お薬手帳アプリおすすめ3選、選び方・使い方を日本薬剤師会に訊いた

処方箋の送り方や薬の登録など使い方も解説

日本薬剤師会にきいた、お薬手帳アプリの選び方とおすすめ3選

病院にかかると処方箋を受け取って、薬局へ薬をもらいに行くこともありますが、たいてい待たされます。体調が悪いときは座って待っているだけでもつらいので、できるだけ早く薬をもらって帰りたいもの。そんなときは、スマホから処方箋を薬局に送れる「お薬手帳アプリ」を使えば、待ち時間を短縮できます。

今回は、お薬手帳アプリのメリットや利用の流れ、正しい選び方などについて紹介します。

お薬手帳アプリとは? その利用メリット

お薬手帳アプリは、スマホ上で薬の情報や服用履歴を管理できるもので、多くの企業がリリースしています。また、処方箋を薬局に送信できる機能など、紙のお薬手帳にはない便利な機能もあります。

今回は、後述のお薬手帳アプリ「日薬eお薬手帳」を提供している、日本薬剤師会常務理事の渡邊大記さんにお話を伺いました。

薬のデータをスマホで管理できて消える心配がない

eお薬手帳の開発が加速したきっかけは、2011年に発生した東日本大震災に遡ります。当時、多くの被災者は紙のお薬手帳や飲んでいる薬を自宅から持ち出す余裕がなく、避難所で以前から服用していた薬の情報を正確に提示することができませんでした。

そこで、スマホにお薬手帳のデータを保存できてオフラインでも閲覧できれば、携帯性が良く、正しい薬の情報を把握できると考え、eお薬手帳の開発が進みました。サーバーにバックアップも取れるので、スマホを破損したり交換した場合でもデータがなくなることはなく、薬局等でサーバーから直接情報を見ることもできます。

処方箋をアプリから送って薬局での待ち時間を短縮

お薬手帳アプリ おすすめ 使い方

薬局では処方箋を受け取ってから、その処方内容に基づいて薬を用意するため、受付で渡してから待ち時間が生じます。しかしお薬手帳アプリがあれば、病院でもらった紙の処方箋を撮影して、先に薬局に送れるため、待ち時間を短縮できます。

また、受け取る日時を指定して予約することも可能です。まだ前にもらった薬が残っているなどの理由ですぐに必要がなければ、一度自宅に帰って都合のつく時間に行けばよいので、待つことなく受け取れます。

飲み忘れの予防になる

処方された薬は服用回数や食前食後といった飲むタイミングなどを守ることが大切ですが、忙しいとつい忘れがちになるもの。また、薬を飲んだかどうかさえあやふやになることもあります。

日薬eお薬手帳をはじめとした多くのお薬手帳アプリには、アラート機能がついています。あらかじめ設定した服用時間になると通知してくれるので、飲み忘れを予防できます。お薬手帳アプリは薬の服用管理にも最適です。

長期にわたる服用履歴をすべてアプリに保存できる

長年、薬を服用している人は、お薬手帳を2冊、3冊と更新している場合もあると思いますが、アプリなら一つにまとめて保存できます。

また、紙のお薬手帳と違い、万が一スマホをなくしても新しい機種からログインすればデータを参照できます。病院が変わったときや、病院などで過去の服用履歴を聞かれた際もスムーズに確認できるでしょう。

家族全員の服薬記録を管理できる

子どもや祖父母など、お薬手帳を使っている同居人が何人かいる場合でも、一つのアプリにまとめて登録可能。管理の手間が省けるだけでなく、病院へ付き添うときもスマホに入っていればお薬手帳を忘れてしまうリスクを軽減できます。

お薬情報の登録がスムーズに

持病の治療や健康管理のために定期的に薬をもらっている人は、紙のお薬手帳に記録をして服用履歴を管理している人もいると思います。お薬手帳アプリを使えば、薬局などでもらえるQRコードを読み込むだけで、スムーズに登録できます。

お薬手帳アプリ 選び方のポイント

Google PlayやApp Storeでお薬手帳アプリを検索すると、日薬eお薬手帳をはじめとした多くのアプリが表示され、どれを選べばよいか迷ってしまいます。そこで、お薬手帳アプリを選ぶ際のポイントも伺いました。

e薬Linkに対応しているアプリ

お薬手帳アプリ おすすめ 使い方

Image:e薬Link

「e薬Link(イークスリンク)」とは、電子お薬手帳相互閲覧サービスと呼ばれ、さまざまなお薬手帳アプリの内容を相互に閲覧できる仕組みです。通常、お薬管理アプリに登録した情報はそれぞれのアプリが管理するサーバーに保存されますが、e薬Linkに対応しているアプリ同士であれば、お互いの情報を閲覧できるのです。

