忙しくて本を読む時間がなかなか取れない人に紹介したいのが本の要約サービスです。時間の節約や情報の効率的な整理・収集を可能にする要約サービスは、ビジネスパーソンを中心にニーズが高まっています。今回はその中から、「flier(フライヤー)」を紹介します。
flierは、1冊の本を「おすすめのポイント」「本書の要点」など約4000字に要約してくれるサブスクサービス。1冊分の要約は10分程度で読めるため、忙しくて本を読む時間がない人におすすめです。音声の読み上げ機能もあるので、通勤中や運転中の利用にも向きます。
本記事では、flierの料金プランや読める要約の内容、メリット・デメリットなどをレビューしています。
flier(フライヤー)とは?

flier(フライヤー)は、本の要約を閲覧できるサービスです。要約サービスを利用すれば、スキマ時間などを活用して情報のインプットや整理を効率的におこなえます。
ビジネスに役立つ幅広い分野の知識や教養を、1冊あたり10分程度の時間で身につけられる「タイパ」の良さがサービスのウリです。また、本の大事な点を素早くチェックして、自分に必要な本かどうかを判断できます。
flierは2013年にサービスを開始。2022年には累計会員数が100万人を突破し、人材育成や福利厚生などの目的でflierを導入した企業は770社を超えています。要約は毎日1冊ずつ追加されており、2024年現在では3500冊を超える要約が公開されています。
flierの料金プラン
ゴールドプラン | シルバープラン | フリープラン | |
---|---|---|---|
月額料金(税込) |
月額2200円 ※このリンクから加入すれば月額1980円 |
月額550円 | 0円 |
無料期間 | 7日間 | × | ― |
オリジナル特集記事 | ◯ | ◯ | ◯ |
試し読み要約コンテンツ | ◯ | ◯ | ◯ |
有料要約コンテンツ | 3500冊以上の要約が読み放題 | 月5冊まで | × |
動画コンテンツ | ◯ | × | × |
flierの有料プランは「ゴールドプラン」と「シルバープラン」の2つです。
ゴールドプランの料金は月額2200円。毎日1冊ずつ追加される要約をはじめ、過去に登録された3500冊以上の要約すべてが読み放題になります。年間プランなどの割引はなく、1年間登録すると2万6400円かかります。
初めてゴールドプランを利用するユーザーには7日間の無料体験があります。無料体験中は3500冊以上の要約を自由に閲覧できるので、どのようなサービスかを知りたければ実際に試すのが一番です。
通常、ゴールドプランの料金は月額2200円ですが、以下のリンクから登録すれば月額1980円で利用できます。
シルバープランは月額550円の割安プランです。有料の要約を月5冊まで閲覧できます。一度読んだ要約は翌月以降も利用できます。ゴールドプラン・シルバープランどちらも解約すると過去に読んだ要約を閲覧できなくなります。
flierには20冊程度の要約を無料で読めるフリープランもあります。
フリープランは本の概要や著者紹介、箇条書きで列挙されたおすすめポイント(要点)というように、表示される情報がかなり限定されます。実際に要約を読んだり音声を聴いたりするには、有料プランへの加入が必要です。
どのような本の要約が読める?

flierはおもにビジネスパーソンを対象にしたサービスなので、要約もビジネス書が大半です。
旬なビジネス書は、話題書やランキングのコーナーがあるのですぐに見つかります。ランキングは日間から週間・月間・年間まであります。名前を耳にすることが多い本や、さまざまなメディアで取り上げられた話題の本が高確率で見つかるでしょう。

「検索」タブ
「検索」タブではキーワードや書籍の名前で検索したり、カテゴリから本を探したりすることも可能です。カテゴリは「スキルアップ・キャリア」「自己啓発・マインド」「生産性・時間管理」「リーダーシップ・マネジメント」など、17種類に整理されています。
ビジネス書が大半ですが、「リベラルアーツ」や「健康・フィットネス」というカテゴリも含まれており、ビジネスパーソンが「いま読むべき本」を実用書や教養書などの幅広い分野から選んでいるのがわかります。
- スキルアップ・キャリア
- 自己啓発・マインド
- 生産性・時間管理
- リーダーシップ・マネジメント
- 経営戦略
- 起業
- 人事
- マーケティング
- 産業・業界
- グローバル
- 政治・経済
- ファイナンス
- テクノロジー・IT
- サイエンス
- リベラルアーツ
- 健康・フィットネス
- トレンド
カテゴリとは別に、さまざまなテーマのプレイリストを用意しています。『イライラ・モヤモヤしたら読む本』(全5冊)や『はじめての松下幸之助』(全3冊)、『「ビジネス書グランプリ2024」受賞作vol.1』(全4冊)といった具合で、テーマに関連のある本と出会うことができます。
要約の内容はどんなことが読める?

