電子ペーパーを採用した大人気の電子書籍リーダーKindleシリーズに、新モデル「Kindle Colorsoft(キンドルカラーソフト)」が登場しました。ついに、カラー対応モデルがリリースされたのです。
いよいよ電子ペーパーもカラーが普及する時代が到来。今回は3種類のうち、上位モデルのKindle Colorsoft シグニチャーエディションをレビューしていきます。
シンプルな電子書籍リーダー

スタンバイ状態でも画面がカラーだ
Kindleシリーズは大人気の電子書籍リーダーですが、読める書籍はAmazonのKindle本に限られ、他の電子書籍は読めません。ただ、PDFファイルなどを転送して表示することは可能です。
今回レビューするKindle Colorsoftシリーズは、アメリカでは1年ほど前から販売されています。ようやく日本でもリリースされたというわけです。

背面はシンプル
ラインナップは「Kindle Colorsoft」「Kindle Colorsoft シグニチャーエディション」「Kindle Colorsoft キッズモデル」の3製品です。今回は、上位モデルのKindle Colorsoft シグニチャーエディションをレビューします。
Kindle Colorsoft | |||
---|---|---|---|
価格 | 3万9980円 | 4万4980円 | 4万2980円 |
ディスプレイ | 7インチ | 7インチ | 7インチ |
サイズ | 176.7×127.6×7.8mm | 176.7×127.6×7.8mm | 178×132.2×12.7mm |
重さ | 215g | 219g | 334g |
容量 | 16GB | 32GB | 16GB |
防水 | ◯ | ◯ | ◯ |
ワイヤレス充電 | ✕ | ◯ | ✕ |

同梱物は説明書とUSBケーブルのみ
iPadなどのタブレットは普通にカラーです。これらのタブレットは液晶もしくは有機ELディスプレイなので、バックライトや自発光の光を見ることになります。
ところが、電子ペーパーは紙のように文字や図を表現します。暗い場所ではフロントライトを光らせることで明るく見えます。つまり、反射光で見るデバイスなので目に優しいのです。ついに電子ペーパーにもカラーの時代がやってきました。
Kindle Paperwhiteと比較

本体サイズも画面サイズもKindle Paperwhite シグニチャーエディション(左)と基本的に同じ
今回は、Kindle Paperwhite シグニチャーエディションと比較しながらレビューします。本体のサイズは、まったく同じで176.7×127.6×7.8mmと変わりません。

Kindle Colorsoft シグニチャーエディション(上)のほうがわずかに重い
重量はKindle Paperwhite シグニチャーエディションが214g、Kindle Colorsoft シグニチャーエディションが219g(どちらもカタログ値)となります。カラーモデルのほうが少しだけ重くなりますが、手にした感じではほとんど変わりません。
一般的なスマホと大差ない重さなので、長時間手にしていても負担が少ないのがいいところです。

背面も色以外は同様。Kindle Colorsoft シグニチャーエディション(左)は、ロゴマークの部分が少しホログラムのような金属感のある仕上げ
画面サイズも外観も基本的にはまったく同じです。ただし、背面のロゴマークが金属質な色合いになっています。
気になるバッテリー駆動は、Kindle Paperwhiteシグニチャーエディションが最大12週間なのに対し、Kindle Colorsoft シグニチャーエディションは8週間です。カラーモデルのほうが駆動時間も3割くらい短くなります。なお、どちらのモデルも防水機能に対応します。
画面はとてもきれいで、ライトの色味も変更できる

フロントライトで暗い部屋でも画面が見やすい
Kindle Colorsoft シグニチャーエディションは、他のカラー対応の電子ペーパーに比べると画質は上々だと感じます。これまで多くのカラー電子ペーパーを見てきましたが、発色がかなりいいのです。とはいえ、液晶や有機ELと比べるとやわらかでしっとりした色合いで、鮮やかさには欠けます。まさにカラーソフトという名前どおりです。
光が穏やかなので長時間見ていても刺激が少なく、まさに紙のようなイメージです。マンガなどにはいいのですが、写真集などにはあまり向かないかもしれません。

部屋の照明に合わせてオレンジ色の色味にも調整できる
フロントライトが搭載されているので、暗い部屋でも普通に書籍が読めます。屋外や明るい室内では、フロントライトをオフにしても読めます。
ライトの明るさは調製可能で、色合いも白系からオレンジ系へと調整できます。部屋の明かりが暖色な場合は、オレンジの色味を加えることで、適切な色合いで表示可能です。このあたりの機能は、Kindle Paperwhiteシグニチャーエディションと同様です。
なお、Kindle Colorsoft シグニチャーエディションのみが明るさの自動調整機能とワイヤレス充電に対応しており、Kindle Colorsoftとキッズモデルはいずれも非対応です。

Kindle Colorsoft シグニチャーエディションなら明るさの自動調整も可能だ
カラーのメリットは絶大だ

ビジネス書もカラーの書籍は読みやすい
Kindle Colorsoft シグニチャーエディションは、書籍やマンガをカラーで表示できます。カラー印刷の書籍は大変見やすく、感動ものの美しさです。マンガや雑誌、カラーのビジネス書などにはとても良いデバイスだと感じるはずです。
Kindleアプリ版同様、カラーハイライト機能が搭載されたので、重要な部分はピンク、気になるところは黄色といった感じで、文章を色別でマークできるようになりました。

カラーのマンガはだいぶ違いがあるので、価値は大きい
これまでのKindleシリーズでモノクロ表示していたマンガをカラーで表示すると、その違いは雲泥の差です。
ただし、注意点があります。モノクロの表示は300ppiなのに対し、カラーは150ppiと解像度が低くなるのです。カラーの書籍はモノクロの文字を含めて全体が少しぼんやりとしてしまいます。文字のキレは、モノクロにはかないません。とはいえ、モノクロの小説などは、Kindle Paperwhite シグニチャーエディションと同じように高解像度で表示することができます。

小説を表示するとどちらも美しいが、色合いや明るさが少し違う
また、Kindle Colorsoft シグニチャーエディションは、ページの書き換えが微妙に遅く感じます。ページをめくるレスポンスを比較すると少し遅れているように感じるかもしれません。とはいえ、比較しなければわからない程度の小さな違いです。
多くの人がカラーとモノクロの書籍が混在した状態で読書をしているはず。書籍の中身がモノクロだけの小説でも、表紙がカラー表示になるだけで一覧からも探しやすくなります。

書籍の表紙はカラーなので小説でも探しやすい
まとめ:カラーで読むものが多いなら間違いなくおすすめ

Kindle Colorsoft シグニチャーエディションは、画面がカラーになる以外はKindle Paperwhite シグニチャーエディションと大差ありません。スペックも同様で、ストレージは32GBで画面サイズも同様です。
当然ですが、カラーのマンガなどを読む機会が多いなら、Kindle Colorsoft シグニチャーエディションをおすすめします。もしくは、小説や参考書などを読んでいて、文章の引用箇所をカラーで仕分けしたい人にも向きます。
価格は4万4980円です。Kindle Paperwhite シグニチャーエディションが2万7980円なので価格差はそれなりにありますが、カラーの価値は十分にあります。
なお、YouTubeでも詳しくレビューしていますので、こちらも参考にしてください。