これにより、たとえば旅行先などで急病になって、普段利用しているアプリが対応していない薬局に行く場合でも、薬局の端末からお薬手帳のデータをスムーズに閲覧できます。

e薬Link対応のお薬手帳アプリ
お薬手帳アプリ名称 提供会社
大阪e-お薬手帳 (一社)大阪府薬剤師会
日薬eお薬手帳 (公社)日本薬剤師会
お薬手帳プラス 日本調剤(株)
ファルモお薬手帳 (株)ファルモ
神奈川マイカルテ (株)ファルモ
サンキリチェッタ (株)ファルモ
サンキューお薬手帳 (株)ファルモ
アカカべお薬手帳 (株)ファルモ
キョーワお薬手帳 (株)ファルモ
マルエ薬局お薬手帳 (株)ファルモ
大賀薬局お薬手帳 (株)ファルモ
hoppe(ホッペ) ホッペ(株)
おくすり手帳Link (株)NTTドコモ
アインお薬手帳2 (株)アインホールディングス
クオールおくすり手帳2.0 クオール(株)
あんしん おくすり手帳 クラフト(株)
V·drugお薬手帳 中部薬品(株)
クリエイト薬局 処方せん送信·お薬手帳 (株)クリエイトエス·ディー
ココカラファイン電子お薬手帳 (株)ココカラファイン
あけぼの薬局グループおくすり手帳 (株)アイリスファーマ
サンドラッググループおくすり手帳 (株)サンドラッグ PHC(株)
アイランド薬局グループ アポロメディカルホールディングス(株)
スギ薬局おくすり手帳 (株)スギ薬局
なの花 お薬手帳 (株)メディカルシステムネットワーク
ヘルスケア手帳 PHC(株)
ルナルナお薬手帳 (株)エムティーアイ
CARADAお薬手帳 (株)エムティーアイ
CARADA (株)エムティーアイ
class A 電子おくすり手帳 (株)クラスAネットワーク
ポケットファーマシー ポケットファーマシー販売(株)
アイ·ノート 岩渕薬品(株)
ヘルシーパスポート 富田薬品(株)
お薬情報玉手箱 ニッセイ情報テクノロジー(株)
EPARKお薬手帳 (株)フリービットEPARKヘルスケア
harmo(ハルモ) ソニー(株)
健康管理システム「もりもり」 (株)ファインメディカル
電子お薬手帳システム For Fine Medical (株)ファインメディカル
歯科向け電子お薬手帳システム For optech (株)ファインメディカル
マツモトキヨシお薬手帳 (株)マツモトキヨシホールディングス
マイアピス (株)アピスファーマシー
おくすりPASS (株)アイセイ薬局
HeaLis+(ひーりすぷらす) インフォテクノ(株)

現在は「日薬eお薬手帳」や日本調剤の「お薬手帳プラス」など42のアプリが対応しています。詳細なリストなどは下記公式ページを参照してください。

e薬Linkに対応している電子お薬手帳

普段利用しやすい薬局が対応しているアプリ

お薬手帳アプリを利用する一番の理由が「もらった処方箋を先にスマホで送信したい」ということであれば、普段使っている薬局か自分が行きやすい薬局が対応しているアプリを選ぶとよいでしょう。アプリをインストールすると、住所や現在地の周辺で対応している薬局を検索できます。

お薬手帳アプリは、日本薬剤師協会の「日薬eお薬手帳」や日本調剤の「お薬手帳プラス」以外にも、薬局やドラッグストアがリリースしている「スギ薬局おくすり手帳」や「マツモトキヨシ公式」、さらに薬とは一見関係なさそうなNTTドコモが提供する「おくすり手帳Link」やソニーの「harmo」など、たくさんのアプリがリリースされています。

お薬手帳アプリは基本的に無料で、日本薬剤師協会や日本調剤が出しているアプリは提携先も多いので、気軽にインストールしてみてください。普段行く場所(薬局)が決まっている人は、そのアプリを利用するのもおすすめです。

複数人のお薬情報を登録できるアプリ

一般に、子どもや家族のお薬手帳を管理している親御さんは、1つのアプリにまとめて情報を登録できるほうが便利です。中にはユーザー登録をした1人分しか利用できないアプリもあり、複数人のお薬情報を追加できるアプリを選ぶとよいでしょう。

