北条司氏・原作の名作漫画『キャッツ♥アイ』が完全新作となって令和に蘇りました。1980年代の少年ジャンプは男くさい作品が大勢を占める中、華麗な美人3姉妹の活躍を描いたこの作品は一世を風靡し、アニメ化はもちろんのこと、日本やフランスで実写化されるなど今なお根強い人気を誇ります。
泥棒と刑事の許されざる恋を柱にした恋愛ストーリーも新鮮で、北条氏の描くセクシーでカッコいい女性キャラクターの魅力がふんだんに盛り込まれた作品として知られています。
果たして令和の『キャッツ♥アイ』はどんなテイストの作品に仕上がっているのか、検証してみたいと思います。
昼は喫茶店、夜は怪盗の美人3姉妹
喫茶店「キャッツアイ」を切り盛りする美人3姉妹、来生泪、来生瞳、来生愛。しかし、それは表の顔。その正体は、世間を騒がす美術品専門の怪盗「キャッツ・アイ」。盗みの予告状をわざわざ出してターゲットの美術品を盗んでいく神出鬼没の3人を、刑事の内海俊夫は執念で追いかけています。
そして、来生3姉妹の次女・瞳と内海は高校時代からの恋人関係。瞳の正体を内海は知らずに付き合っているのです。自分たちの目的のためには泥棒を今は辞めるわけにはいかない瞳ですが、内海に正体がばれるくらいなら死んでもいいという覚悟を決めています。
警備とセキュリティの網の目をかいくぐり、華麗に盗み出すそのスリルと、刑事と泥棒の許されざる恋を軸に、時にコミカルに、時に切なく、時にクールな物語が展開していきます。
今回のアニメ化は、キャラクターたちの関係性や設定は原作そのままに、時代を現代に移して物語が展開していきます。スマートフォンなど現代のデジタル機器も登場しますが、全体のテイストは原作を踏襲した作りとなっています。各話のエピソードが原作を参照しながらもオリジナルに近いアレンジも加えて展開していきます。
そんな本作の最大の魅力は、やはりクールな魅力を放つ来生3姉妹です。知的で冷静な長女・泪は、そのセクシーな魅力を振りまいています。運動神経抜群で主人公の次女・瞳は、恋人・内海との関係に悩みながらも強い意志で自らの任務に当たります。その運動神経の良さから実行役となり、華麗なアクションもふんだんに描かれます。末妹の三女・愛はまだ高校生で幼い印象を与えますが、天才エンジニアであり、盗みの実行のために数々の機械を発明、ハッキングも得意とするなど、「キャッツ・アイ」のチームには欠かせない存在です。
今回のアニメ化では、3姉妹の役割分担が明確化されています。作戦立案担当は長女の泪、実行役は次女の瞳、メカニックを含むバックアップを担う三女の愛と、3姉妹の個性を作業の上でも明確化し、個性を際立たせています。
刑事の内海もお人よしで少し間抜けな部分もありながら、熱血漢としてキャッツアイを追いかける執念、そして瞳への恋心の純真さなど、原作のキャラクターの魅力を引き出しています。
主題歌Adoのはまり具合
『キャッツ♥アイ』といえば、杏里の歌う主題歌が有名です。来生3姉妹のイメージにぴったりなセクシーかつアクティブな魅力の詰まった主題歌を今作ではAdoが歌っています。旧テレビアニメ版ではオープニング曲だった同曲を、今回はエンディングに起用。アクションカメラを意識したアニメーションとあいまって、怪盗のダイナミックさと3姉妹のセクシーさが同居した見事なエンディングとなっています。
オープニング主題歌もAdoが担当。こちらは新曲『MAGIC』が起用されており、新曲とカバー曲と歌い手Adoの魅力が堪能できる作品となっているのも、本作の大きな魅力となっています。
ティーンエイジャーが主人公となるアニメ作品が多い昨今ですが、『キャッツ♥アイ』はそんな中で大人の魅力を真正面から描く作品でもあります。カッコよくてセクシーな女性主人公の華麗な活躍が描かれた、貴重な一本と言えるでしょう。
『キャッツ♥アイ』を見る(ディズニープラスで配信中)
美術品を狙う謎の三人組の怪盗キャッツアイ。キャッツアイの捜査を担当する刑事・内海俊夫はキャッツアイを逮捕することに情熱を燃やす。
しかし、キャッツアイについて、彼には知らない事実がある。それは、キャッツアイの正体である三姉妹の次女 来生瞳が恋人であること。
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