iPad miniの新モデル「iPad mini(第7世代)」が2024年10月23日に新登場しました。前モデルに当たるiPad mini(第6世代)が発売されたのは2021年の9月なので、およそ3年ぶりの新モデルとなります。
久々登場のiPad miniですが、実は外観が変わっていません。性能のみがアップしたマイナーチェンジといえる新製品なのです。これはガッカリだと思った人も多いかもしれませんが、実は素晴らしいアップデートもあるので詳しく紹介していきます。
8.3インチのiPad miniはiPadで最もコンパクトなモデル

iPad mini(第7世代)
iPad mini(第7世代)は、8.3インチディスプレイを搭載する最小のiPadです。Androidタブレットでも小型モデルは8.4インチが多く、タブレット全体を考えても小型といえるでしょう。
ひと昔前までは7インチタブレットもリリースされていましたが、スマホの大画面化に伴って数を減らしています。大画面のスマホが6インチ後半なので、7インチのタブレットは小さすぎるというわけです。
iPad mini(第7世代)の本体サイズなどは以下のとおりです。
本体サイズ |
195.4×134.8×6.3mm |
---|---|
ディスプレイサイズ | 8.3インチ |
本体重量 |
Wi-Fiモデル:293g Wi-Fi+Cellularモデル:297g |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB |

本体重量は300g以下ととても軽量だ

背面のデザインもiPad mini(第6世代)と変わらない
今回のレビューではブルーを使用しますが、ほかにもスペースグレイ、パープル、スターライトから本体カラーを選べます。
ディスプレイは明るくて美しいが、スペックは前モデルと変わらない

右のiPad mini(第6世代)と比べてもディスプレイはほぼ同じ
ディスプレイは8.3インチで2266×1488ピクセルと高解像度です。そもそもディスプレイのサイズが小さいため、この解像度ならドット感はまったく感じません。最大輝度が500ニトなのも十分でしょう。どちらもiPad mini(第6世代)と同様です。
しかし、リフレッシュレートが60Hzと最近ではやや残念なスペックです。リフレッシュレートが低いと、スクロール時や動きの激しいゲームでカクカクする印象を持つことがあります。昨今の上位タブレットやスマホでは90〜120Hzが一般的なので、ちょっと残念な部分です。

本体デザインも変わらない(右のiPad mini 第6世代はCellularモデル)
また、iPad mini(第6世代)と並べて比べてみると、色合いがやや違う印象を持ちました。ただしこれは、個体差の範囲内の違いの可能性もあります。
ディスプレイは非常に美しく見やすいのですが、次のモデルではOLEDの搭載を期待したいところです。ゲームを中心に楽しみたい人はリフレッシュレートに留意してください。
電源ボタンでTouch IDに対応、SIMトレーは廃止

引き続き電源ボタンでTouch IDが利用可能
iPad mini(第7世代)は、電源ボタン兼用の指紋センサー(Touch ID)を搭載します。iPad mini(第6世代)と同じ場所に配置されており、とても使い勝手がよく快適です。iPad Airにも指紋センサーは搭載されていますが、iPad Proシリーズは顔認証(Face ID)のみ。できれば、Touch IDとFace IDの両方に対応してくれると完璧なのですが……。
CellularモデルのSIMトレーは廃止されており、eSIMのみが利用できます。これは、iPad Proの新モデルも同様です。格安SIMをいろいろと入れ替えたい人は注意してください。
インカメラは、タブレットを縦持ちした際の上側に位置しています。自撮りはしやすいのですが、本体を横にしてWeb会議をする際には位置がよくないので、工夫して使う必要があります。iPad mini以外のiPadは本体の横部分にカメラがあり、Web会議に使いやすくなっています。
またiPad mini(第7世代)は、他の多くのタブレット同様に防水・防塵にも対応していません。

スピーカーはこの位置に付く
A17 Proチップ搭載で高性能化、メモリやストレージも増量


iPad mini(第7世代)とiPad mini(第6世代)のベンチマーク(左:第7世代、右:第6世代)。性能は大幅に向上している
iPad mini(第7世代)のチップはA17 Proに進化しています。iPad mini(第6世代)がA15 Bionicだったので相当な違いです。なお、iPad mini(第7世代)に搭載されているA17 Proは6コアCPUと5コアGPUですが、iPhone 16 ProのA17 Proは、CPUとGPUともに6コアで少し違いがあります。
最大の進化点は、メモリが4GBから8GBへと進化したことでしょう。これは大きな性能アップです。さらに、Appleの生成AI「Apple Intelligence」にも対応しています。日本語ではまだ利用できませんが、2025年中には使えるようになる予定で非常に楽しみです。
ストレージも64GBの選択肢がなくなり、最低容量で128GBと大容量化しています。さすがに3年ぶりのアップデートなので、性能・容量が大幅に向上しているのです。
ただiPad mini(第6世代)と使い比べてみると、性能が向上していることはほとんどわからないかもしれません。どちらも高速で、レスポンスには満足できます。Apple Intelligenceが使えるようになった時点でその差を把握できそうです。
Apple Pencil Proが利用可能に

Apple Pencil Proに対応
iPad mini(第7世代)は、Apple Pencil Proに対応します。本体にくっつけるだけで充電ができ、新しいメニューが表示されるなど快適に利用できます。「探す」アプリにも対応しているので、失くしにくくなったのも嬉しいポイントです。逆に前モデルまで対応していたApple Pencil(第2世代)は使えなくなりました。
Apple Pencil Proは2万1800円とかなり高価です。予算が限られている人は、1万3800円のApple Pencil(USB-C)を選択できます。ただし、充電やペアリングのたびにUSB Type-Cケーブルが必要になるのでかなり面倒です。iPad mini(第7世代)で手書きをしたいなら、奮発してApple Pencil Proを手に入れることをおすすめします。

手書きはとても快適で、メモ感覚で使える
まとめ:値下がりしたのに機能面が大幅アップで間違いなくおすすめ
iPad mini(第7世代)は128GBで7万8800円〜と、前モデルの販売価格と比べると値下がりしています。性能が向上し、メモリが倍になり、ストレージも増加していることを考えると大幅に安くなったといえます。

ケースは前モデルと同じサイズがそのまま利用できる
外観が変わっていないのが残念ですが、これだけコスパが良くなったのなら納得できる人も多いでしょう。iPad mini(第6世代)で使っていたケースなどはそのまま利用できます。Apple Pencil(第2世代)だけは引き継げませんが、機能がアップしているので妥当だと言えます。
iPad mini(第7世代)は、これから小型タブレットを買う予定の人には間違いなくおすすめです。また、iPad mini(第6世代)を使っている人にも実はおすすめできます。3年ぶりのアップデートで性能の進み具合が大きいからです。きれいに使っていれば、iPad mini(第6世代)の下取りや買い取りもそれなりの金額になるので、買い換えても見合うはずです。