2017年10月6日、ついにGoogleのスマートスピーカー「Google Home」が日本で発売されました。コンパクト版の「Google Home Mini」も10月23日の発売が予定されています。
本記事では、「Google Homeでは何ができるのか?」を確認した上で、初期設定と基本的な使い方を徹底解説します。
Google Homeでできること
Google Homeとは、Google社が開発・販売している家庭向けスマートスピーカー(AIスピーカー)のこと。会話型AI「Googleアシスタント」を搭載し、音声によって操作するのが基本作法です(音の停止や音量変更、起動コマンドの代替などはタッチ操作で実行可能)。
たとえば、「OK Google 今日の天気を教えて」というように尋ねると、Google Homeは天気予報を話し出します。その他にもGoogle Playミュージック(キャンペーン期間は無料で試せる)やSpotify(基本無料)で音楽を聴いたり、Google検索で知りたいことを調べたり、アラームやタイマーを設定したり、スマートホーム家電(例:フィリップス Hue)を操作したり……と、さまざまな機能を自分の声だけで実行できます。
また、「来週の予定を教えて」と話すと、6人までの声を区別して認識するボイスマッチ機能により、話者のスケジュールを読み上げてくれます(自分以外の声だと読み上げない)。ユーザーが「おはよう」などと挨拶すると、きちんと挨拶を返してきた後で天気予報を教えてくれ、NHKラジオのニュースを流してくれたりもます。
話しかけるとランプが点滅する
Google HomeにはChromecastと同等の機能(Chromecast built-in機能)が組み込まれているので、対応する音楽アプリからGoogle Homeに音楽をキャストして楽しめます。マルチルーム再生機能によって、各部屋に置いてあるGoogle Homeを始めとするChromecast-build-in対応スピーカーで音楽を同期して再生することも可能。ただし、スピーカーとしての音質は値段なりの水準です。
テレビにChromecastを接続している家庭であれば、Google Homeに「YouTubeで◯◯の動画を見たい」という感じで頼んでみましょう。テレビが起動し、YouTubeの動画再生が始まります。発売時点で対応している動画配信サービスは、YouTubeとNetflixです。
どれがいい? 定額制の動画配信(見放題)サービスの比較と選び方
ちなみに筆者は、テレビに接続しているChromecastに「テレビ」という名前を付けています。そこで「OK Google、テレビで(息子の名前)の写真を見せて」とお願いすると、テレビが起動して、Googleフォトに保存されている息子の写真がテレビにスライド表示されました。ちょっと未来が近づいてきている感じがします。
「Googleフォト」がスマホユーザーにとって最強である4つの理由 ── 写真を容量無制限で保存できる無料クラウドサービス
Google Homeは片手で軽々持てるサイズ
もっとも、Google Homeに搭載されているGoogleアシスタントという"執事"は決して完璧とは言えません。適当に話した言葉を正確に認識し、発言の意図を汲んで望みどおりの機能を確実に実行する、というレベルには達していません。期待しすぎると失望することになるでしょう。米国では使える電話機能も日本では使えません。
むしろ現状では、ユーザー側に気配りが求められます。"執事"が理解できそうな言葉遣いで、"執事"が実行できそうなことを丁寧に伝える必要があるからです。また、あらかじめGoogle Homeのできることをユーザーが把握しておかないと、何を話しかければいいのか分からず、迷いを生みます。迷いが生まれると、それがストレスになります。さらに、こちらから話しかけることで機能が実行されるので、自分が話しかける内容は自分の脳内からひねり出す必要があります。一例を挙げると、西野カナの『トリセツ』を聴きたいと思った時に「西野カナのトリセツを流して」と伝えられればGoogle Homeは応えてくれますが、曲名をド忘れして「西野カナの曲で<永久保証の私だから>という歌詞のある曲を流して……」と頼んでも対応してくれません。
最後には、決まったフレーズで決まった機能しか利用しなくなるーー。今のところは、そんな状況に陥るユーザーが数多く出てきそうな気がします。ただ、Google Homeはユーザーの意図を学習し、進化していく予定。Amazon EchoやアップルのHomePodなどとともに、いずれスマートホームのハブになる可能性を秘めています。少しでも”ちょっと先を体験したい”と考えるのであれば、試してみる価値は大いにある、と筆者は考えます。
「Google Home」レビュー:便利で楽しい発展途上のスマートスピーカー
Google Homeアプリで紹介されている「アシスタントがGoogle Homeでできること」
- 調べ物をする
- 月までの距離は?
- 東京タワーの高さは?
- 北京は何時?
- イタリアの首都は?
- 森鴎外はいつ生まれた?
- リアーナの身長は?
- 夏目漱石って誰?
