身なりは完璧。英語も堪能。でも、選ぶ仕事はほぼ赤字。とぼけた敏腕盗み屋と凄腕ハッカーのギャルがお仲間の「脅迫屋」。ドラマ『今からあなたを脅迫します』で、ディーン様ことディーン・フジオカが民放連ドラ初主演で挑むのは、そんな謎の脅迫屋です。ディーン・フジオカの甘いマスクや話し方から「実はいい人」感がバシバシ出ていて、どんな悪事を働くシーンも何故か安心して観ていられるという、ディーン効果抜群の作品。
豪華ダブル主演の本作では、脅迫屋とひょんなことから関わり合いをもつお嬢様役を武井咲が好演。彼女も、「自分のためには1円も使いたくない」数千万もの大金を持ち、世を信じて疑わない、まじめで正直な「変人級」のお人好しという、好奇心がくすぐられる人物です。
驚くのはストーリー展開の早さ。1話の中でスピーディーに事が進み、さらに二転三転、大どんでん返しも待ち受けているので、ちゃんと観ていないと置いていかれます。まるでスピードの速い乗り物に乗っているような感覚は、他のドラマではなかなか味わえないかもしれません。
動画配信サービスのHulu（フールー）では、『今からあなたを脅迫します』の全話が見放題です（2018年7月17日時点）。
脅迫屋の仕事にお人好しが首を突っ込む、一つの依頼が難事件に繋がるストーリー
金坂澪（武井咲）は、困っている人がいると絶対に放っておけない超お人好しの女子大生。エレベーターもない、西向きのアパートで細々と一人暮らしをしていますが、クローゼットの中には何故か使われることのない大金が眠っています。
そんな澪の元に、ある日突然送られてきた謎のDVD。「今からあなたを脅迫します」というアナウンスと、見知らぬ男性にピストルを突きつけている男の姿が。「君たち振り込め詐欺犯が騙し取った金を返さないなら、君の恋人佐藤さんは死んじゃいます。お電話楽しみにまってまーす。葛城菜緒子さん」。
何のことだかまったくわからない澪。次第に脅迫が人違いだと気付くと、「私がお金を払います。見知らぬ他人でも殺されるのは嫌なんです」と脅迫屋に連絡を取ってしまいます。
脅迫屋と名乗る男の名前は、千川完二（ディーン・フジオカ）。プロの盗み屋・目黒（三宅弘城）と凄腕のハッカー・栃乙女（島崎遥香）と組んで、警察や探偵の管轄外事件を「脅迫」で解決するアウトローです。
澪の規格外の善人っぷりにたじろぐ千川。葛城菜緒子はすでに何者かに殺されており、佐藤も解放したことを告げると、今後自分に近づかないよう警告します。事件が迷宮入りしたせいで、振り込め詐欺の被害金が回収できず困った脅迫屋。ダメもとで佐藤の自宅に潜入すると、思いがけない物を発見します。そんな中、解放された佐藤が何故か澪の自宅を訪れていることを知った千川は……。
とんでもない勘違いから、脅迫屋に協力することになってしまう澪。凸凹な2人に次々訪れる風変わりな依頼の数々。2人がそれぞれに抱える、謎の過去も今後明かされるのでしょうか。
千川が、従来のカッコいいヒーロー像ではなく、人のしかけた罠にちゃんと引っかかり、ちゃんと失敗するところがなんとも言えずチャーミング。仲間同士のふざけた空気感と、本気で脅迫にかかる姿とのギャップが堪りません。
「どんな嘘やニセモノも、みんなが信じたことが本当のことになってしまうからね」。嘘とは無縁のお嬢様が初めて出会う、人助けのためのハッタリと脅しの世界。対極の人間同士がどう影響し合うのか、ジェットコースターに乗った気分で展開を見守りたくなる作品です。