Playストアにおけるステマ
Google Playストア(旧Android Market)には、日々、数多くのアプリが登録され続けている。その中から、他のユーザのレビュー・評価を参考にしてアプリを探すユーザは多いだろう。そうすると、判断材料としてのレビュー・評価の「質」が重要になってくるのは当然のことだろう。
利用者が多く、それと比例してレビュー数も多いアプリの場合ならば、概ね妥当な平均評価に落ち着いているように思える。
しかし、レビュー数が少ないアプリの場合はどうだろうか?偏った評価になっている可能性が高いのではないかと危惧するユーザもいるだろう。
そこで思い起こされるのが、昨今話題になっているステルスマーケティング(ステマ)という手法だ。
ステルスマーケティング:ステルスマーケティング(英: stealth marketing)とは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすることである。インターネット上での略称は『ステマ』。
wikipediaより引用
「食べログ」のステマ騒動や、2ちゃんねるのまとめブログに関連するステマ騒動などは記憶に新しい。AppleのiTunes Storeでも同様の手法が問題視されており、Apple側も対策に乗り出している。
では、Google Playにおけるステマの実態はどうなっているのだろうか。5つ星の高評価や賞賛レビューを金で買うことができるような方法があるのか?
まずは、以下のスクリーンショットをご覧頂きたい。
そこには、「これは怪しい…」と誰もが感じても不思議ではない不自然さがある。極端な分布の星評価(平均評価は、なんと4.8!)もさる事ながら、インストール数が100~500であるのに対して、レビュー数が130件となっている。これは異常なレビュー率の高さだ。
例えば、超有名ゲーム「Angry Birds Space」は、1000万~5000万のインストール数に対してレビュー数が132,131件だ。また、人気の無料通話アプリ「LINE」の場合は、1000万~5000万のインストール数に対してレビュー数は75,472件に留まっている。
レビューのほとんどが5つ星であることと合わせて考えれば、意図的なレビュー操作が行われたと見て間違いない。
問題のゲームアプリが5つ星を集めた方法
答えは簡単。やはり、金で買ったのだ。
このアプリの開発者が実際に行った手法は、「
Amazon Mechanical Turk:Amazon Mechanical Turk(アマゾンメカニカルターク、略称:Mturk; 機械仕掛けのトルコ人の意味)は、アマゾンウェブサービスの一つ。コンピュータプログラムを人間の知能と組み合わせて、コンピュータだけでは不可能な仕事を処理することができる。コンピュータプログラムを書く人はリクエスターと呼ばれ、タスク(HITs; Human Intelligence Tasks; 人間の知能が必要なタスク)をワーカーに投げる。タスクは例えば、お店の店頭写真の一番良いものを選ぶ、製品の説明文を書く、音楽CDの演奏者を特定する、といったものである。ワーカー(Mechanical Turkの利用許諾書の用語では提供者と呼ばれる)は、既存のタスクを一覧で見て、実行して、リクエスターから金銭的報酬を得ることができる。
wikipediaより引用
アプリ開発者側が不特定多数のワーカーに「ゲームアプリをインストールして5つ星をつける」ことを依頼し、ワーカーは報酬として少額の金銭を受け取る --- そんな取引に「Amazon Mechanical Turk」が使われていたわけだ。
Google Playストアにおけるランキングアルゴリズムの複雑性を考慮すれば、同様の手法の有効性は低いと考えられる。しかし、問題のアプリが悪意を持って作成されたものであった場合の危険性は無視できるものではない。
ユーザとしては、信頼できる情報源でアプリの評価を確認することや、アプリのインストール数・レビュー数・配信元の情報などを簡単にでも確認することなどで自衛することが求められている。
参考記事・画像引用元