- 音楽をかける
- 何か音楽を再生して
- ジャズを再生する
- ダンスミュージックを再生する
- ワークアウト要の曲を再生して
- アラームをセット
- アラームは何時に設定されている?
- アラームを設定
- アラームを午前6時に設定
- 午後6時に起こして
- アラームを20分後に設定
- アラームを平日の午前7時にセット
- 20分後に起こして
- 天気予報
- 明日の天気は?
- 東京の天気は?
- 今日の気温は?
- 明日は雪降る?
- 今日は傘いる?
- 今日の最低気温は?
- 近くの場所を探す
- 一番近い薬局は?
- ハンバーガーショップを探して
- 近くの遊園地は?
- 翻訳
- 空港を英語で
- タイマーをセット
- タイマーあと何分?
- タイマーを一時停止
- タイマーを再開
- タイマーを10分に設定
- ピザのタイマー 13分を設定
- タイマーをすべてキャンセル
- タイマーをキャンセル
- 宿題のタイマーをキャンセル
- タイマーを5分に設定
- 個人の情報を探す
- 次のミーティングはいつ?
- フライトの出発時刻は?
- 今日はどんな日?
- 月曜日の予定は?
- 写真を見せて
- 今日の予定は?
- フライト状況教えて?
- 猫の写真を見せて
- 運動会の写真を見せて
- 楽しいこと
- イルカの鳴き声を教えて
- コインを投げて
- サイコロを投げて
- 1から10まで数えて
- 豆知識を教えて
- ゲームで遊ぶ
- 水晶玉占い
- アシスタントのことを知る
- 故郷はどこ?
- あなたの毎朝の習慣を教えて
- 金融情報
- 日経平均は?
- 換算する
- 1kgは何ポンド?
- 5kmは何マイル?
- 1ドルは何円?
- 計算
- 157の15%は?
- 58の平方根は?
- 単語を調べる
- ランデブーの意味は?
アプリで初期設定
まず、Google Home本体に電源ケーブルを接続し、電源アダプターをコンセントに差し込みます。
次に初期設定です。事前にスマートフォンかタブレットに「Google Home」アプリ(Android/iOS)をインストールしておいてください。
「Google Home」アプリを起動し、以下の手順でアプリからGoogle Homeを設定します(要Googleアカウントログイン)。
- デバイスが見つかったら[セットアップ]をタップする。
「Google Home」アプリの「探す」タブ
- Google Homeに接続できて電子音が鳴ったら[はい]をタップする。
- デバイスの場所を選択する。デバイスの管理に役立つとのこと。
オフィスやキッチン、リビング、ベッドルームから地下室、庭、納屋、浴室(!?)まで多岐にわたる場所を選択可能。そのほか任意の場所も追加できる
- Google Homeを接続するWi-Fiネットワークを選択して[次へ]。Wi-Fiパスワードを入力して[接続]をタップする。
Wi-Fi(無線LAN)が必須
- 「Googleアシスタントの設定」画面で[次へ]をタップする。
- 「アシスタントが声を認識できるようにする」で[使ってみる]をタップする。
- 指示に従って発声し、音声認識が完了したら[次へ]をタップする。
「OK Google」→「ねぇ Google」→「OK Google」→「ねぇ Google」
- 住所を検索・入力して[次へ]をタップする。
住所は自動入力されている。変更するには住所をタップして検索窓から検索する
- 音楽サービスを[+]のタップで追加し、[次へ]をタップする(画面の指示に従って各サービスにログインし、Google Homeと連携させる)。
Google PlayミュージックとSpotifyを追加できる
- キャストデバイスを追加し、[次へ]をタップする。
Chromecast製品を使っていれば表示される
- 動画サービスを[+]のタップで追加し、[次へ]をタップする(画面の指示に従って各サービスにログインし、Google Homeと連携させる)。
Netflixを追加できる
- セットアップ内容を確認し、[次へ]をタップする。
- 「Google Homeを使用できるようになりました」と表示されるので[続行]をタップする。
- 使い方を簡単に紹介されるので、確認したら[次へ]をタップする。
- 「最新情報をお届け」画面で[登録]をタップする。
登録したくなければ[後で]をタップ
- 「Google Home」アプリのトップ画面に移動し、初期設定が完了する。
基本的な使い方
Google Homeでは、声で操作するだけでなく、一部機能を手動で操作できます。また、対応アプリからGoogle Homeに音楽をキャストすることも可能です。
話しかける
Googe Homeの最も基本的な使い方は、もちろん音声操作です。「OK Google」または「ねぇ Google」と話しかけ、知りたいことや、やりたいことを本体に搭載されているGoogleアシスタントに伝えます。
本体を手動操作する
Google Home
音量調節
- 再生/一時停止:本体上部をタップする
- 音量アップ:本体上部を円を描くように時計回りにスワイプする
- 音量ダウン:本体上部を円を描くように反時計回りにスワイプする
- Googleアシスタントの起動:本体上部を長押しする
- マイクのミュート:ミュートボタンを押す
- 本体の初期化:ミュートボタンを10秒以上長押しする
- 電源オフ:電源ケーブルを外す
