「Glass」という名前に込められた意図は何か? Googleが公式サイトと新動画を公開、アイデア募集もスタート

Google glass

20日、Googleは「Google Glass」の公式サイトをオープンし、新たに動画を公開した。

同時に、「もしGlassを持っていたら何をするか」のアイデア募集も開始した(米国在住者限定)。アイデアは、#ifihadglassというハッシュタグつきでTwitterおよびGoogle+で投稿できる。Googleが選んだ投稿者には「Glass Explorer Edition」を1,500ドルで購入する権利が与えられる。

Google、Glassの使い道に関するアイデアを募集

Glassとは

「Glass」とは、Googleが開発中のウェアラブル端末(着用型端末)で、昨年4月の情報公開から注目を集めているもの。

端末の主要部分は、従来の普通のメガネ(英語でGlasses)の部分ではなく、右目の右上に位置する小型のディスプレイとカメラ付属の本体部分から構成されている。

今回、公式サイト・YouTubeで公開された動画「How It Feels[through Glass]」では、Glassを装着したユーザーが実際にどのような景色を観てどのようにGlassを操作するのか、その体験を感じることができるように最初から最後までユーザー視線を映像化している。

動画の内容を時系列順に簡単に紹介する。全て音声認識によって実行可能。

  1. 現在時刻の表示
  2. ビデオ録画
  3. メッセージ送信
  4. ハングアウト(Googleのビデオ会議機能)
  5. Google画像検索
  6. 気象情報の表示
  7. 写真撮影
  8. 交通ナビゲーション
  9. 翻訳
  10. Googleウェブ検索
  11. 画像のシェア

なぜGlassという名称なのか?

ところで、「Glass」という名称は、普遍的な一般名詞だ(ふつうGlassという言葉が指すのは、ガラスやガラス製品、コップなど)。

では、なぜGoogleは、プロジェクト名をGlassと名付けたのだろうか?

その意図を探る上で、Google創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏の以下の過去の発言が大きなヒントになる。

2004年に、私は彼とブリンにグーグル検索の未来像について尋ねたことがある。「人間の脳の一部になっているだろう」とペイジは言った。「よく知らないことについて考えると、自動的に情報を取得してきてくれるようになる」

「そうなるだろうね」とブリンも言った。「グーグルは究極的には、世界中の知識で脳の機能を補佐し増強するものになる。今の段階では、まだコンピュータで文章を入力する必要があるが、将来的には操作はもっと簡単になるはずだ。話しかけるだけで検索する端末とか、周囲の状況を察知して、自動的に有益な情報を教えるコンピュータなどが登場するかもしれない」

メガネ型端末「Google Glass」でスカイダイビングを生中継、Googleの目指す未来とは

Google セルゲイ・ブリン氏 (画像:Tech Crunch)

彼らが2004年時点で話していたことは既に一部実現されている(例えば、Googleの音声検索やAppleのSiriなど)。そして、デスクトップPCからノートPC、スマートフォン、そしてGlassへと、コンピュータのパーソナル化は今後も進み続けるのだろう。それは究極的には、老若男女の別なくコンピュータが普遍的な存在になるということだ。コンピュータの存在を感じさせないコンピュータこそが、まさに「脳の一部」と呼ぶにふさわしい。

その視点からすると、Glassという一般的な名詞をプロジェクト名に採用した事実が、野心的なものであることが透けて見えてくる。一般的な名詞を採用するということは、Googleが、Glassと言えばGoogleの「Glass」を思い起こさせるほどの高い認知度と普及率の達成を今後目指していくことに他ならない。そうでなければ、Google「Glass」は、一般名詞Glassの中に紛れ込んでしまう程度の製品に過ぎないまま終わってしまうからだ。

従来、存在しなかったタイプの製品の名称が、その後の類似製品を指す用語として使用されていく例は多々ある。Sonyの携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」が、その後の携帯音楽プレーヤーの代名詞となったことがその一例。その他にも、「ホッチキス」や「サランラップ」など例を挙げればキリがない。

だが、Googleほどの大企業が、製品名として一般名詞を採用する事例はあまり無かったのではないだろうか。それほど、GoogleがこのGlassという製品にかける意気込みは強烈なものなのだと考えられる。

ウェアラブル端末の未来を占うGlass。今後も、GlassとGoogleの動向に注目だ。