「Flappy Bird」というアクションゲームが、いま世界中で人気になっている。あまりの難易度の高さから、スマホを放り投げたくなる衝動に駆られるが、それでもプレイをやめられない中毒性の高さに要注意だ。
スマホゲームに鬼畜ゲームの時代が到来か?
このゲームは、デザイン面では昔懐かしのドット絵を採用しておりレトロ感を醸し出しているが、特徴的なのはそのゲーム性。いわゆる鬼畜ゲームと呼ばれる部類に属するゲームなのだ。
鬼畜ゲームとは、大雑把に言ってしまえばプレイ難易度が非常に高いゲームのこと。PCゲームでは「I Wanna Be the Guy」が有名。ファミコン世代なら、「たけしの挑戦状」や「魔界村」や「トランスフォーマー コンボイの謎」などの名前を聞けば、鬼畜ゲームが何を指すのか分かる人も多いかもしれない。
このFlappy Birdの遊び方は単純すぎるほどに単純だ。プレイヤーキャラである鳥が地面に落ちないように、障害物である土管の間を通り抜けつづけるだけ。タップすればジャンプするように飛び上がり、何もしなければ自由落下する。
Flappy Bird プレイ動画(Vine)
※PC向けには音声自動再生をデフォルトでOFFにしてある。ONにすれば、ゲームの雰囲気をより把握できるだろう。
動画中の残念な結果は、プレイヤーが未熟だったためと思われるかもしれないが、熟練プレイヤーでもこのような結果になることは往々にしてある。
ちなみに、通過した土管の数に応じて、ご褒美としてメダルが与えられる。
メダルの色は銅、銀、金と変わっていき、40回以上通過すればプラチナメダルを入手できる。
Flappy Birdは、何か大切なことを思い出させてくれる
当たり判定の厳しさ、平常心を保つことの難しさ、一時停止を許さないため維持しつづけなければいけない緊張感──Flappy Birdには、最近のジャパニーズゲームが忘れてしまったかのようなゲームの本質が隠されているようにも思える。
このゲームを制作したのは、たった1人のベトナム人開発者Dong Nguyen。素性は謎のベールに包まれているが、米テックメディアのThe Vergeがインタビューをおこなったところ、彼は日本のゲームに愛着を持っているようだ。
ただ、そのことはインタビューをせずとも想像に難くない。ゲーム動画を見れば、どこからどう見ても任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」をモチーフにしていることが丸わかりだからだ。あの緑色の土管、コインをゲットしたときのような効果音、水中面に登場する敵キャラのプクプクに似たキャラクターなどを見ると、二十数年前の自分を思い出さざるをえない。
デイリーで5万ドルにもなる稼ぎ方は、日本市場を参考に
The Vergeのインタビューによれば、Flappy Birdは稼ぎ方も日本に影響されたとのこと。
「Flappy Birdを無料で提供し広告で収益を上げる方法を採った理由は、それが日本のスマホゲーム市場で一般的だから」と語るNguyenは、今ではゲーム内のバナー広告から1日あたり平均して5万ドル(約510万円)を稼ぎ出しているそうだ。
なぜ、この単純なゲームが、Android版だけでも1000万ダウンロードを超える大ヒットとなったのか、その理由は定かではない。
Our work is heavily influenced by retro pixelated games in its golden age. Everything is pure, extremely hard and incredibly fun to play.
僕らの作品は、全盛期のレトロなドット絵ゲームたちに強く影響されている。全ては純粋で、メチャクチャ難しくて、そして信じられないほど楽しかった。
開発者サイトには上記メッセージが記されている。そこには、何か重要なヒントが隠されているのかもしれない。