日本を代表するゲームクリエイター・小島秀夫。日本のみならず世界でも抜群の知名度を誇る彼は、ゲーム業界にとどまらずあらゆるジャンルのクリエイターから羨望の眼差しを向けられています。ゲームの世界における「作家」の地位を築いた唯一無二の存在。そんな彼の創作の秘密に迫るストーリー『HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS』がディズニープラスで独占配信中です。
彼が独立してKojima Productionsを設立し、画期的なゲーム『DEATH STRANDING』を開発するまでの過程を、本人を含む関係者、さらに彼をリスペクトする世界の映画監督やミュージシャンたちのインタビューを交えて綴るドキュメンタリー作品です。
『HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS』を見る(ディズニープラスで配信中)
多くのアーティストやクリエイターが注目する小島秀夫の素顔とは
小島秀夫氏がコナミを退社し、自身の会社Kojima Productionsを設立したのは2015年。そしてその翌年、斬新なコンセプトを掲げた新作ゲーム『DEATH STRANDING』を発表します。2019年末に発売開始されるや否や世界中から大絶賛された本作。芸術の域にまで達し、それでいて大衆性を失わない稀有なゲームの完成秘話を、カメラがじっくりと追いかけます。
小島氏はインタビューの中で、このゲームは世界の分断を修復するものだと語っています。思想や宗教、経済格差による深刻な分断状態を抱え、コロナウィルスのパンデミックから孤独に苛まれる人々を生んだ現代社会。ゲームを通じて人と人とがつながることの大切さを説こうとした『DEATH STRANDING』は、まさに今までにないコンセプトのもとで制作された名作でした。
このドキュメンタリーでは、孤独だった幼少期に得た数多くの読書体験や、空想癖があった少年時代の思い出など、小島氏がゲーム業界を志すに至った道のりがつぶさに語られます。映画『マッドマックス』シリーズで知られるジョージ・ミラー監督やギレルモ・デル・トロ監督、『ネオン・デーモン』のニコラス・ウィンディング・レフン監督など、数多くの著名人が小島秀夫の創作における独自の世界観に称賛のコメントを寄せています。アニメ映画監督・押井守氏の「彼の作るものはもはやゲームでも映画でもない何か」という言葉も印象的です。
ゲームに込められた反戦への想い
なぜ小島氏は世界の分断の修復をゲーム制作のテーマに掲げたのでしょうか。そこには、彼の反戦への想いがあると言います。
彼の代表作『メタルギア』は銃を撃ちまくるのではなく、隠れて敵基地に侵入する「ステルスゲーム」というジャンルを確立させましたが、これには「反戦・反核」のメッセージが込められています。戦争をエンタメとして消費することに違和感を感じるのは、両親が戦争体験世代であることも大きく影響しているようです。
本作に登場する多くの映画監督たちは、芸術家とは未来に何かを残す者のことだと語ります。ゲームは世界を変えられると本気で信じている小島氏の姿は、普段ゲームに興味がない人でも感銘を受けるはず。小島秀夫がまさにゲームクリエイターという芸術家であるということを深く理解できる、珠玉のドキュメンタリー作品です。
『HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS』を見る(ディズニープラスで配信中)
世界有数のゲームクリエイター・小島秀夫の素顔に迫る1時間のドキュメンタリー。幼少期のエピソードから、名作『DEATH STRANDING』の誕生秘話、映画・音楽シーンで活躍する著名人たちのコメントまでを幅広く紹介。
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