iPhone機種変更時にパソコンなしでも写真・動画を丸ごとデータ移行できる「ドコモデータコピー」の使い方 iCloudストレージがいっぱいでも大丈夫

ドコモデータコピー

パソコンを持っていないiPhoneユーザーが、iCloudを使って新しいiPhoneへ機種変更するときに最も頭を悩ませるのは、大量に保存されている「写真(画像)」と「動画(ビデオ)」のデータファイルをどうやって移行させるのか、ということについてでしょう。

そんなときに知っておいてほしいのが「ドコモデータコピー」アプリ。ドコモがリリースしているアプリですが、ドコモ以外のユーザー(auやソフトバンク、格安SIMなどのユーザー)でも利用できます。

アプリ「ドコモデータコピー」をダウンロード
ドコモデータコピー

Android版の「ドコモデータコピー」はGoogle Playからインストールできません。ドコモのAndroidスマートフォンにプリインストールされています。

小難しい作業は特になし。今まで使っていたiPhoneに入っている写真・動画を新しいiPhoneにWi-Fi経由でかんたんにコピーできます。いつも不足気味のiCloudストレージに悩まされてきたiPhoneユーザーにとって救世主となる存在だと言えます。

アプリオ編集部

たいした撮影数ではないのに、すぐにiCloudストレージをいっぱいにしてしまう写真・動画の存在が、iCloudを使った機種変更を難しくしています。iTunesを使えない人にとって、ドコモデータコピーを使ったデータ移行は頼れる応急処置となります。

本記事では、「ドコモデータコピー」が必要とされる背景とおすすめポイントを紹介し、その使い方を徹底解説します。

なぜiPhone機種変更時に「ドコモデータコピー」が必要とされるのか?

アプリオ編集部

なぜiPhone機種変更時に「ドコモデータコピー」が必要とされるのか? ざっくり答えを言うと「iCloudを使ってデータを移行する場合でも、大量の写真・動画を手軽に引き継げるから」です。写真・動画はiCloudバックアップの対象外にしておき、機種変更後にドコモデータコピーで新しいiPhoneにコピーします。

前提:「写真・動画が多すぎるとiCloudバックアップを作成できない」問題

iCloudストレージがいっぱいです

この警告メッセージを見慣れている人も多いのでは?

「iCloudストレージがいっぱいです」というメッセージが頻繁に表示されるiPhoneユーザーは少なくないはず。たいていのiPhoneユーザーは遭遇したことがあることでしょう。この状態だと、iCloudバックアップを作成しようとしても「iCloudストレージに十分な空き領域がないため、このiPhoneのバックアップは作成できません」となってしまい、iCloudバックアップを保存できません。つまり、最新のデータが反映されたiCloudバックアップによってデータを移行できないのです。

iCloudストレージに十分な空き領域がないため、このiPhoneのバックアップは作成できません。

データが多すぎると、バックアップを新規作成できなくなる

iCloudストレージがいっぱいになる主な原因は、写真・動画のデータが大きすぎることにあるのが一般的です。データを保存する場所となるiCloudストレージには、無料で使える容量がたったの5GBしかありません。そのため、無料でiCloudバックアップを作成するためには、写真・動画のデータをバックアップ対象から外さざるを得なくなるわけです。

しかし、思い出の詰まった写真や動画を機種変更のたびに捨ててしまうのは誰しも避けたいもの。では、どうすれば写真や動画を失うことなく、新しいiPhoneに移せるのでしょうか?

どれがおすすめ? iPhoneの最適な容量モデルの選び方【最新版】

「ドコモデータコピー」がiCloudストレージ不足のユーザーにとって救世主となる4つの理由

そこで活躍するのが、今回紹介するアプリ「ドコモデータコピー」。このアプリはiCloudストレージ不足のユーザーにとって救世主となる存在です。その理由は、以下のとおり。

  1. 写真・動画データをiCloudバックアップから除外しても、あとから新端末にコピーできるようになる
  2. 誰でも簡単に使える
  3. 完全無料
  4. Wi-Fi(無線LAN)環境さえあればよい

