多くのヒーローが集結するアベンジャーズにおいて、最強と称されるキャプテン・マーベル。彼女がそのベールを脱いだ作品『キャプテン・マーベル』(2019年)の続編となる本作『マーベルズ』では、新たな女性ヒーローであるモニカ・ランボー、ミズ・マーベルが登場し、さらにパワフルなストーリーが展開します。
ヒーロー達が抱える弱さとそれぞれの成長を描く
アメリカのニュージャージー州で暮らす高校生カマラ・カーンは、祖母から贈られた不思議なリストバンドを身に着け、突如スーパーパワーを手にします。街の平和を守り始めた彼女は、ある日突然“ミズ・マーベル”に変身し、最強ヒーローであるキャプテン・マーベルと入れ替わってしまいます。
実はこの不思議なリストバンドは他にも存在し、惑星・ハラを率いるクリー帝国の最高司令官ダー・ベンは、それを入手してキャプテン・マーベルに復讐しようと企んでいます。カマラはキャプテン・マーベル、“敏腕エージェント”のモニカ・ランボーと共に、ダー・ベンの野望を阻止するべく未知の戦いに挑むのです。
モニカは、キャプテン・マーベルの親友の娘であり、モニカにとって彼女は尊敬すべき叔母のような存在です。カマラはキャプテン・マーベルの大ファンであり、憧れの人に会えて有頂天な反面、彼女の意外な一面を見て動揺します。一方、惑星・ハラで「殺戮者」と呼ばれていることが心の傷となっているキャプテン・マーベルは、モニカとカマラにそのことを打ち明け、3人の信頼関係はより深まっていきます。
完璧ではない3人だからこそのチームワークが本作の一番の見どころ。理性的で落ち着きのあるモニカがカマラの興奮を鎮め、年長者のキャプテン・マーベルがまとめ役として2人を牽引します。息の合ったコンビプレーで相手を圧倒するシーンや、3人の「入れ替わりアクション」で敵を翻弄するシーンなど、ユニークなアイデアに満ちた作品。規格外のパワーを持つキャプテン・マーベルが才能の代償と向き合い、成長していく様が見られます。
新鋭ニア・ダコスタ監督のこだわり
本作を手がけたニア・ダコスタ監督は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)シリーズで初めての黒人女性監督でもあります。まだ30代前半の彼女は、2021年の『キャンディマン』で黒人女性監督として初の全米週末興行収入第1位を獲得し、その才能が期待されている逸材です。
『マーベルズ』は、他のマーベル映画と比較すると上映時間が105分と短く、これは「短時間で面白い作品を届けたい」というダコスタ監督のこだわりが反映されているといいます。やや駆け足な場面もありますが、次から次へと見せ場が訪れて飽きさせない展開が魅力です。
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最強ヒーローのキャプテン・マーベル、敏腕エージェントのモニカ・ランボー、新たな世代のヒーロー、ミズ・マーベルの3人がタッグを組み謎の敵に立ち向かう。マーベル・スタジオ最新作。
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