多くのビジネス書は何百ページにも及び、読み終えるのに長時間以上かかるものが少なくありません。flierでは、1冊の内容を約4000字の要約にまとめています。平均的な人で大体10分前後で読める文量です。
要約は、「おすすめのポイント」「本書の要点」「要約」「一読のすすめ」で構成されています。最初に本の基本情報や著者の紹介に目を通したあと、重要なポイントを箇条書きで確認し、要約の本文に移るという流れです。フォーマットが統一されているので、慣れれば知りたい内容を素早くチェックできます。
便利なのは、要約を音声で聴ける点です。AIによる音声読み上げなので機械的ではありますが、発音は自然だと感じました。1冊分の要約を聞き終えるのに必要な時間は15〜20分程度。黙読より時間がかかりますが、通勤や運転など移動中などにインプットできます。急いでいるときは、最大2倍速まで変速が可能です。
またWebからflierを利用した場合、要約のPDFをダウンロードできるのがうれしいところです。オフラインで読めるのはもちろんですが、PDFならサービスを解約したあとでも閲覧できます。
flierのメリット・デメリット
flierを使ううえでのメリットとデメリットを紹介します。有料プランへの加入を検討する人は参考にしてみてください。
メリット:本を読まずとも内容をおおまかに把握できる
実際に本を読まなくても内容を大まかに把握できるのがflierのメリットです。興味を持てるかどうかをすぐに判断できるので、忙しい人に特にぴったりです。読む本を厳選したいとき、flierをフィルターにすることで読むべき本を簡単に整理できます。
flierを利用していると、要約を読んだあとに実際に本を読むという機会が増えるかもしれません。その場合、要約をすでに読んでいるため理解が早くすみます。また、過去に読んだ本の内容を思い出すのに役立てるという使い方もありそうです。
馴染みのない分野や興味がない分野の場合でも、要約ならある程度スムーズに読み進められます。1日に3冊の要約を読むだけでも月に100冊以上の本の内容をインプットできます。短期間に知識を増やしたいなら、これほど効率的な方法はありません。

マイページで利用状況を確認できる
気になった要約や本を見つけたときは、「あとで読む」や「お気に入り」に登録しておけば、マイページで管理できます。マイページでは開いた要約の履歴や直近12カ月の利用状況などを確認することも可能です。
デメリット:本の大事な部分までは伝わらないことも
要約ならではのデメリットもあります。それは本の内容を隅々までチェックできない点です。どれほど優れた内容が書かれていても、要約では「腑に落ちる」ことが少ないと感じます。
要約では確信めいた結論がいきなり語られることも少なくありません。「なるほど」と納得できるような著者の語り口や結論に至るまでのプロセスなど、要約を読んだだけでは伝わらないことがあります。
対面で実際に話すのと、メッセンジャーで簡単な会話をするのとでは、受け取る印象や情報量がまるで違うのと同じように、要約だけでは本の大事な部分はなかなか受け取れない可能性があります。本の内容を少しでも詳しく知りたいと思ったら、実際に買って読むしかないのです。
flierはどんな人におすすめ?

flierは、1冊の要約は10分程度で読める文量で、ちょっとした時間をインプットに活用したい人に最適です。1冊まるごと読む必要がないので、時間を大きく節約できます。要約とはいえ、多くの本の内容をインプットして知識量を増やしたり、情報を整理したりとメリットは多いです。
ただ、要約サービスでは本を隅々まで理解することができません。要約のメリットとデメリットを理解して利用する必要があります。
その結果、実際に本が読める「Kindle Unlimited」や、音声で聴ける「Audible」「audiobook.jp」といったオーディオブックサービスのほうが合っていると考える人もいるかもしれません。flierを選ぶときは、自分の目的に合致しているかを検討することも大切です。