理由1. 写真・動画データをiCloudバックアップから除外しても、あとから新端末にコピーできるようになる

原則として、iPhoneからiPhoneに機種変更するときパソコンを持っていないユーザーが全データを引き継ぐためには、iCloudを使ってデータ移行しなければなりません。

しかし、写真・動画が多すぎると、無料で使える5GB分のiCloudストレージに保存しきれないだけでなく、そもそもiCloudバックアップを作成できなくなります。バックアップがなければ新しいiPhoneに最新データを復元できません。よって、写真・動画をバックアップ対象から除外した上で、iCloudバックアップを作成することになります。

それだと写真・動画を引き継げない……と思いきや、ドコモデータコピーを使えば、写真・動画をiCloudにバックアップしなくても、機種変更したあとで新しいiPhoneにコピーできるのです。

ドコモデータコピーとiCloudバックアップの使い分け

  • フォトライブラリ(写真・動画データ):機種変更後にドコモデータコピーを使って新しいiPhoneにコピーする
  • その他のデータ:iCloudバックアップに保存し、新しいiPhoneに移行させる

iCloudを使ったデータ移行であっても、写真・動画を新しいiPhoneに引き継げるのがドコモデータコピーの強みなわけです。

iPhoneの容量が不足した時、空きを効果的に増やす方法

理由2. 誰でも簡単に使える

ドコモデータコピーの「今まで使っていたiPhoneから新しいiPhoneにデータをコピーする」という仕組みは誰にでも理解しやすい上、アプリ操作時の説明も分かりやすく、実際のコピー作業で迷うところはほとんどありません。

理由3. 完全無料

アプリの利用が完全に無料なのもポイント。転送するデータのサイズによって課金されることはありません。

理由4. Wi-Fi(無線LAN)環境さえあればよい

新旧iPhone以外に必要なものはWi-Fi環境のみ。写真・動画を新しいiPhoneに移動させるためだけに、iCloud以外のサービスを利用したり、別の製品を買ったりせずに済みます。Googleフォトのようなクラウドサービスを利用する方法や外付けのUSBストレージまたは据え置きのNAS(例:バッファローの「おもいでばこ」)などにデータをバックアップする方法もありますが、いずれも一長一短。写真・動画データを"とりあえず移行したい"というニーズを重視するなら、ドコモデータコピーを上回るサービスはないと言っても過言ではありません。

なお、身も蓋もない話ですが、「お金はかかってもいいから、一番かんたんな方法で機種変更したい」という人は、iCloudのストレージを月額で購入するのがベストの選択肢です。50GB(月額130円)/200GB(月額400円)/2TB(月額1300円)のいずれかのプランにiCloudストレージをアップグレードすると、いろいろと面倒な手続きから解放されます。

「ドコモデータコピー」で写真・動画データを移行する方法

アプリオ編集部

ここではドコモデータコピーの使い方を解説します。手順通りにやれば、何も難しいことはありません。

まず、ドコモデータコピーを使ってデータを移行する作業の前に、旧端末と新端末とで準備が必要です。そのあとで、ドコモデータコピーを使ってデータをコピーする流れになります。

事前準備(1):旧端末側(コピー元)

iPhone機種変更

コピー元となる旧端末(iPhone 8)

1. Wi-Fiに接続する

自宅のWi-Fiや公衆無線LAN、モバイルWi-FiルーターなどでWi-Fiに接続しましょう。

2. 「ドコモデータコピー」アプリをインストールする

「ドコモデータコピー」アプリをインストールします。

アプリ「ドコモデータコピー」をダウンロード
ドコモデータコピー

Android版の「ドコモデータコピー」はGoogle Playからインストールできません。ドコモのAndroidスマートフォンにプリインストールされています。

3. iCloudバックアップの対象からフォトライブラリを除外する

事前作業での最大の注意事項は、先ほどから触れているとおり、フォトライブラリをiCloudバックアップから除外しておくことです。

iCloudフォトライブラリを無効化する

まず、「設定」アプリ→最上部の[(ユーザー名)]→[iCloud]→[写真]の[iCloudフォトライブラリ]をオフにしておきます。

iCloudバックアップからフォトライブラリを対象外とする

次に、「設定」アプリ→最上部の[(ユーザー名)]→[iCloud]→[ストレージを管理]→[バックアップ]→[(iPhoneの名前)]の「バックアップするデータを選択」の項目で[フォトライブラリ]をオフにしてください。

