生命の源である海に棲む奇妙な生き物たちを異なる3つの視点で描いたのが、ディズニープラスで配信中のネイチャー・ドキュメンタリー『海の奇妙な動物大集合!』です。
海は生物たちのワンダーランドであり、人間の常識では計り知れない世界が拡がっています。深海の生物や海そのものに対する従来の認識が大きく覆る、美しい映像と迫力満載の魅力のドキュメンタリー・シリーズです。
海の食物連鎖、多様な愛の形は感動と驚きの連続
第1話は、自然界の法則である「食物連鎖」にスポットを当てています。自然界では、奪う者、逃げる者がそれぞれに知恵を絞り、日々熾烈な命のやり取りをしていますが、それは海の生物も例外ではありません。
海に棲む生物たちの進化はとても個性的です。例えば、モンハナシャコの目は人間の4倍に値する12個の色覚受容体を持つため、赤外線すら見えるらしく、その優れた目で獲物を捕獲し、強烈なパンチで相手を仕留めます。さらに、ミズダコやハンドウイルカなどの、生き延びるために備わった驚くべき身体能力と高い頭脳には驚かされるばかりで、その様子をカメラが余すところなく捉えていて感動します。
また、自然界の生物の愛情表現はどれも独特で、人間のそれとはまったく異なります。例えば、タツノオトシゴはメスが卵を産みますが、その卵をオスの体内に産み付けるため、オスが妊娠・出産する珍しい生き物です。一度に200から700匹ほどの卵を産み、その中から成人になるのは1%未満だそう。
そのほか、雌雄同体でオスとメス両方の機能をもつ生物や、どのオスによる子が生まれるかわからない生殖行為をする生物など、とにかく既成概念が覆るような驚きのエピソードが多数紹介されます。
奇妙な進化を遂げる生き物たちの生態に目が奪われる
実に多種多様な生命体が暮らす海の世界ですが、その進化の過程は驚くほどさまざまです。ハナヒゲウツボは、孵化した時はみなオスの状態ですが、他のウツボと隠れ家を共有しているうちに、黄色に変色していく個体がいます。変色した個体はメスの機能を持つようになるため、オスとメスに分かれるいわゆる「性的二型」が孵化後に起こります。
海の生き物が多数生息するサンゴ礁も、それ自体が進化の産物です。海底火山が噴火して島が生まれ、その島が徐々に沈んでいく過程で発生するという、サンゴ誕生の神秘的なメカニズムに魅了されます。
軽快なナレーションと美しい映像で、不思議な生き物たちの生態をつぶさに観察できる本作。海が好きな人はもちろん、特に関心のない人でも、思わず夢中で見てしまうダイナミックな作品です。
『海の奇妙な動物大集合!』を見る(ディズニープラスで配信中)
海の中に棲息する生き物たちの激しい生存競争や、驚きの生殖活動、奇妙な進化の過程にスポットを当てたネイチャー・ドキュメンタリー。美しい映像で繰り広げられる深海の神秘に思わず釘付けになる全3話のシリーズ作品。
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