スマホさえあれば、手元にあるアイテムをすぐ買い取ってもらい現金化できる「メルカリNOW(ナウ)」。時間もかからず面倒な手続きも要らないとあって、サービス開始直後から人気を集めています。
今回はそんなメルカリNOWを実際に利用。どれだけ便利なのか、どの程度の査定額なのか、いろいろ試してみました。
※メルカリNOWは2018年8月20日をもってサービス提供を終了します。
価格はすべて税込での表示です
メルカリNOW(ナウ)とは
メルカリNOWは、アイテムを査定して売却ボタンをタップするだけで、即お金に替えることができるサービスです。名前のとおり、フリマアプリの「メルカリ」内に追加されたもので、サービス開始直後から人気を集めています。
これまで要らないアイテムを売りたいという時には、フリマアプリやオークションサービスを利用するのが一般的でした。しかし、これでは出品してからアイテムが売れるまで時間も手間もかかります。さらに振り込みや発送、値下げ交渉や評価など、人同士のやりとりである以上、トラブルの可能性も避けられない一面がありました。
一方メルカリNOWでは、アイテムの買い取りをするのはメルカリグループですから、面倒なトラブルになる心配はありません。アイテムを売却したら現金が振り込まれるので、あとはアイテムを梱包し、発送依頼をして待つだけ。指定した日時に集荷が来てアイテムを渡せば完了と、手続きもとても簡単です。
現状、売れるのは特定のブランド品のアパレルアイテムのみですが、これからブランドの幅もアイテムのラインナップも増えていく見込みです。
以前は午前10時からの1部制で、1日の買取上限総額は1000万円でしたが、現在は10~14時、18時~22時の2部制となり、上限もそれぞれ500万円になりました。上限に達すると次の買取開始時刻までアイテムをお金に変えることができませんでしたが、リセットされる時間が2回になったことで、より多くの人が利用しやすくなっています。
注目されている背景
2017年6月、メルカリNOWに先駆けて即現金化サービスを開始したのが「CASH(キャッシュ)」。依頼が殺到し、サービス開始からわずか16時間でストップするという事態になりました。その後、8月24日にサービスは再開され、さらに11月21日にはDMM.comが買収を発表。知名度がますます上がりました。
そんな折、11月27日に登場したのがメルカリNOW。即現金化サービスが注目されていたタイミングだったこともあり、こちらも依頼が殺到。どちらも1日の買い取り上限総額は1000万円でしたが、連日、金額がリセットされる午前10時から数時間もすると上限に達するという状況が続きました。
メルカリ、不用品をすぐ現金化できる即時買取サービス「メルカリNOW」を公開
こうしたサービスの前には、メルカリでの現金の出品が問題になるといったこともありました。「少しでも早く現金がほしい」という利用者のニーズにうまくマッチし、これだけ注目されることになったのでしょう。
また、CASHは当初iOSアプリしかなかったのに対し、メルカリNOWはAndroidにも対応。こうしたことからも、メルカリNOWの利用者数が大きくなったのだと考えられます。
メルカリNOWを実際に使ってみた
1. メルカリに登録する
メルカリNOWは「メルカリ」のアプリ内で利用できます。
メルカリそのものを初めて使う場合、App StoreやGoogle Playから「メルカリ」アプリをインストールします。
アカウント作成はFacebookやGoogleのアカウントとの連携も可能ですが、ここではメールアドレスで登録してみます。
メールアドレスを入力し、パスワードとユーザー名を決めます。性別の選択は任意です。
誰かから招待コードを受け取っている場合、ここで入力します。[会員登録]をタップすると、次に進みます。
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続いて、電話番号の認証をおこないます。
SMSを受け取れる電話番号を入力すると、認証番号が届きます。それを入力して、[認証して完了]をタップすれば登録は完了です。
2. 査定と売却(初回登録含む)