この手順については、下記記事でも詳しく解説しています。

【iPhone】「iCloudバックアップ」が作成できない? 写真・動画の容量が原因なら簡単に解決できる

フォトライブラリを除外しても、iCloudバックアップが5GB以内に収まらないのであれば、その他の不要なデータ・アプリもバックアップ対象外に設定してください。

4. iOSを最新バージョンにアップデートする

iOSは最新バージョンにアップデートしておきましょう。

iPhoneでiOSをアップデート(バージョンアップ)する方法

5. iCloudバックアップを作成する

iCloudバックアップを作成する

iCloudバックアップを作成します(「設定」アプリ→最上部の[(ユーザー名)]→[iCloud]→[iCloudバックアップ]→[今すぐバックアップを作成]をタップ)。

iCloudを使った機種変更の経験がないのであれば、その手順については下記記事内の【PCがない人向け】「iCloud」によるバックアップと復元でデータ移行する方法の項目を参考にしてください。

【最新版】失敗しない、iPhone機種変更時のデータ移行 完全ガイド

事前準備(2):新端末側(コピー先)

iPhone機種変更

コピー先となる新端末(iPhone X)

1. iCloudバックアップからの復元&初期設定をおこなう

新しいiPhoneの電源を入れて、アクティベーション(初期設定)をおこない、旧端末で作成したiCloudバックアップからデータを復元します。

【最新版】失敗しない、iPhone機種変更時のデータ移行 完全ガイド

ここまでの解説どおりにバックアップ・復元を進めていれば、「ドコモデータコピー」アプリが新しいiPhoneにインストールされている状態になります。また、以下の画像のように「写真」アプリを開いても何もデータが入っていないはずです。

新しいiPhone:写真・動画はデータ移行していない状態

新しいiPhone側には写真・動画データは移行されていない

2. iOSを最新バージョンにアップデートする

iOSは最新バージョンにアップデートしておきましょう。新旧iPhoneでOSバージョンが異なると、問題が発生しやすくなります。

iPhoneでiOSをアップデート(バージョンアップ)する方法

「ドコモデータコピー」で写真・動画データを移行する手順

ドコモデータコピー

ここからは「ドコモデータコピー」アプリで写真・動画データをコピーする手順を説明します。新旧端末で分けて説明していない手順は、いずれの端末でも同じ操作をおこなってください。

1. 「ドコモデータコピー」アプリを起動する

まず、新旧2台のiPhoneを手元に置き、両端末で「ドコモデータコピー」アプリを起動します。

ドコモデータコピー:データ移行

【旧・新】

アプリの初回起動時はプライバシーポリシーへの同意を求められます。[同意する]をチェックして、[利用開始]をタップします。次の画面で[データ移行]をタップします。

また、初回は「アクセス許可」画面が表示されるので、[スタート]をタップし、「"データコピー"が連絡先へのアクセスを求めています」などのメッセージに対し[OK]を選択していきます。

2. iPhoneのWi-Fiをオン、Bluetoothをオフにする

ドコモデータコピー:コントロールセンターでWi-Fiオン、Bluetoothオフに設定するドコモデータコピー:コントロールセンターでWi-Fiオン、Bluetoothオフに設定する

【旧・新】

「Wi-Fi/Bluetoothの設定」画面が表示されたら、コントロールセンターを表示し、[(Wi-Fi)]をオン、[(Bluetooth)]をオフに切り替え、[次へ]をタップします。

