しく
| 1日の請求価格 | 3G/4G回線で使える通信量 | LTE/5G回線で使える通信量 |
|---|---|---|
|
991KB未満 | 495.5KB未満 |
| 1980円 | 991KB〜25.6MB未満 | 495.5KB〜12.8MB未満 |
| 2980円 | 25.6MB〜無制限 | 12.8MB〜無制限 |
海外パケットし放題は本来、データ使用量に比例して請求価格が決まる仕組みです。3G/4G回線の場合は1KBあたり2円、5G/LTEの場合は1KBあたり4円の価格が設定されています。つまり、「データ使用量(KB)×2円または4円」が1日に請求される基本の価格になります。
しかし、請求価格が1980円を超え5万1200円未満であれば、一律で1980円が請求されることになっています。さらに請求価格が5万1200円を超えると、どれだけ使っても1日2980円になります。海外パケットし放題は一定の通信量を超えると低速になるわけではありません。使った量に応じて料金が請求されます。
ただ、5万1200円分で使えるデータ通信量は3G/4G回線なら25.6MB、LTE/5G回線なら12.8MBです。25.6MBは、実際は添付ファイルをメールで数件送信しただけですぐに到達してしまう程度の通信量。ほとんどの場合、「海外パケットし放題」の利用者は1日2980円が請求されるはずです。事実上「海外パケットし放題=1日2980円でデータが無制限になるプラン」と考えて差し支えないでしょう。
「海外パケットし放題」に向いている人・向いていない人
海外パケットし放題は、全体的に海外あんしん定額よりも割高です。そのため、「海外あんしん定額の対象外になっている人」という消極的な理由が当てはまる人しか向いているといえません。
- 1日9GB以上のデータ通信を使いたい人
- 海外あんしん定額の対象外になっている、以下のプランに加入している人
- Pocket WiFiプラン+
- Pocket WiFiプランS
- Pocket WiFiプランL/SS
- 海外あんしん定額で設定されている「定額国L」以外の国や地域に滞在予定の人
「海外パケットし放題」の強みは1日2980円を支払えば海外でのデータ通信が使い放題になること。「海外あんしん定額」を使ってデータを追加する方法では、2980円を支払っても1日につき9GBしか利用できません。そのためデータ通信の使用量が1日に9GB以上の人は、「海外パケットし放題」のほうがお得になります。
そのほかの場合はできるだけ海外あんしん定額を使うことをおすすめします。滞在する国・地域や契約している携帯プランが海外あんしん定額の対象外であった場合のみ、例外的に海外パケットし放題を利用しましょう。
ワイモバイルの海外ローミングの使い方(オプション申込から設定・利用までの手順)
オプション契約から海外でワイモバイルを使うまでの大まかな流れは、上図の通りです。そのうち設定が必要な手順は「世界対応ケータイオプションへの加入」「海外あんしん定額を契約」「データローミングの設定」の3つのみ。それぞれの設定方法を解説します。
世界対応ケータイオプションに加入しているか確認する/新規加入する手順
世界対応ケータイに加入しているかどうかは、ワイモバイルの会員サイト(My Y!mobile)から確認できます。加入していなくても、画面の案内に従うだけで簡単に設定できます。日本国内にいる分には料金がかからないので、あらかじめ加入しておくのがおすすめです。
まずは以下のワイモバイル公式サイトにアクセスします。
画面を下にスクロール
[世界対応ケータイの申し込み]をタップ
画面を下にスクロールし、「申し込み方法」の下にある[世界対応ケータイの申し込み]をタップします。
画面を下にスクロール
[次へ]をタップ
My Y!mobileに移動するので、ログインしてください。「世界対応ケータイ」のページが表示されたら、「サービス加入のお申し込み」以下の[次へ]をタップします。
画面を下にスクロール
内容を確認し、[申込]
内容を確認したら、「同意する」にチェックを入れて[申込]をタップします。これで世界対応ケータイへの申し込みは完了です。
海外あんしん定額を契約する手順
海外あんしん定額もMy Y!mobileから申し込み可能です。国内でも海外でも申し込みでき、[利用開始する]というボタンを押さない限り料金は発生しません。
ワイモバイル公式サイトに再度アクセスします。
