格安SIMカード 超入門ガイド:「格安SIMとは何か」からメリット・デメリット、種類と選び方、使える端末、注意点まで

2016-10-10 21:35

SIMカード

2014年以降、月額1000円以下で使える「格安SIM」や「MVNO」といった言葉がテレビや新聞、雑誌などで大きく取り上げられるようになりました。これまでケータイに詳しいユーザー向けの印象が強かった格安SIMというキーワードが、スマートフォン・タブレットの普及とともに一般層にも広がりつつあります。

ただ、「格安SIM」と言われても「スマホを安く使えそうな気はするけれど、通信速度や通話機能などでデメリットはないの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

この記事では、そういった初心者向けに「格安SIMとは何か」ということから格安SIMのメリット・デメリット、格安SIMの種類・選び方、格安SIMを使える端末、いくつかの注意点について説明しています。

なお、あくまでも初心者向けの解説であるため、何となく格安SIMを理解できた気分になれる程度に分かりやすさ重視でいきたいと思います。ざっくりとした記述があることを予めご了承ください。

格安SIMを4タイプ別にざっくり比較:データ通信専用SIM編(2014年12月掲載)

1. 格安SIMとは何か

1-1. そもそもSIMカードとは

格安SIMについて理解する前提として必要なのが、SIMカードに関する知識です。

SIMカード(シムカード、Subscriber Identity Module Card)とは、携帯電話などに挿入して使う小型のICカードのことです。名称のとおり、回線契約のSubscriber(契約者)をIdentity(識別)するために必要となります。普通に携帯電話を使っているとSIMカードを目にする機会はあまりないかもしれません。

最近のスマホに使われているSIMカードの種類は、大きい方から標準SIM、MicroSIM(マイクロSIM)、nanoSIM(ナノSIM)の3種類です。

SIMカードのサイズ

このSIMカードには、端末で利用する電話番号などの回線情報が記録されており、これなくして携帯電話は通常の通信をおこなえません。端末は、SIMカードによって回線契約と分離させられているということです。

SIMカードは、クルマにおけるETCカードのようなものだと考えてもらってもいいかもしれません。高速道路を利用する際の現金支払いを不要としてくれるETCカードは、他人所有のクルマに挿して使うこともできます。ETCカードの契約はクルマではなくカードと紐付けられているからです。SIMカードもそれと同様で、SIMカードを取り出して他の端末に挿せば、その端末を自分の回線契約に紐づく端末として使用できるようになります。これが「原則論」です。

もっとも現在、日本の携帯電話業界では原則論は採用されていません。日本の大手携帯電話事業者三社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)は、自社端末では他社SIMカードを使えないようにしているのです。これが、いわゆるSIMロックと呼ばれる措置です。SIMロックを解除できるのは、NTTドコモの2011年4月以降発売の機種とKDDIとソフトバンクの2015年5月以降発売の機種。SIMロックがかけられていない状態をSIMロックフリー(いわゆるSIMフリー)といいます。

SIMロックをかけることや2年縛りの契約を半強制することはユーザーの自由を奪うことになりますが、他方では機種代金の実質価格を引き下げることなども可能としています。色々と議論の多いところです。

1-2. 格安SIMカードとは

ようやく本題に入ります。

格安SIMカード(以後、格安SIM)とは、MVNO(仮想移動体通信事業者、Mobile Virtual Network Operator)と呼ばれる事業者が大手通信キャリアに比べて低価格で提供しているSIMカードのことです。

大手家電量販店を訪れると、携帯コーナーの一角に格安SIMがずらりと並んで販売されている光景も珍しくなくなりました。また、流通大手のイオンなどは、格安SIMと自社調達のスマホをセットにして「格安スマホ」として販売しています。

この格安SIMを一定の「条件」を満たしたスマホやタブレットに挿入してちょっとした設定をおこなえば、ドコモもしくはKDDIの通信回線を通じてデータ通信などが可能となります。「条件」については、後述します。

1-3. MVNOとは

それにしても「MVNO」に「仮想移動体通信事業者」……何だか難しい用語ですよね。実際、MVNOについて理解するのは、通信業界に興味のない大多数のユーザーにとってなかなかに骨が折れる作業です。むしろ、理解する必要はないかもしれません。