お薬手帳アプリおすすめ3選

e薬Linkに対応しているアプリから、おすすめのお薬手帳アプリを紹介します。

日薬eお薬手帳

「日薬eお薬手帳」は、日本薬剤師会が提供しているアプリです。従来の紙ベースのお薬手帳に近いスタイルで利用でき、服薬情報の管理や処方箋送信などの機能を備えます。

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アレルギー情報や既往歴、副作用歴なども細かく登録できます。薬の飲み合わせを注意する必要がある人や、先生に必要情報をもれなく伝える必要がある人は登録してみてください。

お薬手帳プラス

「お薬手帳プラス」は日本調剤が開発したアプリで、服薬情報の管理や処方箋送信はもちろん、健康管理に役立つ機能も豊富な点が特徴です。

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体重やBMI、歩数・中強度、血圧・脈拍、血糖値などを記録して日々の体調変化を数値やグラフで確認できる機能や、健康管理に役立つコンテンツ、全国で流行している感染症情報などもチェックできます。

おくすり手帳Link

おくすり手帳Linkは、NTTドコモが開発したお薬手帳アプリです。処方箋送信や服薬情報の登録機能を搭載し、シンプルなUIで使いやすくなっています。

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基本的な処方箋送信機能や薬を飲む時間を通知してくれる機能以外にも、日々の服用情報をカレンダーに記録して管理できるので、飲み忘れだけでなく、過去の服用履歴まで一目でわかります。

ドコモと日本薬剤師会の電子お薬手帳サービス統合へ、「日薬eお薬手帳」が国内最大級の標準アプリに

【使い方1】お薬手帳アプリで処方箋を送信する方法

お薬手帳アプリを利用して、処方箋を薬局に送信する際の流れを紹介。ここでは「日薬eお薬手帳」を例に手順を説明します。

ユーザー登録を行う

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アプリをインストールしたら、名前や生年月日、メールアドレスなどを入力してユーザー登録を行います。

処方箋の送信先を指定する

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ユーザー登録後、トップページから[処方箋画像送信]を選択し、[送信先の施設を検索する]をタップします。

送信したことがある施設は、履歴に表示されるようになるので、次回以降は便利に使えます。

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施設検索の画面が表示されたら、「周辺検索」タブを選択。検索範囲を指定して[検索]をタップしてください。

「施設検索」タブでは、指定した市区町村を元に検索することができます。

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表示された候補の中から利用したい薬局を選択します。

施設詳細が表示されたら、[処方画像を送信する]をタップしましょう(2回目以降は送信履歴が残ります)。

連絡先を入力して処方箋画像を送る

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氏名や電話番号と、薬を受け取る日時などを指定して[次へ]をタップします。

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スマホのカメラが起動するので、処方箋を撮影してください。薬局のスタッフが見るので、文字がピンボケしないように注意しましょう。

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処方箋を撮影したら、[上記内容で処方箋画像を送信する]をタップして申し込みは完了です。

【使い方2】もらった薬をお薬手帳アプリに登録する方法

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薬局で薬をもらったら、お薬手帳アプリに登録しましょう。登録方法は薬局で薬と一緒にもらえる調剤明細書などに記載されたQRコードを読み取る方法と、手動で入力する方法があります。

QRコードから読み取る場合

最初にQRコードから読み取る方法を紹介します。

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QRコードが記載されている調剤明細書等を用意したら、アプリのトップページを表示して[QRコード]をタップしてください。

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スマホのカメラが起動するので、QRコードを読み取りましょう。

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処方されているお薬の量によっては、複数のQRコードがある場合もあるので、順番に読み取ってください。

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読み取りが完了すると、処方された薬の詳細が登録されます。

画面の下に表示されている[操作メニューを開く]をタップすると各種メニューが表示され、飲み忘れを防ぐアラームを設定することもできます。

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登録した薬はトップページの[一覧からお薬を探す]で確認できます。

また[カレンダーからお薬を探す]をタップすると、カレンダーが表示されて服用期間がチェックできます。

手動で入力する場合

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手動で登録する場合は、トップページの[手入力]から入力できます。

用法用量などを1つずつ入力する必要があるため、QRコードを読み取る場合に比べて手間はかかります。入力が完了したら[登録]をタップしましょう。

取材協力:日本薬剤師会

構成・文:藤原達矢

編集:アプリオ編集部