手持ちのスマホを親機として、外出先などでパソコン(PC)やゲーム機器などをインターネットへ接続できる「テザリング」機能。本記事では、Androidスマホを介してテザリングする場合の設定方法や注意点を解説します。
なお、iPhoneのテザリング方法については、下記の記事を参考にしてください。
【iPhone】テザリングの設定方法と料金、できない時の対処法などを解説
テザリングとは?
テザリングとは、パソコンやゲーム機器、デジカメなどをインターネットへつなぐ時に、自分のスマホをアクセスポイント(親機)にして接続できる機能です。
Image:NTTドコモ
自宅やオフィスでパソコンを使うときは通常、Wi-Fi(無線LAN)や有線LANでつないだルーターをアクセスポイントにしています。カフェや電車の中など通信機器がない場所ではインターネットを利用することはできませんが、テザリング機能を使えばスマホをルーター代わりにできます。
また、外出先でインターネットを利用するのに、モバイルルーターを持ち歩く必要がありません。テザリングならスマホがあればいいので、余計な荷物や追加費用が発生しないのも嬉しいところ。営業や出張が多いビジネスマン、外でゲームやカメラを使って遊ぶことが多い人は、積極的に利用したい機能です。
テザリングを利用するときの注意点
便利なテザリングですが、注意しておきたい点もいくつかあります。
スマホの通信量がかさむ
テザリングでインターネット接続をすると、契約しているスマホの通信量を消費します。契約のデータ容量を使い切ってしまうと制限がかかり、スマホの通信速度が大幅に低下してしまいます。
テザリングをしている時に多くのファイルをダウンロードしたり、動画を見たりするのはおすすめしません。普通のウェブサイトでも、スマホ向けページよりPC向けのほうがデータ量は大きいため、余計なネットサーフィンなども控えたほうがいいでしょう。
また、Dropboxなどオンラインストレージの自動同期をオンにしている場合は、通信を始めた瞬間に同期処理がスタートしてパケットを消費する恐れがあるので、テザリングの前に設定をオフにしておきます。各機器のシステムアップデートも通信量が大きいため、テザリングでおこなうのは避けましょう。
バッテリーを消費しやすい
テザリング通信を利用すると、スマホのバッテリーを消費しやすくなります。頻繁にテザリングを使いたい人は、モバイルバッテリーを持ち歩いたり、電源のあるカフェを利用したりするのがおすすめです。
テザリングを利用できないスマホもある
スマホの機種によっては、テザリングができないものもあります。自分が持っている端末がテザリングを使えるか、利用する前にチェックしましょう。ドコモ・au・ソフトバンクでは、以下ページで対応機種がチェックできます。
テザリングオプションの料金と申し込み
テザリングを利用する場合、契約している携帯電話会社やプランによっては、オプションのため料金が発生することがあります。
auやソフトバンクでテザリングを利用する場合
auとソフトバンクでテザリングを利用するには、各キャリアで通信契約とは別にオプション機能として申し込む必要があります。スマホを購入して契約をするときにテザリングオプションを付けた人もいると思いますが、未契約の場合は追加で申し込みましょう。
料金は下表を参考にしてください。
データプラン | 料金 |
---|---|
データMAX 5G | 無料 |
データMAX 5G Netflixパック | |
データMAX 5G ALL STARパック | |
ピタットプラン 5G | |
データMAX 4G LTE | |
データMAX 4G LTE Netflixパック | |
ピタットプラン 4G LTE(新auピタットプランN) | |
auピタットプランN(s) | |
ケータイシンプルプラン/ケータイカケホプラン | |
VKプランS(N)/VKプランM(N) | |
タブレットプラン20 | 月額500円 |
上記以外のデータ(パケット)定額サービス または料金プラン |
データプラン | 料金 |
---|---|
データプランメリハリ | 月額500円 |
データプランミニフィット | |
データプラン50GB+ | |
データプランミニ | |
データプラン1GB(スマホ) | |
データプラン1GB(ケータイ) | |
データプラン100MB | |
データ定額 50GBプラス/ミニモンスター | |
データ定額 20GB/30GB/50GB | |
データ定額スマホデビュー | |
家族データシェア 50GB/100GB | |
法人データシェアギガパック(50)/(100) | |
データ定額ミニ 1GB/2GB | 無料 |
データ定額(おてがるプラン専用) | |
データ定額 5GB | |
データ定額S(4Gケータイ) | |
上記以外 | 月額500円 |
NTTドコモや楽天モバイルでテザリングをする場合
NTTドコモと楽天モバイルではテザリング機能は無料で提供され、最初から利用できるようになっています(ただし、ドコモは2016年4月以前に発売されたスマホで利用する場合、spモード契約が必要です)。
格安SIMでテザリングを利用する場合
格安SIMによるテザリングにも注意が必要です。契約している格安SIMとスマホの組み合わせによっては利用できない場合もあるので、これから使いたい人は確認しておきましょう。格安SIMを提供しているMVNOの公式ページなどに記載されている、動作確認済み端末の一覧からチェックできます。