ここでは不正確ながら、MVNOとは格安SIMを販売している事業者のことだと考えておいてください(実際はより広い概念です)。NTTコミュニケーションズ、IIJ、BIGLOBE、楽天、日本通信あたりがMVNO大手だと言われています。

MVNO大手

MVNOは、大手通信キャリアから回線をまとめて借り受け、それを小口に分けて格安SIMユーザーに提供しています。つまり、MVNOのV(Virtual、仮想)は、自社で無線基地局などの通信設備を持たずに大手通信キャリアから回線を借りていることを意味しているのです。

※ここで察しのいい人は、Vを抜いた「MNO」が「移動体通信事業者」を意味し、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどのことだと推測するかと思います。それで正解です。

「回線をまとめて借りる」という表現はこれまた不正確ですが、「第2種卸Xiサービスが……」とか「接続点における帯域幅の月額利用料が10Mbpsあたり123万円くらいまで値下がりしていて……」とか「L2接続とL3接続とが……」とか「MVNEがうんぬんかんぬん」とか言われても意味が分からない人がほとんどでしょう。そういった難しい話は、とりあえず脇に置いて触れないことにします。

ちなみに、ほとんどのMVNOはNTTドコモから回線を卸してもらっており、KDDI回線を個人向けに提供しているのはインターネット業界の老舗企業であるIIJと関西電力系ケイ・オプティコム社のmineo(マイネオ)、auのサブブランドであるUQ mobileというMVNOのみです(2016年10月現在)。

このことは、どの格安SIMがどの端末で利用できるかということに関係してきますので覚えておいてください。

1-4. なぜ格安SIMは安いのか?

ところで、なぜ格安SIMの料金は従来の大手通信キャリアの場合と比べて低額で済むのでしょうか。

その仕組みは、そこまで難しくはありません。MVNOが低料金で格安SIMサービスを提供できる理由は、端的に言えば(1)回線をまとめて借りた上で(2)販売にかかわる様々なコストを削減し、(3)データ通信量や通信速度を制限しているからです。

要はこういうことです。

今、あなたは無性にパイナップルを一口だけ食べたくなってきたとします。そこで近所のスーパーに買いに出掛けると、パイナップルやオレンジ、桃などが食べやすい大きさにカットされてパッケージに入っているフルーツ盛り合わせが500円で売られていました。「パイナップルを一口だけ食べたかったんだけどなぁ」と呟きながら、仕方なくフルーツ盛り合わせを買ってパイナップルを食べました。これが、これまでの大手通信キャリアとの契約です。

そこでMVNOさんの登場です。MVNOさんは1人でスーパーと交渉してカット前のパイナップルだけを大量にまとめ買いし、スーパーの店頭に屋台を構え、パイナップルをカットして一切れ10円で売り始めました。あなたのようにパイナップルを一切れだけ買う客がいれば、もっとたくさん買う客もいるようです。MVNOさんは、スーパーのように大きな店舗を構えていないし、チラシ配りもせず従業員も雇っていません。このようにしてコストを抑え、まとめ買いしたパイナップルをどのような大きさ・形にカットして1切れあたりいくらで売りさばくのかを比較的自由に決められることで、客の需要に応じてパイナップルを安い値段で販売することができます。これが、MVNOの格安SIMです。

何となく分かっていただけたでしょうか。

2. 格安SIMのメリット・デメリット

このように無駄を省いて月々のランニングコストを削減できることが格安SIMの「格安」SIMたる所以ですが、他にもメリットがいくつか考えられます。もちろん、利点がある一方で欠点も少なくありません。

メリットとデメリットを比較検討し、自分に最適化したプランを見つけ出すのも、格安SIMの醍醐味だと言えるでしょう。メリットとデメリットをより詳しく知りたい場合は下記記事を参照してください。

格安SIMでスマホ料金が劇的に安くなる、3つのメリットと12のデメリットをざっくり解説

2-1. メリット

  • 月額料金が安くなる
  • プランを柔軟に選べる
  • 2年縛りがない

2014年、大手通信キャリアは音声通話かけ放題とパケットを家族でシェアする新料金プランを発表しました。しかし、新料金プラン内での選択肢は用意されているものの実質的にそこまで選択の自由があるとは言えません。

