2019年夏モデルのスマホが大挙登場している中で、最も目立ってる機種がソニーモバイルの「Xperia 1」でしょう。魅力は性能の高さだけでなく、従来のスマホには見られなかった細長いディスプレイです。ひと目見て、これまでの機種とは違うと感じられます。
はたして、この変わり種モデルはどんな使い勝手なのでしょうか。ファンも多いXperiaシリーズのフラグシップモデルの魅力や気になる点を詳しくレビューしていきます。
質感の高い本体はXperiaらしいデザイン
背面はガラスで、側面の金属のフレームが素晴らしい質感です。他のXperiaシリーズとも共通するイメージのデザインで、正面から見ると角(カド)を強調した四角いスタイル。側面は中心部分がやや出っ張ったかまぼこ形をしています。
本体カラーはキャリアによって異なります。黒が3キャリア共通で、加えてドコモはパープル、auはホワイト、グレー、パープルの3色、ソフトバンクはホワイトパープルをラインアップします。auが全色揃えていることになります。
フラグシップモデルらしく高級感がありますが、ライバルと比べると造りの目新しさはありません。狭額縁ながら、上下の縁(フチ)はある程度残っています。ディスプレイの縁がアールを描いていたり、ノッチをなくすといった新しいデザインは採用されていないのです。
狭額縁モデルだが、上下はかなり縁が残っている
背面はガラスパネル。つややかで美しい仕上げだ
ブラックとパープルの背面
本体側面はかまぼこ形になっている
長くて細いサイズは好みが分かれそう
本体は167×72×8.2ミリです。7インチクラスの超大画面スマホを除けば、最も長さがあります。
試しに大画面のiPhone 7 Plusと比べてみましたが、Xperia 1のほうが若干長いのです。ただ、単体で見た印象ほど長いわけではありません。長さだけでなく、幅が細いために余計に長く感じます。つまり従来のスマホと比較すると、縦横比が大きく異なるわけです。
逆に、細長いからこそ大画面モデルとしては握りやすいのが特徴です。Galaxy S10の幅は70ミリ、iPhone XSは70.9ミリ、iPhone XS Maxは77.4ミリです。これらと比べると、72ミリのXperia 1は十分にスリムで持ちやすいと言えるでしょう。ただ個人的には、もう少し薄く作ってほしいと感じました。
スマホは下のほうを持って使うケースが多くなります。文字入力をする際には、キーボードパネルが画面の下に表示されるので、当然下を持ちます。すると、本体が細長くてガラスと金属のボディの重量があるために、上部が持ち重りする感が否めません。上下の額縁をGalaxy S10並に極限まで削れば、もう少し持ちやすくなったはずです。
iPhone 7 Plusと比較するとそんなに長くないことがわかる。また、額縁も細くなっている
iPhone XS Maxと比べると幅は狭い
Galaxy S10と並べると、ほぼ同じ横幅で縦に長くした印象を受ける
ディスプレイの使い勝手はアプリによる
気になるのが、この細長いディスプレイの使い勝手です。カタログ値のサイズは6.5インチで、縦横比は21:9です。最新の細長いスマホでも18:9のモデルが多いので、さらに長いわけです。
まず、ブラウザを見るときには非常に便利だと感じるはずです。多くのウェブページで情報はタテに伸びているので、スクロールの回数が減ります。メール、LINEなどもたくさんの情報が一覧できるのが嬉しいところです。
2画面表示の際にもそれぞれの画面の高さが確保できるので、情報が見やすくなります。動画配信サービスなどの映画を観るときには、このシネマワイドサイズのディスプレイはムダがありません。黒縁が少なく表示されるので映画に没頭できます。
ところが、使いづらいと感じる場面もあります。その筆頭が写真です。4:3で撮影した写真は、画面の真ん中にぽつんと表示されます。スマホでも4:3で撮影するケースは多いので、これはかなり残念です。
動画もYouTubeに多いフルHDの画角では、左右に黒帯がかなり表示されます。またゲームでも、21:8に対応したタイトルは楽しくプレイできますが、対応しない多くのゲームは残念な黒縁が表示されます。
最も困ったのがメモアプリを横表示したときです。キーボードが画面いっぱいの長さで表示されるのですが、メモ自体の表示は1〜2行になってしまうのです。タテ表示なら、逆にキーボードが小さくメモのエリアが大きいので横表示でジレンマを感じます。メモやブラウザを横表示で使いたい人には向きません。
左からiPhone XS Max、Galaxy S10、Xperia 1で4:3の写真を表示。Xperia 1は一番サイズが小さく残念
普通のゲームは上下に黒帯が出てしまい、ワイド画面が生かせない
対応するゲームなら画面にムダな部分はない
ところが、YouTubeだと左右に大きな黒帯ができる
2画面表示には向いている
メモアプリをタテに使うと、編集エリアが大きくてちょうどいい
横表示ではキーボードが場所を取りすぎて、作業性が悪い
4Kディスプレイは明るくキレのある表示
ディスプレイは4Kで、解像度は1644×3840となります。iPhone XS Maxの1242×2688、Galaxy S10の1440×3040にも負けていません。画質も文句なしで、とても明るく美しいキレのある映像が表示できます。
明るさを比較しても、iPhone XS Maxにこそ若干負けているものの、実用上は文句なしです。気になるスペックも、CPUには今シーズン最速のSnapdragon 855を採用しているので十分。ヘビーなゲームも快適にプレイできるでしょう。RAMは6GBでこちらも十分なのですが、Galaxy S10の8GBには及びません。
とても残念なのが、ストレージが64GBにとどまることです。ライバルのハイエンドモデルは128GB搭載するのが当然になっているので、明確な弱点となっています。ただし、ストレージの増設にはmicroSDカードで対応します。
また、電池容量が3200mAhというのもやや物足りません。本体が大きいので、もう少し増やして欲しいところです。
左からiPhone XS Max、Galaxy S10、Xperia 1。iPhoneが一段明るい
斜めから見てもどのモデルもくっきりしているのは有機ELだから
SIMは1枚でmicroSDカードも装着できる
ベンチマークのスコアは上々
テレビに対応するがイヤホン端子はない
充電端子は、今となっては一般的なUSB-Cです。テレビ視聴にも対応しますが、アンテナは内蔵していないので、USB-C端子に付属のアンテナ(専用のUSB-C変換ケーブル)を差し込む必要があります。充電しながらテレビを見られないのがちょっと残念です。
おサイフケータイや防水、防塵には対応しているので、基本的に全部入りのモデルだと考えていいでしょう。
使ってみて気になったのが指紋センサーの位置で、右側面の電源と並んでいます。側面にあるのでデザインを邪魔しませんが、持ち方によっては指を当てづらくなります。左手で持つ人は、右手の指を当てることになりそうです。
充電はUSB-C端子
指紋センサーは本体の向かって左側面に位置している
標準・望遠・超広角のトリプルカメラは大満足
カメラはトリプルで、縦に3つ並ぶスタイルです。本体が細長いため、縦長のデザインはよく似合っています。
カメラは3つとも1222万画素で、26ミリ相当の標準レンズ、52ミリ相当の望遠レンズ、16ミリ相当の超広角を採用しています。標準レンズはF1.6、他の2つはF2.4です。今シーズンは超広角を採用するのがトレンドになっているので、ライバルと比べても構成は遜色ありません。
カメラはトリプルで縦に並んでいる
いつものようにiPhone XS Maxと撮影比較してみましたが、どちらも非常に美しく撮れました。
通常撮影