Bluetoothは完全にオフにせず、接続を解除した状態(ボタンが白くなっている)でも問題ありません。

Wi-FiとBluetoothを接続解除/完全オフにする方法

3. データ移行をはじめる

ドコモデータコピー:はじめるドコモデータコピー:データ移行の開始時、連絡先とカレンダーのiCloud設定をオフにするように促される

【旧・新】

「データ移行の開始」画面で[はじめる]をタップします。

「連絡先」と「カレンダー」のiCloud設定がオンの場合、オフにするように促されますが、通常はオンのままで構いません。iCloudバックアップから新しいiPhoneに復元できているはずだからです。不安であれば、念のため新しいiPhoneで連絡先・カレンダーが正しく移行されているかを確認してください。

iCloudの同期設定の変更方法

iCloud設定:連絡先とカレンダーはオンのままでよい

「設定」アプリ→最上部の[(ユーザー名)]→[iCloud]で「連絡先」や「カレンダー」などのiCloud同期のオン/オフを切り替えられます。

4. 手元のiPhoneの状況を選択する

ドコモデータコピー:今までのスマートフォン(コピー元)ドコモデータコピー:新しいスマートフォン(コピー先)

左:【旧】右:【新】

  • 旧端末:[今までのスマートフォン(コピー元)]を選択します
  • 新端末:[新しいスマートフォン(コピー先)]を選択します

ドコモデータコピー:新しいスマートフォンはiPhone/iPadドコモデータコピー:今までのスマートフォンはiPhone/iPad

左:【旧】右:【新】

  • 旧端末:[A. iPhone/iPad]を選択します
  • 新端末:[A. iPhone/iPad]を選択します

5. QRコードを読み取る

ドコモデータコピー:QRコードの読み取りドコモデータコピー:QRコードの読み取り

左:【旧】右:【新】

  • 旧端末:[読み取り]をタップし、読み取り画面を表示します
  • 新端末:QRコードが表示されています

ドコモデータコピー:QRコードの読み取り

旧端末のメインカメラを新端末側のQRコードにかざし、緑の枠内にQRコードが映るようにします。

6. データ移行を開始する

ドコモデータコピー:移行データの選択ドコモデータコピー:移行データの選択ドコモデータコピー:新しいiPhone側は準備完了

左:【旧】中:【旧】右:【新】

  • 旧端末:「移行データの選択」画面で「画像」と「動画」にチェックが入っていることを確認し、[次へ]をタップ。「データ移行前の確認」画面では、「追加」に「画像」と「動画」が含まれている状態で[移行開始]をタップします
  • 新端末:準備は完了しています。何もすることはありません

ドコモデータコピーは、あくまでもデータを”コピー”するアプリです。データは旧端末側にも残るので安心してください。

「電話帳」と「カレンダー」が移行データに含まれている場合の注意点

ここまでの説明どおりに操作を進めていれば、「電話帳」と「カレンダー」は移行データに含まれていないはずです。

もしも、これらのデータが移行データに含まれている場合、「データ移行前の確認」画面で「上書き」によって移行するようになっていることを確かめてください。「追加」になっていると、電話帳とカレンダーのデータが重複してしまうおそれがあります。

ドコモデータコピー:データ移行中

旧端末側で[移行開始]をタップすると、移行作業がはじまります。両方の端末で移行完了までの目安時間が表示され、短ければ数分程度で完了しますが、データのサイズによっては数時間を要します。写真・動画が数十GB以上あって長時間かかりそうなときは、就寝前に移行作業を実行することをおすすめします。

「データ移行中」画面では右上の[中断]をタップすると、データ移行作業が中断されます。データ移行作業が中断されると、中断時点までにコピーできたデータがコピー先端末に保存された状態になります。コピー作業が最初からキャンセルされるわけではありません。

7. データ移行が完了する

ドコモデータコピー:データ移行完了ドコモデータコピー:データ移行完了

左:【旧】右:【新】

  • 旧端末:[トップに戻る]をタップします
  • 新端末:[トップに戻る]をタップします

ドコモデータコピー:データ移行完了

新しいiPhoneで「写真」アプリを起動し、写真・動画がコピーされたことを確認しましょう。

以上で、ドコモデータコピーを使った写真・動画データの移行作業は完了です。パソコンなしでも、iCloudを購入することなく5GB以上の写真・動画をすべて移行できました。

検証端末:iPhone X(iOS 11.4.1)/iPhone 8(iOS 11.4.1)

検証した「ドコモデータコピー」アプリのバージョン:24.0.1