いよいよアイテムを査定してみます。
メルカリNOWを使うには、メルカリアプリ内の「NOW」タブをタップ。[アイテムをお金に変える]を選択します。
初回は、ここで誕生日の登録が求められました。メルカリNOWは、そのサービスの仕様上、未成年の利用を禁じており、年齢確認は厳しくなされるようです。
次に、アイテムの詳細を入力していきます。
[ブランド]をタップすると、ブランド名がずらりと表示されます。ここから、アイテムのブランドを選択します。
メルカリで培われたデータを活用して一覧が作られているようで、かなりの数。ファッションからスポーツまで、多くのブランドが揃っています。ただ、すべてのブランドがそろっているわけではないようです。ユニクロやザラといったブランド、アクセサリー系のブランドもありません。価格帯や人気などの基準によって決められているのかもしれません。
現状メルカリNOWで現金化できるのは、ここに表示されているブランドの製品のみ。今後ブランドの幅は拡大予定ということです。
ブランドを選択したら、カテゴリーを選びます。
一覧から当てはまるものをタップすると、さらに詳細が表示されます。
たとえば、時計なら「アナログ」か「デジタル」かが選べました。物によってはアイテム名などまで細かく選択できるようで、細かな査定が期待できます。
ブランドに続いて今度は[状態]をタップして、アイテムの状態を三段階から選びます。それぞれの詳細は以下のとおりです。
- 新品・未使用:新品で購入時のタグや箱が揃ったアイテム。開封のみで一度も使用していないもの
- 美品:アイテムに汚れや傷がまったくないが、使用したアイテム。もしくは、新品だが箱やタグを処分してしまったアイテム
- 使用感あり:傷や汚れが少しあるアイテム
「使用感あり(目立つ汚れや傷なし)」とカッコ書きがあるように、ひどく汚れたり傷んだりしているアイテムは売却できないようです。
これで、すべての情報が登録できました。あとは写真を撮るだけです。
[アイテムを撮影する]をタップするとカメラが起動するので、全体が写るように撮影します。
査定金額が出ました。[お金に変える]をタップすれば売却完了です。
この時計は2万円程度で購入したものですが、結果は760円。金額の上限は2万円となっていますから、かなり安い査定のほうでしょう。あくまで要らないものを処分するということならいいのかもしれませんが、このアイテムに限って言えば、普通にメルカリで売ったほうが金額自体はずっと高いと思われます。ちなみに「美品」を選ぶと1480円、「新品」を選ぶと3280円という結果になりました。
メルカリNOWの査定は、ブランドとアイテムの状態によっておこなわれます。写真はあくまで確認用というわけです。もちろん、嘘の情報や写真を登録して査定を高くしても、実際のアイテムと異なれば利用規約違反になります。
初めての利用では、ここで口座の登録と本人確認をおこないます。すべての情報を正しく入力しましょう。
本人確認では、カメラアイコンをタップするとカメラが起動するので、指定された本人確認書類を撮影し、登録します。
これで、初めてのメルカリNOWでの売却が完了しました。本人確認など多少の登録は必要でしたが、それも初回のみ。次回からは商品のブランドと状態を選び、写真を撮るだけで現金化できるのです。
ただし、幅広いとはいえブランドが限られている、査定金額が結構シビアだということを考えると、使い道は限られそうな気がします。捨てるよりはおトクなので、本当に要らないものを手軽に処分したい時や、確実にアイテムを売りたいといった場合には便利なのかもしれません。
3. 売上金の口座振込
アイテムの売却が完了すると、右上のベルアイコンに通知が届きます。タップすると、詳細が見られます。
売上金は現金として口座に振り込むことはもちろん、メルカリ内で使えるポイントに換えて使うこともできます。今回は[振込申請して現金を受け取る]をタップして、口座振り込みをしてみます。
振込先口座を指定します。
本人確認時に登録した口座の情報が入っているので、変更したい場合は変更します。住所と生年月日を入力したら[次へ]をタップしましょう。
振込したい金額を入力します。
