Googleは2022年3月1日(米国時間)、ロシアのウクライナ侵攻に関して同社の取り組んでいる支援策を公表しました。
Googleはロシアのウクライナ侵攻について、「悲劇であり人道的な災害」であるという立場をとり、支援金や支援物資の寄付に加え、主にウクライナの人々をサイバーセキュリティの脅威から守るための対応策を打ち出しています。


ウクライナの首都「キエフ」で交通状況の表示を有効にしても、何も表示されない
ウクライナ国内で、難民や避難に関する情報を検索すると、難民申請などについての国連のリソースを示すSOSアラートが検索結果に表示されます。またGoogleマップでは、市民の安全を守るため、ウクライナにおける交通状況や混雑状況などのライブ情報を一時的に無効化しています。加えて、近隣諸国の移民・難民センターに関する情報もマップで表示できるようになっています。
ウクライナ国内のGoogleアカウントも、頻繁に認証を要求するなどしてセキュリティレベルをアップ。Googleの最高レベルのセキュリティを提供する「Advanced Protection Program」では、ウクライナのハイリスクユーザーのアカウントを数百人分保護しているとしています。


ロシア国営メディア「RT」と「スプートニク」のYouTubeチャンネルをヨーロッパ全域でブロック(日本からは視聴可)
YouTubeでは、ロシア政府系メディアの「RT」と「スプートニク」の関連チャンネルをヨーロッパ域内でブロックしました。Googleは、YouTubeにおけるロシアの国営メディアの収益化を無期限停止する決定に基づくものとしており、2022年2月27日のEUによる「RT」と「スプートニク」の禁止措置との関連については言及していません。
また、信頼できる情報を簡単に入手できるようにする取り組みも進められています。SNSをはじめとして、Web上にはウクライナ情勢に関する真偽の不確かな情報が数多く流されており、誤った情報であってもインパクトの強さによって事実のように扱われている状況もみられます。こういった状況に対してGoogleは、不確かな情報によるミスリードを防ぐため、ウクライナの紛争に関するトピックを検索すると、権威あるニュースソースからの情報や動画などを目立つように表示するようにしています。
なお、Google検索やGoogleマップ、YouTubeといったGoogleのサービスは、引き続きロシア国民にグローバルな情報や視点へのアクセスを提供するため、ロシア国内で利用可能な状態となっています。ただしGoogleは、ロシア国内の銀行などの機関が制裁を受けた場合、Google Payなどのサービスが使用できなくなる可能性もあるとしています。