最近徐々に注目を集めているネットワークカメラを紹介します。セキュリティカメラや監視カメラとも言える製品で、外出先から家の中の様子を見ることができます。防犯対策として利用できるのはもちろん、家族やペットが快適に過ごせているのか出先から確認可能です。
監視カメラというと、専用の部屋に大きなモニターを並べて警備の人が見る──そんな印象があるかもしれません。ところが、最近のモデルはどこからでもスマホを利用して確認できるので、とても便利です。しかも、価格も手ごろになってきました。
今回は、アイ・オー・データ機器の「Qwatch(TS-WRLC)」を例に、ネットワークカメラの使い方を紹介していきます。これから導入しようと考えている人向けに買い方のポイントも抑えていますので、熟読してください。
便利な製品だが接続に注意
ネットワークカメラはとても魅力的な製品です。しかも、今回取り上げる「Qwatch(TS-WRLC)」は、直販価格で1万800円と、とても手ごろな入門向けモデルです。
上位機との違いは、リモートでズームやカメラの角度を動かすことができない点です。また、単体での録画機能は持っていないので、動画を録画したい人は外付けのNAS(ネットワーク接続のハードディスク)が必要です。機能は限られますが、出先から家の中の様子を見るだけなら十分です。
ネットワークカメラを手に入れる際に、最も注意したのが出先から接続するための設定です。高機能なカメラほど、「グローバルIPアドレス」を求められます。マンションなどでは、現実的に難しいのです。また、知識のない人だと、自分の家が「グローバルIPアドレスかどうか」すらわからないでしょう。
そこでおすすめなのが、ツールによる確認です。アイ・オー・データ機器では、「Home Network Checker」という無料アプリを提供しています(Android版のみ)。このアプリをスマホにインストールしてネットワーク環境をチェックすると、利用できるかどうかが簡単にわかるわけです。
さらに、「ペイバック保証」も付いてきます。購入後2週間以内にサポートセンターへ連絡したにも関わらずネットワークに接続できない場合には、返金してもらえます。これなら、せっかく購入したのに「つながらない」というトラブルは起こりません。
初めての購入には、こんな製品がおすすめです。
「Home Network Checker」で接続確認
「Home Network Checker」をスマホにインストールすると接続できるかどうかがわかります。
しばらく待っているとチェックが完了。無事につながることがわかりました。
対応する機器のリストもアプリから見ることができます。
接続の際にはLANケーブルも用意したい
Qwatch(TS-WRLC)は、それ単体を自宅のWi-Fiに接続する必要があります。接続の操作は親機の近くで行います。本来設置したい場所の電波状況が不明なので、確実にWi-Fiの電波が届く場所での設定を済ませるわけです。
接続方法は、大きく2つに分かれます。WPS/AOSSなど親機に搭載されている「簡単に接続する機能」を使う方法は、うまくいけば簡単につながりますが、相性などでつながらないこともあります。その際には、有線LANケーブルを親機とカメラに接続して設定していきます。
筆者のテストでは簡単接続がうまくいかずに、LANケーブルを利用しました。念のためにケーブルを準備しておいたほうがよいでしょう。
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簡単接続がうまくいかない場合には、LANケーブルでWi-Fi親機と接続します。
どちらも作業は簡単で、マニュアルの指示に従って進めればOKです。接続や利用には、専用のアプリ「Qwatch View」を利用します。iPhone、Androidに対応しており、無料でインストールできます。
Qwatch Viewをインストールして利用します。
アプリに登録する
ネットワークにつながったら、製品に付属のQRコードを読み込んでスマホのアプリに登録します。この作業によって、不正にアクセスされることを防止できます。
QRコードは1度しか使えないので、誰かにコードを盗まれても心配ありません。複数のスマホを使いたいときには、最初のスマホでQRコードを発行してそれを読み込ませます。
製品に付属のQRコードを読み込んでカメラをアプリに登録します。
パスワードも設定すれば万全です。
接続が完了して、カメラの画像がスマホに表示されました。
有線LANを使用した場合
有線LANで接続した場合には、手動で無線接続の設定が必要になります。こちらも、マニュアルの指示通りに作業すればよいので簡単です。
続いて、LANケーブルでつないでいる場合には、Wi-Fiの接続を行います。
Wi-Fiのパスワードをセットするだけなので簡単です。
設置は簡単
セットアップを終えたら、カメラから見た映像がスマホで確認できるようになります。この状態で、設置したい場所で見え方のテストをしてみましょう。
Wi-Fiの電波は少々シビアなようです。スマホならギリギリ使えるようなエリアでは、うまくつながりませんでした。また、つながったとしても動画には厳しいでしょう。なるべくルーターから近い場所での利用をお勧めします。
「Qwatch(TS-WRLC)」には、専用の支柱と台座などのキットが付いていて、置き場所を問わずに固定できるように考えられています。テーブルや棚の上なら置くだけでも大丈夫です。支柱は2本をつなげるタイプなので、長さは2種類で利用可能です。また、台座を固定する木ネジが付いているので、壁や天井にも固定可能。ただし、必ず電源を接続する必要があるので、コンセントから離れた位置はちょっと厳しいでしょう。
どちらにしろ、固定する前にカメラが映せる範囲を確実に把握してから設置してください。
台座や支柱などがセットになっています。
組み立てるとこのようになります。また、冒頭の写真は支柱を1本だけ使っています。
角度もある程度自由に動かせます。
撮影と自動通知が便利
設定をすべて終えると、スマホがインターネットにさえつながっていれば、いつでもどこでも家の様子を確認できるようになります。
設定を終えました。部屋の様子が動画でチェックできます。
動画の撮影は前記のようにNASが必要なので、ちょっとハードルが高いでしょう。しかし、静止画ならスマホから簡単に撮影できます。
アプリから、[録画]メニューを選んで、[静止画]をチェックしてシャッターボタンを押せばOK。ファイルはスマホに保存されます。
画面をタップすると大きく表示します。
おすすめなのが、動作の検知機能です。カメラが撮影範囲の中で動きを検知すると、様子を撮影したメールが送られてきます。子供や家族の帰宅を確認したり、旅行中には、万一泥棒が侵入してきたときに連絡が来るのです。
この機能は「動作検知」と呼ばれます。自動的に動作があった際に写真を撮影し、ファイルとして保存することが可能で、設置を変更するとメールに添付して送ってくれます。あらかじめメールアドレスを登録しておきます。
ただし、検知感覚を短くすると連続してメールが届くので、30秒から1分程度にセットするとよいでしょう。メールが届いて内容を確認し、問題がなければ出先でスマホを使って検知機能をオフにもできます。また、スケジュールを設置して決めた時間だけ検知することもできます。
動体検知の設定をしておくと、人などが動いた場合にお知らせのメールが来ます。メールにはその時点の写真が添付されます。
まとめ
一昔前まで、家に監視カメラをセットしようと思うと、専門の業者に依頼するしかなく、大変なコストが掛かりました。今回取り上げたような手ごろな価格のネットワークカメラを手に入れれば、さほど予算を掛けずに防犯対策ができます。また、ペットの様子を見たり、観葉植物をチェックするなど色々な用途に使えます。単身赴任している方は、家の様子を見られるだけでも、少しほっとするでしょう。
大変だった接続もずいぶん簡単になったので、おすすめです。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部