LINEアプリ(iOS/Android)がバージョン8.0にアップデートされ、重要なプライバシーポリシーの変更がおこなわれました。アップデート後にLINEを起動すると、「サービス向上のための情報利用に関するお願い」というポップアップ画面が表示されるようになっています。
ユーザー情報の取扱いの明確化や、不正利用の防止、サービスのさらなる改善・開発等サービスなどを目的としているとのことですが、本記事ではこのプライバシーポリシー変更のポイントと、「サービス向上のための情報利用」への同意(オフにできる)など新しいプライバシー設定について解説します。
LINEで必須のプライバシー設定、トラブルを防ぐためにこれだけは押さえたいポイントとは
プライバシーポリシーの変更ポイント
2018年1月15日に更新されたLINEのプライバシーポリシーの主な変更点は以下のとおり。
- 「サービス向上のための情報利用」に同意したユーザーから、新たに特定のLINE利用情報を取得して活用する
- 公式アカウント運営者等の第三者に対してユーザー情報の一部を提供することがある旨が記載された
- LINEグループ会社に対してユーザー情報を共同利用することがある旨が記載された
- LINE内の広告配信の仕組みや配信の停止/再開方法などについての記載が追加
特に重要なのは(1)ですが、以下の情報が利用される対象となり、友だち(ユーザー)同士でやりとりしたメッセージや画像・動画などの内容、通話内容などは含まないと案内されています。
◆友だちとのトークルーム
使用したスタンプ、絵文字、エフェクト、フィルターの種類
トークの相手、日時、既読、データ形式、取消機能やURLへのアクセスなどの利用状況
※データ形式とは、やりとりしたコンテンツがテキストなのか画像なのかなどを示す情報
◆公式アカウントとのトークルーム
トーク内容(テキストメッセージ・画像・動画の内容を含みます)を含むコミュニケーション
※ただし、官公庁、自治体、政党、金融、病院、宗教に関連するものなど、LINEが特に機微な情報を扱う可能性があるとして指定したアカウントについてはトーク内容の分析対象外となる
◆タイムライン
投稿内容、投稿日時、データ形式、コメント欄のスタンプ、閲覧時間および回数等
※ただし、公開範囲が「自分のみ」の場合、投稿内容は対象外となる
◆LINEが提供しているブラウザ、保存、共有などの利用状況
トークルームで保存、共有といった機能を使った場合、そのデータ形式等
◆LINE経由でのURLアクセス元情報
たとえば、友だちとのトークルームからアクセスした場合、そのトークルームのこと
(2)に関しては、たとえばLINEで公式アカウントを友だち追加する際の許諾画面が省略されることになります。提供される情報は内部識別子、言語設定などの機器情報等、必要最低限の情報に限られるとしており、それら以外の情報提供にあたっては従来どおりユーザーの意思確認をおこなうといいます。
また(3)は、LINEグループ会社間でサービス上の不正を早期に防止することや、LINE Payなどグループ会社が提供するサービスとアカウント情報を連携したユーザーに重複した個人情報の入力を求めることを省略する、といった目的であるのことです。
(4)については、LINEはサービス内でユーザーの興味関心に即した広告を配信することで収益を得て運営していますが、ユーザーの設定内容の保存など利便性、セッションの維持・保護などセキュリティ、広告効果の計測などを目的に、クッキー(Cookie)を利用している旨が明示。ユーザーはCookieの使用可否を選択できます(後述)。
情報提供への同意をオフにする設定
とはいえ、(1)で対象となった情報を利用されるのが気になるというユーザーもいることでしょう。プライバシーポリシーには同意しないと以後LINEを利用することはできなくなりますが、(1)で触れた「サービス向上のための情報利用」(以下、情報提供)については、同意せずLINEを使うことは可能です。
情報提供に同意したくない場合は、アップデート後のポップアップ画面で[サービス向上のための情報利用]の項目からチェックを外して、[上記に同意する]をタップします。
ポップアップ画面で同意してしまったという場合でも、[その他(…)]タブで[設定(歯車マーク)]→[プライバシー管理]→[情報の提供]と進んで[トークルーム情報]をオフにすることで、オプトアウトすることができます。
ウェブ追跡型広告の受信(Cookie)の拒否設定
上記プライバシー設定における「情報の提供」の項目では、Cookie(LINEサービスにおける訪問回数や利用形態などの履歴を利用)の拒否設定も可能です(デフォルトではオンになっています)。
オフにすると訪問履歴による広告配信が停止されますが、ログインが必要なサービスなどが利用できない場合があります。問題なければ、[ウェブ追跡型広告の受信]をオフすることでCookieの保存を拒むことができます。