2025年9月、Apple Watchの新モデルが登場しました。上位モデルの「Apple Watch Ultra 3」を中心に、「Apple Watch Series 11」「Apple Watch SE 3」もあわせてレビューします。Apple Storeで販売されているのは、この3モデルのみとなっています。
製品自体のコンセプトは継承されています。サイズの大きいApple Watch Ultra 3は、冒険をテーマにした上位モデルで12万9800円から。Apple Watch Series 11はスタンダードなモデルで6万4800円から、低価格なApple Watch SE 3は3万7800円からとなっています。
Apple Watch Ultra 3 | Apple Watch Series 11 | Apple Watch SE 3 | |
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価格 | 12万9800円~(チタニウム/Cellular対応モデル) | 6万4800円~(アルミニウムGPSモデル) | 3万7800円~(GPSモデル) |
サイズ | 49mm × 44mm × 12mm | 46mm × 39mm × 9.7mm | 44mm × 38mm × 10.7mm |
ディスプレイサイズ | 422 × 514ピクセル | 416 × 496ピクセル | 368 × 448ピクセル |
チップ |
S10チップ |
S10チップ |
S10チップ |
バッテリー駆動時間 | 最大42時間 | 最大24時間 | 最大18時間 |
急速充電・充電性能 | 15分充電で最大12時間利用可能 | 15分充電で最大8時間利用可能 | 15分充電で最大8時間利用可能 |
モバイル通信 | 5G対応(Cellularモデル) | 5G対応(Cellularモデル) | 5G対応 |
額縁が狭く、駆動時間が長くなった

額縁が細く進化している
Apple Watch Ultra 3は、ぱっと見てほとんど変わっていないように思えますが、ディスプレイが進化しています。ディスプレイは表示領域が1245mm2で、422×514ピクセルです。
前モデルのApple Watch Ultra 2は、1185mm2で410×502ピクセルです。ケースサイズは49mmと変わらないのですが、画面が少し大きくなったわけです。

斜めから見てもくっきりと明るい
また、ディスプレイは広視野角のOLEDへと進化しており、斜めから見てもくっきりと美しく表示します。最大3000ニトと明るいのも素晴らしい点です。ちなみに、Apple Watch Series 11は2000ニトです。

Apple Watch Ultra 3は従来同様2色を展開
本体カラーはナチュラルチタニウムとブラックチタニウムで、色合いは変わっていません。

バンドの交換は従来どおり。市販品も多いので楽しめる

おサイフケータイに対応。手が塞がっているときの買い物の決済や電車に乗るときに便利だ
バッテリー駆動時間が向上

ワイヤレスの充電アダプタで充電する
実用上で最も便利になったのが、バッテリー駆動時間が長くなったことでしょう。カタログ値で最大36時間から42時間へと伸びています。そもそもApple Watchはライバルのスマートウォッチに比べると駆動時間が短めなので、とても嬉しい進化です。これだけ駆動すれば、2泊3日の旅行は充電なしで過ごせそうです。
体感上の性能の差はほとんどわかりませんが、チップはS9からS10へと進化しています。また、Apple Watch Ultra 3は全モデルCellularタイプとなり、5Gに対応しました。衛星経由での緊急SOS機能を搭載しており、携帯電話の電波がない山奥などでもSOSを発信したり位置情報を送ったりすることが可能です。
ボタンやセンサーは同様

デジタルクラウンの下がサイドボタンだ

逆側のオレンジのボタンがアクションボタン
Apple Watch Ultra 3には、デジタルクラウンに加え、その下のサイドボタン、デジタルクラウンと反対側のオレンジ色のアクションボタンが搭載されています。アクションボタンは機能をカスタマイズ可能です。

センサーは充実している
センサーも盛りだくさんで、心電図や心拍、血中酸素、睡眠記録、呼吸数、皮膚温度などの計測ができます。また、Apple Watch Ultraだけがサイレン機能を搭載しているので、万が一のときに助けを呼ぶことができます。

心電図を計測可能

血中酸素濃度も計測できる
バッテリー駆動時間が延びた「Apple Watch Series 11」は順当に進化

Apple Watch Series 11は、順当に進化したモデルです。チップはS10で変わっていませんが、バッテリー駆動時間が最大24時間へと延びています(Apple Watch Series 10は18時間)。この進化は大きなメリットです。
また、Cellularモデルは4Gのみから5Gにも対応するようになりました。本体はアルミニウムとチタニウムが選択でき、ボディカラーも合計7色から選べます。
価格はGPSモデルが6万4800円から、GPS+Cellularモデルが8万800円からとなります。Apple Watchのスタンダードモデルとして人気になるでしょう。
常時表示ディスプレイを初搭載した「Apple Watch SE 3」はコスパも抜群

最廉価モデルのApple Watch SE 3は、これまで非対応だった常時表示ディスプレイをついに搭載したので、SEシリーズの満足度が大きく向上しています。
チップは最新のS10でジェスチャー操作にも対応します。Apple Watch Series 10並の機能を持ったと言っても過言ではありません。バッテリー駆動時間は従来同様の最大18時間ですが、45分で80%充電可能な急速充電に対応します。
センサーも従来の心拍数や異常リズム検知に加え、皮膚温度センサー、睡眠スコア、無呼吸の通知に対応しています。また、Cellularタイプは5Gの通信ができるようになりました。
まとめ:進化度でみるとApple Watch Ultra 3は3モデルの中で「買い」

Apple Watch Ultra 3は価格はApple Watch Series 11の約2倍だが、パフォーマンスは抜き出て素晴らしい
今シーズンのApple Watchはどれも順当に進化しています。Apple Watch Ultra 3は画面表示エリアが大きく、駆動時間も長くなったのが素晴らしい点です。
特に、不満が多かった駆動時間が42時間へと延びたので、ほぼ2日間使えるのは大きなメリットでしょう。海外旅行など長時間の移動で充電しにくいときには強い味方になります。実際に使ってみても減りは相当少なく、長期間使ってバッテリーがへたってもある程度の駆動時間を確保できるはずです。
Apple Watch Series 11とApple Watch SE 3もアップデートされました。旧モデルが併売されるわけではないので、どれを選んでも満足できるでしょう。ただ、メインモデルのApple Watch Series 11は立ち位置がやや微妙になってきました。上位モデルにはApple Watch Ultra 3があり、駆動時間が一気に長くなります。また、下位モデルのApple Watch SE 3は安価ながら満足度が増しています。中間のApple Watch Series 11は、価格も安くはないので選びづらいかもしれません。
なお、新機能として睡眠スコアが計測できるようになりましたが、そもそもバッテリー駆動時間が長くないApple Watchシリーズでの計測は微妙なところかもしれません。Apple Watch Ultra 3を着けたまま寝ることに負担を感じる人もいるでしょう。高血圧通知機能も海外では対応していますが、日本では年内に使えるようになるようです。この機能はApple Watch Series 11とApple Watch Ultra 3で使える予定で、Apple Watch SE 3は非対応です。