この点、格安SIMだと音声通話サービスの有無やデータ通信量に関する選択肢が豊富にラインナップされています。

牛丼屋で例えると、大手通信キャリアは牛丼大盛り(味噌汁付き)しか頼めないのに対して、格安SIMは大盛りからミニサイズまでお腹の需要に応じて選べるといった感じでしょうか。

また、契約期間に縛りがない格安SIMが多いことも利点のひとつ。気軽にMVNOを渡り歩くこともできます。

2-2. デメリット

利点ばかりではなく、欠点もあります。もっとも、これらを欠点だと思わない人も多いでしょうし、そういうユーザーこそが格安SIMを導入するべきなのかもしれません。

  • 音声通話に対応していないものが多い
  • 利用できないキャリア関連サービスが多い(キャリアメール・キャリア決済・年齢認証ほか)
  • クレジットカードが必要な場合が多い
  • キャリアによる端末価格の割引を受けられない
  • テザリングを利用できないケースあり
  • データ通信の制限が厳しい
  • 通信速度が遅くなる可能性あり

ここで注意しておきたいのは、それまで通信キャリアから提供されていたキャリアメール(@docomo.ne.jpや@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jpなど)やキャリア決済、年齢認証サービス、迷惑メール対策、セキュリティサービスなどが利用できなくなるということ。特にキャリアメールにサヨナラできるか否かは、ある種の踏み絵になるでしょう。

ドコモメール

また、格安SIM導入後に後悔しかねないのが、テザリングを利用できないケースが多いということです。端末やOSバージョンによって状況が異なってきますので、事前にテザリングを利用可能か調べておくべきです。

3. 格安SIMの種類と選び方

格安SIMを使うためには、その豊富なラインナップから自分に最適なものを選び出す必要があります。

しかし、SIMの備える機能とそれに対する料金設定が各MVNOごとにバラバラで、どれを選んでいいのか面食らう人もいるかと思います。

3-1. 格安SIMの種類

そこで、まずはざっくりと格安SIMを分類してみることにします。

格安SIMを機能面から大別すると、「データ通信専用の格安SIM」と「データ通信に加えて音声通話にも対応している格安SIM」の2種類があります。ここでいう音声通話とは、従来のキャリアの3G音声通話のこと。データ通信専用SIMでもIP電話サービスに加入したり無料通話アプリを利用すれば、もちろん通話は可能です。

この2種類をベースに、料金と契約形態(月額料金/プリペイド)・SMS機能の有無・IP電話や公衆Wi-Fiなどの付加サービスの有無・LTE対応の有無・最大通信速度・データ通信容量の上限(容量と月ごとか日ごとか)・制限時の通信速度・容量追加の可否・対応するSIMサイズなどを比較検討していくことになります。

格安SIM 売り場

なお、ほとんどのMVNOは、このデータ通信専用格安SIMにSMS機能を付けたタイプのSIMも別パッケージで提供しています。よって、店頭などでは「データ通信専用(SMSなし)」「データ通信専用(SMSあり)」「データ通信+音声通話」の3種類に分けて販売されていることになります。

データ通信専用の格安SIM

データ通信専用の格安SIMでは、「090」「080」から始まる携帯電話番号を使っての音声通話がおこなえません。よって、どちらかと言えば2台目以降向きの格安SIMとなります。

最近はほとんどの格安SIMが高速のLTE通信に対応しています。機能をデータ通信に絞っているため、月額500円以下で利用できる格安SIMもあり、格安SIMの「格安」という魅力を存分に享受できます。

音声通話対応の格安SIM

一方、音声通話対応の格安SIMでは、従来通り「090」「080」「070」の番号で通話発着信やSMS送受信が可能です。キャリアサービスの多くは利用できませんが、その他の面ではドコモのスマホと使い勝手はあまり変わりません。緊急電話や一部のフリーダイヤルへの発信も可能で、なかには転送電話や留守番電話などのサービスを提供するMVNOもあります。

月額料金はデータ通信専用SIMよりも数百円から1,000円ほど高くなります。通話料は20円(税抜)/30秒で、基本的に無料通話分はなし。同キャリア内の無料通話サービスもありません。したがって、高品質で通話を長時間楽しみたいなら格安SIMではなくキャリアのかけ放題プランなどの方が得です。音声通話対応の格安SIMは、あまり通話しないが念のため「090」などの電話番号を持っておきたいというユーザー向けでしょう。