たとえばmineoやIIJの場合、以下の公式サイトのとおりです。
種類のテザリングとその違い
テザリングをする手段は大きく分けて、「Wi-Fi」「Bluetooth」「USB」の3種類があります。それぞれメリット・デメリットがあるので、状況に応じて使い分けましょう。
Wi-Fiテザリング
Wi-Fiテザリングは最も一般的なテザリング方法です。USB端子やBluetoothを持たないゲーム機器やデジカメなどは、Wi-Fiで利用することになります。Wi-Fiテザリングは、Bluetoothよりも通信速度は速めです。ただし、スマホのバッテリーの消費は大きいので注意しましょう。
なお、Wi-Fiテザリングではパスワードを入力して接続します。パスワードを悪意のある他人に解読されると不正に利用されてしまう恐れがあるので、必要ない時はテザリングをオフにしておきましょう。
Bluetoothテザリング
Bluetoothテザリングは、Wi-Fiテザリングに比べてバッテリー消費が少ないのが特徴です。スマホのバッテリー残量が気になる時に利用を検討しましょう。
なお、Bluetooth通信は接続する機器を認証するペアリングをおこなうので、知らないうちに不正利用される心配はありません。
USBテザリング
パソコンとスマホをケーブルで直接つなぐUSBテザリングは、無線のWi-FiやBluetoothに比べて接続や通信速度が安定しています。また、テザリングと同時にスマホの充電ができるのもメリット。当然パソコンのバッテリーは消費しやすくなるため、パソコンとスマホ、お互いの機器のバッテリー残量をチェックしながら利用しましょう。
USBケーブルには充電専用と充電・通信対応の2種類があります。充電専用のケーブルだとテザリングはできないので、注意してください。
Androidスマホのテザリングをする手順
テザリングの種類ごとに実際のやり方を紹介します。ここでは、OPPO A5 2020(Android 9.0)とWindows 10パソコンを利用した手順となりますが、操作する内容は基本的にどのスマホでも変わりません。
Wi-Fiテザリングを接続する方法
Wi-Fiを使ってテザリングする手順は次の通りです。
1スマホで本体設定
まず、スマホ側の本体設定を行います。設定画面の[その他のワイヤレス接続]→[Wi-Fiテザリング]をタップしてください。(メニューはデバイスにより異なりますが、[接続]や[無線とネットワーク]などの項目内に含まれることが多いです)。
[Wi-Fiテザリング]をオンにしたら、スマホ側の設定は完了です。なおテザリングにはパスワード(セキュリティキー)の入力が必要です。
2PCでテザリングを接続
スマホの機種名を選択
ネットワークセキュリティキーを入力
続いてパソコンを設定します。デスクトップに表示されているWi-Fiアイコンをクリックしましょう。開くと、ルーターの一覧に、Wi-Fiテザリングをオンにしたスマホの機種名が表示されているので、クリックして[接続]を選択してください。
なお、表示されるまで数分時間がかかることもあります。少し待っても表示されないときは、スマホテザリング画面のWi-Fiを一旦オフにしてみましょう。
ネットワークセキュリティキーを入力して、[次へ]をクリックしてください。セキュリティキーはスマホの[Wi-Fiテザリング設定]画面から確認することができます。
3テザリングの接続完了
接続完了
接続が完了すると機種名の下に「接続済み」と表示され、インターネットを利用できるようになります。
Bluetoothテザリングを接続する方法
Bluetoothを使ってテザリングする手順は次の通りです。
1スマホでBluetoothテザリングをオンに設定
Bluetoothテザリングをするときは、パソコンとスマホ双方で「ペアリング」という設定を行います。最初に設定画面の[その他のワイヤレス接続]から[Bluetoothテザリング]をオンにしてください。
2PCでBluetoothを検出
その後、パソコンで機器を検出します。「設定」画面で、[デバイス]をクリックしてください。[Bluetoothとその他のデバイス]から[Bluetooth]をオンにし、「Bluetoothまたはその他のデバイスを追加する」の[+]ボタンをクリックします。
3検出されたスマホ選択
[Bluetooth]を選択
検出されたスマホを選択
「デバイスを追加する」画面の[Bluetooth]をクリックすると、テザリングするスマホを検出してくれます。検出されたスマホをクリックしてください。
パソコンとスマホの画面に、ペアであることを表すコード番号が表示されるので、一致していることを確認して接続します。
4接続完了
接続完了
接続が完了したら、Wi-Fiテザリングのときと同じようにインターネットを利用できるようになります。
USBテザリングを接続する方法
USBテザリングは最も手軽に接続できます。スマホのUSBテザリングをオンにした状態でスマホとパソコンをUSBケーブルで接続すると、自動で機器を検出してくれます。
接続が完了すると「デバイスの準備ができました」と表示されて、インターネットに接続できるようになります。Wi-FiやBluetoothと比べて、接続が切れてしまう心配もありません。
構成・文:藤原達矢
編集:アプリオ編集部