画面を下にスクロール
[海外あんしん定額の申し込み]をタップ
「申し込み方法」の下にある[海外あんしん定額の申し込み]ボタンをタップして、My Y!mobileにログインしてください。
画面を下にスクロール
[海外あんしん定額を利用する]をタップ
My Y!mobileの「海外あんしん定額」のページに飛ぶので、画面を下にスクロールして[海外あんしん定額を利用する]をタップします。
「同意する」にチェックして[申込]
申し込み内容を確認
申し込み内容を確認したら、「同意する」にチェックして[申込]をタップします。申し込みができたら、完了メールが届きます。
以下からは渡航先に到着し、ローミングの設定をしてからおこなう作業です。現在日本国内にいる場合はここで一旦ストップしてください。
渡航先についたら「海外あんしん定額」に申し込んだときに届いたメールを開き、海外あんしん定額サイトにアクセスします。希望のプランを選択して、利用を開始しましょう。利用が開始され、利用可能時間のカウントダウンがはじまります。
データローミングの設定方法(iPhone)
[モバイル通信]を選択
[モバイルデータ通信のオプション]またはSIMを選択
「設定」アプリを開き、[モバイル通信]を選択します。[モバイルデータ通信のオプション]またはワイモバイルのSIMをタップしてください。
「音声通信とデータ」を「5Gオート」、「データローミング」をオンに設定
続く画面で、「音声通信とデータ」を「5Gオート」、「データローミング」をオンに設定すれば完了です。端末によって、項目の場所が上の画像と異なる場合があります。
iPhone 11以前の機種は5Gに対応していないので、[音声通話とデータ]の項目は表示されません。「データローミング」をオンに切り替えるだけでOKです。
データローミングの設定方法(Android)
Androidスマホでの設定手順は機種やバージョンにより異なる場合があります。ここではGoogle Pixel 9a(Android 16)での手順を紹介しています。
[ネットワークとインターネット]をタップ
[SIM]を選択
端末の「設定」を開いたら、[ネットワークとインターネット]を選択。続いて[SIM]をタップします。
SIMを選択
「ローミング」をオン、「優先ネットワークの種類」を「5G」にする
現在使っているワイモバイルのSIMを選択し、「ローミング」をオン、「優先ネットワークの種類」を「5G」にすればOKです。
海外ローミングのよくある高額請求パターンを未然に防止するには
海外に行くときに不安なのが、いつの間にか高額請求されていたという事態。ただ、ポイントを押さえて対策すればそれほど心配することはありません。
今回は、「世界対応ケータイに加入したのに高額な料金が請求された」、また「海外SIMを別途契約したのにワイモバイルから料金を請求された」という、よくありがちな2パターンについて予防策を解説します。
パターン1:世界対応ケータイに加入したのに高額な料金が請求された
このケースの落とし穴は、世界対応ケータイに入っているだけでは海外あんしん定額は適用されないという点です。海外あんしん定額を設定していないと、自動的に海外パケットし放題が適用されてしまうのです。
海外パケットし放題は従量課金制のサービス。5Gの場合は1日に12.8MB以上使っただけで、知らないうちに2980円もかかってしまいます。1日だけならまだよいのですが、たとえば5日間の旅行なら1万4900円+通話料・SMS料の請求が勝手に発生すると考えると恐ろしいことです。
海外に出かける前に海外あんしん定額が使えるかどうかを確認し、使える場合は忘れずに契約しておけば、このパターンの高額請求は防げます。もし海外あんしん定額の対象外になっていても、納得したうえで海外パケットし放題の料金を支払えるはずです。
パターン2:海外SIMを別途契約したのにワイモバイルから料金を請求された
続いては、海外SIMやポケットWi-Fiを別途契約して利用していたにもかかわらず、ワイモバイルから高額な請求がされてしまったというパターンです。
この場合の落とし穴は、世界対応ケータイに入っている状態でデータローミングの設定がオンになっていると、自動的に海外パケットし放題が適用されてしまうという点です。ワイモバイルの海外ローミングサービスを使わないなら、本体の設定から「データローミング」や「ローミング」の項目をオフにしておきましょう。