新規契約だけでなく、他社からの乗りかえ(MNP)に対応している場合もあります。

3-2. 格安SIMの選び方

格安SIMに手を出そうとしている人の多くは、基本料金の低さに魅力を感じているものと思われます。

そうだとすれば、あとは必要な機能と容量などを確定してたくさんの格安SIMの中から候補を絞り込み、財布と相談するだけです。反対に、上限の料金を事前に決めた上で、その範囲内で機能と容量などを取捨選択していくのも1つの手です。

ここでは格安SIMを選択する際のポイントを、料金の安さ以外で7つ挙げておきます。

  • (1)音声通話の対応
  • (2)最大通信速度と容量のバランス
  • (3)速度の制限
  • (4)端末で使えるか
  • (5)SIMカードの枚数
  • (6)最低利用期間と解約金の有無
  • (7)評判

(1)音声通話の対応

メイン端末を格安SIMにする場合、従来の音声通話に対応していた方が安心でしょう。モバイル・ナンバー・ポータビリティ(MNP)も利用できるので、それまでの電話番号を維持することもできます。データ通信専用SIMの場合、通話にはIP電話や無料通話アプリ、FaceTime(iPhone)を利用することになりますが、これでは110番や119番などの緊急通報や117番時報などの3ケタ番号に発信できません。

2台目以降のサブ端末なら音声通話に対応していなくてもよいでしょう。

(2)最大通信速度と容量のバランス

格安SIM選びで最も頭を悩ませそうなのが、最大通信速度と上限容量に関してです。

通信が遅くても構わないなら最大通信速度128kbps~500kbps程度のタイプを選びます。メール送受信やLINEのやり取り程度ならそれほど問題にはなりません。この場合、容量は無制限であることがほとんどです。追加料金を支払えば必要に応じて短時間だけ高速でデータ通信できるものもあります。

LTEの高速通信を楽しみたいなら、最大150Mbpsのタイプを選ぶべきです。この場合は、容量の上限を確認する必要があります。1GB/月や50MB/日などとたくさんのプランが存在しています。日頃、自分がどの程度のデータ通信をおこなっているかを確認してみると適したプランが見つかるはずです。

この中間のタイプのSIMも登場しており、今後ますます選択肢が多くなるのではないでしょうか。

(3)速度の制限

LTE高速通信が可能なタイプの格安SIMで上限容量を超えると、基本的に速度は100kbps~300kbps程度に制限されます。

加えて速度制限時の容量追加もポイント。上限を超過しても容量を追加して高速通信に復帰できる格安SIMが多いので、追加できる容量の単位と料金についてチェックしておきましょう。

(4)端末で使えるか

前述しましたが、全てのスマートフォン・タブレット端末が格安SIMに対応しているわけではありません。

特にキャリア端末の場合は要注意。mineo以外の格安SIMはドコモ端末およびSIMロック解除済みのソフトバンク端末で利用でき、mineoではauのLTE対応端末で利用できます。

国内で普通に入手できるSIMフリー端末なら、どの格安SIMでも対応しているはずです。

各MVNOの公式サイトに動作確認済み端末の一覧が掲載されているなら、必ず対応の有無をチェックしておきましょう。

(5)SIMカードの枚数

複数台を格安SIM運用するなら、1契約あたりのSIMカードの枚数も重要です。上限容量を複数のSIMカードでシェアできるので、家族利用などに向いています。

(6)最低利用期間と解約金の有無

最低利用期間や解約金が設定されている格安SIMもあります。

大手通信キャリアの2年縛りが嫌で格安SIMの道に踏み込むなら、それらのSIMを選ぶのは本末転倒です。

(7)評判

後述しますが、格安SIMの通信品質はMVNO次第の側面もあります。各社が表示している数値だけでは実際の通信速度などを把握でないわけです。

幸い、格安SIMユーザーは日々増加する傾向にあり、ネット上で格安SIMの使用感を見つけることは難しくありません。各社の評判を下調べしておくことで残念な事態に陥ることを回避できるかもしれません。

