昨年よりスマートスピーカーを使い始めているのですが、利用前にイメージしていたより便利だと実感しています。そこで関心を持ったのがスマート家電。音声のコントロールで照明を付けたり、カーテンを閉められたりすると便利そうです。
とはいえ、そもそもカーテンなどは工事が必要になるので、予算的にも使えそうにありません。照明もいろいろ登場してはいるのですが、自宅に元々付いている照明はダウンライトが多いため、合う製品がほとんどないのが実情です。今どき、電球タイプの照明なんてほとんどないでしょう。
それでも、せっかくだからスマート家電を使ってみたいと、手ごろな価格の製品を物色していて見つけたのが「TP-Link WiFi スマートプラグ(HS105)」。Wi-Fi対応のコンセント直結型の電源プラグで、接続した家電製品の電源オン・オフが遠隔でおこなえるという製品です。価格は3000円程度となっています。
他のコンセントを邪魔しないで挿せる
HS105のサイズは6.6×3.8センチと程々にコンパクト。製品はとてもシンプルで、箱のような本体にボタンが付いているだけです。さほど高級感があるわけではないものの安っぽさもなく、価格を考えれば妥当だと思います。
TP-Link WiFi スマートプラグは四角い箱のような形だ
家のコンセントに挿し込んで使いますが、一般的な2つ口のコンセントに装着しても、他のコンセントの邪魔にならないのがいいところ。見た目にはちょっとボリュームがあるものの、そもそもコンセント自体が目立たない位置にあるのが普通なので、特に問題はありません。
ちょっと気になるのが、191グラムと結構重いことです。HS105を中途半端に挿し込んでいると、自分の重さで外れてしまう可能性もありそうです。
コンセントに挿し込んで利用することになる
セットアップは難しくない
セットアップは簡単におこなえます。最近はWi-Fiで接続する機器が増えており、ほとんど同じ手順だからです。ただ、この手の機器をまったく使ったことがないユーザーは、少し戸惑うかもしれません。TP-Link WiFi スマートプラグが単体でWi-Fiに接続できるようにしてあげる必要があるからです。
セットアップは、Wi-Fiの電波が確実に届いている場所でおこないましょう。あとで移動させるにしても、セットアップをスムーズに進めるために無線LAN親機(Wi-Fiルーター)の近くで作業することをおすすめします。なお、接続は2.4GHz b/g/nのみなので注意してください。
専用アプリ「Kasa」をインストールしたら、画面に表示される手順どおりに進めていけばOKです。この手のツールでは、アプリの日本語化がおかしいものも散見されますが、本製品は説明文がしっかりとしており、イラストもセンスが良く、力を入れて開発されていることがわかります。
専用アプリ「Kasa」をインストールする
まずユーザーアカウントを作成する
機器の追加から「TP-Link WiFi スマートプラグ」を選んで、遠隔操作に同意する
指示に従って本体をコンセントに挿し込む。ランプが付いていなければ電源ボタンを押す
接続する機器に合わせてイラストを変更できる
Wi-Fiは2.4GHz b/g/nに接続する
HS105には(ちょっとわかりにくいのですが)ランプが付いていて、正しく動作しているかどうかを確認できます。本体の角(カド)がぼんやり光るため見落としがちですが、暗い寝室などで強く光ると邪魔になるので、このくらいがちょうどよさそうです。
ランプは色合いが淡いのでやや見づらい
使える機器とできる操作が限られる
実は入手前からわかっていたことですが、HS105には重大な欠点があります。欠点というより仕様なのですが、この製品では電源のオン・オフしかできません。
たとえば、テレビなどはコンセントを挿し込んで電源を入れただけでは、視聴できないのが普通です。加湿器やヒーターなども同様で、コンセントに挿し込んでから本体の電源をオンにした上で、強弱を調整したりします。電灯などでスイッチが機械式になっている場合には、あらかじめオンにしておけばコンセントに挿し込むだけで使える製品もあります。
筆者の自宅にあった安物の扇風機もダイヤル式のスイッチで、電源のオンと強弱がまとめて設定できるようになっています。こういった製品なら、HS105で便利に利用できるようになるわけです。もちろん、HS105がやっていることはコンセントの抜き挿しと同じになるので、風量の調整などには対応しません。
実際に稼働した。スマホのボタンをタップしただけで扇風機が回っている
タッチセンサー式などボタンを押すタイプのスイッチを搭載している家電は、ほとんどが使えないと思っていいでしょう。ただし電源をオフにするだけなら、どんな家電でも利用できます。エアコンやヒーターなどの消し忘れを防ぐにはもってこいでしょう。アプリの設定をオンにしておけば、外出先からも稼働状況がわかります。
またアプリでは、稼働時間をチェックしたりタイマーをかけたりする設定も可能です。筆者が持っている安物の扇風機も当然タイマーなどは付いていないのですが、HS105を使うことで機能が付加されました。一般的な家電のタイマーとは違って、利用開始・終了時間を曜日ごとに決めることもできるのです。
稼働時間がチェックできる
利用時間が記録できる
電源を入れる時間を指定可能
利用時間を決めて自動的に動かすこともできる
タイマーでオフにすることもできる
AlexaやGoogleアシスタントなどとも連携
HS105は、Amazon AlexaやGoogleアシスタントとの連携に対応しています。
今回は、すでに使っていたスマートスピーカー「Amazon Echo」でコントロールできるように設定してみました。設定は簡単で、Alexaアプリのスマートホームでデバイスを探して、さらにスマートホームスキルを有効にします。これらの手順は、下記記事でも詳しく紹介しています。
Amazon Echo(アマゾンエコー)レビュー:スキル追加で便利に使えるAlexa搭載スマートスピーカー
注意したいのは名称です。HS105の名前はユーザーが自由に設定できますが、声で操作するので発音しやすくしたほうがいいでしょう。初期設定のままの「My Smart Plug Mini」では、なかなか認識してもらえません。
筆者は1つしか使っていないので、「プラグ」という名前を付けました。これで、「アレクサ、プラグをオンにして」と話しかければ電源が入ります。複数台を使っているなら、それぞれ接続している機器の名前にしてもよいでしょう。「アレクサ、扇風機をオンにして」で電源が入ります。
実際に使ってみると、音声のコントロールは非常に便利です。特に寝室などで起き上がったり手を伸ばしたくない時には重宝します。Echo Dotなら5980円ですから、HS105と合わせて購入しても1万円を切ります。
Alexaアプリの「スマートホーム」でプラグを追加する
少し待っているとプラグが追加できる
さらにスキルを追加すれば、利用できるようになる
まとめ
今回試してみて、スマートプラグが快適なことがよくわかりました。しかし上述のように、使える製品が限られるのが残念です。今後は、家電自体にこのような機能が組み込まれていくでしょう。将来はリモコンもなくなり、スマホや音声でコントロールできるようになるはずです。未来の操作性を先取りしてみたい人は、入手してみてはいかがでしょうか。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部