公園の遊具を撮影しました。どちらも美しく、ほぼ同じような写真が撮れています。
ズーム撮影


Xperia 1の超広角カメラで撮影
iPhoneは光学2倍ズームを採用。Xperia 1は望遠とワイドレンズを採用しているので、3種類の写真を撮りました。どれも非常に美しくクリアに撮れています。
近接撮影

最も差が付いた写真がこちらです。葉の色はiPhoneのほうが美しいのですが、実物に近いのはXperia 1です。どちらが良いかは好みが分かれるところでしょう。
逆光で撮影

逆光で撮影しました。iPhoneは白飛びが抑えられていますが、Xperia 1は雲が白飛びしています。肉眼では直視できないほど輝いていたので、実物に近いのはXperia 1ですが、こちらも好みが分かれそうです。
暗所撮影

夜景を撮影。どちらも明るくクリアに撮影できている。拡大してチェックすると、Xperia 1のほうがくっきりしています。
まとめ
超ワイドのディスプレイがXperia 1の個性であり、選択を決めるポイントになります。動画を目いっぱい楽しみたい人、2画面でアプリを使いたい人にはおすすめです。
普通にウェブページを見ているだけでも、一覧できる情報量が多くて便利です。逆に写真撮影、閲覧の機会が多いユーザーには表示のムダがしばしば感じられるでしょう。価格も安くはないので、ライバルモデルとじっくり比較して選んでください。なお、今回のレビューについて動画でもまとめています。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部