4. ドコモ系格安SIMを使える端末

自分に合った格安SIMのプランを見つけることは大事ですが、どの端末(スマホ・タブレット)で格安SIMを運用するのかということも非常に重要です。しかし、気をつけておかなければいけないことがあります。それは、どんな端末でも格安SIMで運用できるわけではないということです。

まず、前述のとおり、ほとんどのMVNOはドコモのネットワークを利用しています。これが意味しているのは、ドコモのSIMカードを挿して使える端末であればほとんどの格安SIMを使用できるということ。

ドコモSIM

逆に言えば、auとソフトバンクの端末を格安SIM運用できるケースはかなり限られてくるわけです。mineoでauのLTE対応端末を運用したり、SIMロック解除可能な一部ソフトバンク端末をドコモ系MVNOで運用したりすることは可能ですが、現状ではレアケースです。したがって、今のところは「格安SIMを使える端末=ドコモ系格安SIMで使える端末」だとみなしておきましょう。

次に、ドコモ系格安SIMで使える端末にはどんな端末が存在するのかが問題になりますが、大きく分けて2種類の端末があります。SIMロックがかかっていないSIMフリー端末とドコモのスマホ・タブレット端末です。

4-1. SIMフリー端末

SIMフリー端末で初心者が購入しやすいものは、AppleのiPhone 6/6 PlusやiPhone 5sなどとGoogleのNexus 5やNexus 6、Nexus 7、Nexus 9などが挙げられます。

iPhone 6 & Nexus 5

SIMフリー端末は国内だけでなく海外からも購入できます。海外から入手する場合は、通信規格や周波数帯、技適マークの有無に特に注意しなければいけないので、初心者にはあまりオススメできません。

4-2. ドコモ端末など

iPhoneとNexus以外で初心者が安心して購入できるのはドコモ端末でしょう。ドコモ端末ならば、SIMロック解除の有無を問いません。たとえば、家族がドコモと契約して使っているスマートフォン(SIMロックあり)に格安SIMを入れても、きちんとデータ通信できるはずです。

ドコモのスマートフォン

また、ドコモ端末が市場に数多く流通している点も見逃せません。SIMカードが抜かれた端末は「白ロム」端末と呼ばれ、新古品・中古品として販売されています。秋葉原などでは、白ロム端末を取り扱っているショップが軒を連ねています。

その他、ソフトバンクのSIMロック解除済み端末でもドコモ系格安SIMを利用できます。

5. 格安SIMを選ぶ上での注意点

格安SIMの道に踏み込む前に、いくつか注意しておいてほしいことがあります。

5-1. 格安SIMの通信品質

格安SIMを導入する上で気になるのは、データ通信の品質だと思います。「安かろう、悪かろう」なのではないか、と疑念を抱くのは当然のこと。そして事実、そういったイメージが生まれてしまったことは否定できません。MVNOのサービスは、ドコモなどから回線をまとめ借りし、その範囲内でどれだけのユーザーにどの程度の容量と速度で通信させるかを調整することで成り立っているからです。

ドコモSIM

高層ビルのエレベーターを想像してみましょう。エレベーター整備やカゴ内の清掃を怠らず、乗客一人ひとりが満足できるようにエレベーターの状態を保たなければならないのがドコモ、そのエレベーターだけを貸してもらって実際に乗客を運ぶのがMVNOだと思ってください。定員20名のところに10人しか乗せなければゆったりとした移動を楽しめますが、20人を乗せればぎっちりとした感じになり、30人を乗せれば大変な状態になることは目に見えています。同じ30人でも体の小さい子ども(データ通信量の少ないユーザー)30人なら、あまり問題ないかもしれません。MVNOは、どのサイズのエレベーターを借りればよいか、時間帯ごとに同時に乗せられる人数と総体重を綿密に計算し、通信の快適さと利益の最大化のバランスを取っています。よって、MVNO側のさじ加減ひとつで、乗客の満足度は変わってくることになります。

この例をデータ通信にそのまま当てはめることはできませんが、だいたい似たようなものだと考えておいてください。要は、ドコモに使わせてもらっている回線の幅あたりに収容する格安SIMユーザーの人数次第で通信速度が変わってくる、ということなのです。