1万円未満の場合、210円の手数料がかかるので、振り込むなら1万円以上になってからのほうがいいかもしれません。
これで、760円の売上から手数料の210円を差し引いて、550円が口座に振り込まれることになります。
振込申請は毎週月曜日に締め切りとなり、その日から4営業日目の振込となります。ざっくり考えると、前週の火曜日からその週の月曜日までに申請した分が、その週の金曜日に振り込まれるということです。間に祝祭日を挟まなければ、最速で1週間もせず現金が受け取れると考えると、ものすごいスピードです。
さらにうれしいのが、アイテムの発送を待たずに現金受取が可能というところ。類似サービスのCASHは、集荷が完了してから入金になるようですが、メルカリNOWはその点、ユーザーのニーズによりマッチしているといえるかもしれません。
4. 荷物の発送
続いて、商品の発送をおこないます。
メルカリNOWのトップ画面で、集荷待ちのアイテムを確認します。複数のアイテムをお金に替えた場合、一覧で表示されます。
集荷期限は、「最初の」アイテムをお金に変えてから2週間。最後のアイテムではないので注意が必要です。
[集荷を依頼する]をタップすると、発送方法の説明画面に移ります。[集荷依頼へ]をタップして次に進みます。
集荷の希望日時を指定して、[集荷依頼する]をタップすれば完了です。希望日は、依頼の翌々日以降から選択になります。
送料はメルカリ負担なので、あとは商品を梱包して当日を待つだけ。指定した日時に、ヤマト運輸のドライバーが集荷に来て、商品を受け取ってくれます。ちなみに、集荷先の住所は本人確認書類にのっている住所から変更はできません。
集荷依頼中は新たなアイテムをお金に変えることはできませんが、集荷が完了した次のタームからまた利用できるようになります。
アイテムの査定金額感について
ということで、今回はしぶしぶ時計を現金に変えたわけですが、他のアイテムではどのくらいの金額になるのか試してみました。
まずはこちら。COACHのレザーバッグです。かなりの大きさがあり、ちょっとした旅行にも持っていけるもの。目立った傷や汚れはありませんが、結構使ったので「使用感あり」で査定してみます。
なんと、1000円でお釣りがきてしまいました。コーチのバッグがこの値段だったら、買う前に本物かどうか疑うレベルです。メルカリ本体では3〜4万円ほどが相場のようでしたから、かなりの破格です。
気を取り直して、今度はコンバースのオールスター。タグは切ってしまいましたが残っているので、「美品」で査定してみます。
先日6000円ほど出して買ったばかりの品が、試着のみでここまで下がってしまいました。何かの間違いでしょうか。
今度はジャケットで勝負です。G-STAR RAWで、この秋買ったばかりのこちら。何度か着たので「使用感あり」で査定します。
これまでの品が破格すぎたので取り戻したように感じますが、これで売ってほしいと言われたら躊躇します。
最後がこちら。プラダの長財布です。長年使っているものなので「使用感あり」で査定します。
本日の最高価格です! それでも納得いく価格かといわれると、首を傾げてしまいます。
ちなみに性別やブランド、使用感など条件を変えて何度か査定をしてみましたが、大きく影響するのはやはりブランドと使用感のよう。特に使用感は、新品かそれ以外かでまったく査定額が変わってきます。
なお、タイミングによっては査定できないアイテムもあるようです。
今回は、リーボックのダウンジャケットとロンハーマンの半袖Tシャツでこの表示が出ました。査定をしたのが冬だったのですが、もしかすると春物、もしくは季節を問わないアイテムの買取のタイミングだったのかもしれません。
まとめ
今回メルカリNOWを使ってみて驚いたのは、査定価格の安さ。全品が数百円から数千円という査定結果になり、特にブランド物を売るにはかなり勇気のいる価格だと感じました(ブランド品に特化したフリマアプリ「メルカリ メゾンズ」もありますが)。
ただ、面倒な手続きもなく、家にいながらすべてが済んでしまうのは非常に便利。本当に不要なものを処分するなら、手軽に現金化できるメルカリNOWは使えるかもしれません。