音量を変更すると、Googleアシスタントやメディアの音量は変更されますが、アラームやタイマーの音量は変更されません。また音量を0にした場合、メディア音量は0になるものの、Googleアシスタントは最小音量で応答します。
Google Home Mini
再生/一時停止:本体上部をタップする- 音量を上げる:本体の左側をタップする(電源ケーブルが奥側にくるように配置している場合)
- 音量を下げる:本体の右側をタップする(電源ケーブルが奥側にくるように配置している場合)
Googleアシスタントの起動:本体上部を長押しする- マイクのミュート:電源ケーブル横のスイッチをオフにする
- 本体の初期化:電源ケーブルの下にある FDR ボタン(円型ボタン)を10秒以上長押しする
- 電源オフ:電源ケーブルを外す
※本体上部のタッチ機能は2017年10月15日のアップデートで廃止されました。
音量を変更すると、Googleアシスタントやメディアの音量は変更されますが、アラームやタイマーの音量は変更されません。また音量を0にした場合、メディア音量は0になるものの、Googleアシスタントは最小音量で応答します。
Google Homeアプリで操作する
Google Homeアプリでデバイスを選択し、再生/停止や音量操作をおこなえます。
対応アプリから音楽をキャストする
Google HomeにはChromecast Audioの機能が組み込まれているため、Chromecastに対応した音楽アプリ(Google Play Musicなど)からGoogle Homeに音楽をキャストして再生できます。
カスタマイズする
Google Homeアプリを使えば、Google Homeの機能をカスタマイズすることができます。接続デバイスの追加や各種設定なども、Google Homeアプリから実行できます。
ここではショートカット作成とニュース提供元の編集を紹介します。
ショートカットを作成する
「OK Google」に続く音声パターンと対応する操作を登録することで、自由にショートカットを作成できます。
左:ショートカットを追加右:「OK Google ラブライブ」と話せば「グーグルプレイミュージックでスノウハレーションを再生」するショートカットを作成した
ショートカット作成は、Google Homeアプリのメニューで[その他の設定]→[ショートカット]からおこなえます。
ニュース提供元を編集する
Googleアシスタントが再生するニュースの提供元と順序は変更できます。
ニュース提供元を追加/削除/並べ替えが可能
ニュース提供元の編集は、Google Homeアプリのメニューで[その他の設定]→[ニュース]からおこなえます。
スペック・価格
Google Home
希望小売価格 | 1万4000円(税抜) |
---|---|
発売日(国内) | 2017年10月6日 |
サイズ | 96.4(直径)×142.8(高さ)mm |
重量 | 本体:477g、電源アダプター:130g |
電源ケーブル | 1.8m |
カラー | 本体:ホワイト、ベース部分:スレートファブリック |
対応オーディオ形式 | HE-AAC、LC-AAC+、MP3、Vorbis、WAV(LPCM)、FLAC、Opus |
無線 | 802.11b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)Wi-Fi、Bluetooth、Chromecast built-in、Chromecast Audio built-in |
スピーカー | 2インチ ドライバ、 2インチ デュアル パッシブ ラジエーター搭載のハイエクスカーション スピーカー |
電源 | 16.5V、2Aが必要 |
ポートとコネクター | DC電源ジャック、microUSBポート |
サポートしているOS | Android 4.2以降、iOS 9.1以降 |
付属品 | 電源アダプター、クイックスタートガイド |
Image:Google
Google Homeにはグレーのファブリック素材のベースが標準で付属しますが、別売りのベースに取り替えることも可能(2017年10月7日時点では国内未発売)。インテリアに適したカラーや素材にカスタマイズできます。
Google Home Mini
希望小売価格 | 6000円(税抜) |
---|---|
発売日(国内) | 2017年10月23日 | サイズ | 98(直径)×42(高さ)mm |
重量 | 本体:173g、電源アダプター:75g |
電源ケーブル | 1.5m |
カラー | チョーク、チャコール、コーラル |
対応オーディオ形式 | HE-AAC、LC-AAC+、MP3、Vorbis、WAV(LPCM)、FLAC、Opus |
無線 | 802.11b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)Wi-Fi、Bluetooth、Chromecast built-in、Chromecast Audio built-in |
スピーカー | 360度サウンド 40mmドライバー |
電源 | 5V、1.8Aが必要 |
ポートとコネクター | microUSBポート |
サポートしているOS | Android 4.2以降、iOS 9.1以降 |
付属品 | 電源アダプター、クイックスタートガイド |