だからといって、格安SIMが「安かろう、悪かろう」であるということを意味するものではありません。最近ではキャリアと遜色ないと評価されるようになっています。競争が激化しているので、各社ともにサービス品質を向上させることに余念はないはず。事前の情報収集を怠らないようにしておきたいものです。

5-2. アダプターについて

まず、SIMカードのサイズとアダプターについてです。ほとんどの格安SIMには標準SIM、MicroSIM、nanoSIMが用意されています。端末に合うサイズのSIMにする必要があるのは当然ですが、合わないサイズのSIMカードでも使えてしまう方法がネットや雑誌などで紹介されています。具体的には、アダプターを使って小さいサイズのSIMでも端末に挿入できるようにする方法や、逆に大きいSIMカードの場合にカードの余分な部分をカットしてしまう方法です。

SIMアダプター

アダプターを使う方法については、SIMカードが引っかかって抜けなくなる危険性があるため、少なくとも初心者にはオススメできません。nanoSIMカードを買っておいてアダプターを使えばmicroSIMタイプと標準SIMタイプの端末でもSIMカード自体を交換する必要はありませんが、安易な気持ちでアダプターを使うと後悔することになる可能性があります。

また、大きいSIMカードを小さいSIMサイズにカッターなどでカットする方法は契約違反行為です。SIMカードはドコモからMVNOへ、そしてMVNOからユーザーへとレンタルされているもので、契約終了時に返却する必要があるためです。

5-3. アンテナピクト問題、セルスタンバイ問題について

格安SIMで日々スマホを運用するなかで、これまで問題になってきたのがアンテナピクト問題とセルスタンバイ問題です。

「アンテナピクト」とは、電波強度を示すアイコン。「電波、何本立ってる?」というアレのことです。ただ、MVNOの格安SIMを使うと、端末によっては電波が届いていても圏外表示になることがあります。これが、データ通信は可能な状態なのにアンテナピクトが表示されないという「アンテナピクト問題」です。

アンテナピクト問題

このアンテナピクト問題が発生しているとき、裏ではいわゆる「セルスタンバイ問題」が同時発生している可能性があります。電波が届いているのに電波強度を認識できないと、端末は電波を探し続けてしまいバッテリー消費量を大幅に増加させてしまうのです。

セルスタンバイとは、Android OSの設定画面で確認できる電池使用プロセスのひとつで、セル無線通信の電池使用量を確かめられます。このプロセスにおける電池消費が激しくなっている状態を指して「セルスタンバイ問題が起きている」と表現しています。

これらの問題の原因は、3G音声通話とデータ通信の仕組みが異なるところにあるとみられています。音声通話とSMSを利用できないデータ通信専用の格安SIMは、音声通話向けの仕組みには基本的に対応できません。しかし、そのことを分かってくれない端末側が音声通話の仕組みを利用しようとするとエラーが発生し、リトライし続けてしまう……そこでバッテリーを無駄に消費することになるわけです。

したがって、このアンテナピクト問題・セルスタンバイ問題の解決策のひとつとして挙げられているのが、音声通話もしくはSMS機能を利用できる格安SIMにしておくというものです。そうすれば音声通話向けの仕組みに対応できるため、問題が発生しません。

格安SIM SMS対応

ほとんどの格安SIMはSMS機能を付加するオプションを提供しています。この場合、百数十円から二百数十円程度の料金が加算されてしまいますが、付けて置いた方が無難でしょう。SMSは、LINEなどのSNSの認証で使う場面が多い機能でもあるため、メリットは小さくありません。

もっとも、これらの問題は端末によって発生したりしなかったりという類の問題です。特に最近発売されたSIMフリー端末の中には、問題に対処済みだとみられるものもあります。

5-4. 常に最新の情報を探すべし

最後にひとつ大事なことを指摘しておきます。

それは「常に最新の情報を探すべし」ということです。

このMVNO業界は、この数年で激動期を迎えています。各社がしのぎを削って格安SIMサービスの充実を図っており、サービスの内容や料金を比較している情報があっという間に古いものになっていってしまう状況です。そして、この傾向は当分の間続きそうな気配です。

SIMフリー端末を購入したり、格安SIMを契約したりする場合は、必ず最新の情報をもとに比較検討するようにしましょう。

6. 主な格安SIM