スマホの「通信速度制限」ガイド──残り通信量の確認や解除方法、回避するための対策など【ドコモ・au・ソフトバンク、iPhone・Android対応】

2016-11-21 20:27

スマホの「通信速度制限」ガイド──残り通信量の確認や解除方法、回避するための対策など【ドコモ・au・ソフトバンク、iPhone・Android対応】

ドコモauソフトバンクなどの携帯キャリア各社や格安SIMを提供するMVNO各社では、iPhoneAndroidスマホでデータ通信量の上限を超えて使った場合に、ユーザーに対し通信速度の制限を課しています。この通信制限はいつまで続くのか、なぜ受けてしまったのか、そして制限を回避する工夫や規制を解除する方法などについてまとめました。

通信速度制限とは何か、いつまで続くのか

毎月のデータ通信量には上限がある

iPhoneをはじめスマートフォンでは、契約プランによって利用できる毎月のデータ通信量に上限が決まっています。所定のデータ通信量を超えると、ペナルティとして通信規制がかかり、通信速度が送受信ともに最大128kbpsまでに低下するのです。

LTEの通常の回線速度は公称値で100Mbps程度ですので、128kbpsというのは単純計算で781分の1です。Webページを表示するだけでもかなり待たされることになり、不便を強いられます。

ブラウザだけでなく、通信を利用するアプリすべてが影響を受けてしまい、外出先での使用はほとんど耐えられなくなるといっても過言ではありません。

直近3日間の制限もある

通信速度制限

ソフトバンクの通信速度制限

契約プランによっては、月間のデータ通信量だけでなく、「直近3日間の制限」もあります。auの旧料金プラン「LTEフラット」は直近3日間(当日を除く)のデータ通信量が“6GB”以上、ソフトバンクの旧料金プラン「パケットし放題」も“1GB”以上を超えた時、通信速度が制限される場合があるとしています。

この制限は翌日に解除されるまで続き、即時解除するオプションも用意されていません。ちなみに、ドコモでも以前は同様の通信速度制限がありましたが、現在は撤廃されています。

参考1:au:4G LTE/WiMAX 2+/3G通信の通信速度制限について
参考2:ソフトバンク:通信速度の制御について

VoIPや動画の通信制限

このほかソフトバンクでは、LINEのようなデータ通信で音声通話やビデオ通話などをおこなうVoIP(Voice over Internet Protocol)を利用する通信や、動画・画像の一部などを対象に、通信速度の制御をおこなう場合があるとしています。

通信速度制限はいつまで続く?

通信速度制限は月末まで(ドコモ、au)、もしくは請求月の締め日(ソフトバンク)まで続きます。つまり、ドコモとauは毎月1日(0時)に通信速度制限が順次解除となります(多少、遅れる場合もあるようです)。

ソフトバンクは、下表のようなスケジュールで制限解除されます。請求締め日は「10日」「20日」「末日」のいずれかで、請求書などで確認できます。

締め日 低速化した日 通常速度に戻る日
10日 当月1日~10日 当月11日
当月11日~末日 翌月11日
20日 当月1日~20日 当月21日
当月21日~末日 翌月21日
末日 当月1日~末日 翌月1日

後述しますが、追加のチャージを支払うことで、通信制限を即時解除することも可能です。

通信速度制限を解除するには

データ通信量を追加チャージ

前述のように、1カ月で使えるデータ通信量を超えて通信をおこなうと、通信速度が制限されます。何もしなければ翌月1日(ドコモ、au)または請求締め日の翌日(ソフトバンク)には自動で制限が解除されますが、課金をして通信速度制限を即時解除することもできます。

通信速度制限

通信速度の低下を予告するメールや、速度制限を開始したことを知らせるメールが届いたら(参考:本記事冒頭の画像)、そこに書かれているURLをタップします。追加用のデータ通信量を購入することで、通常の通信速度に戻すことができます。

追加で購入できる通信量の料金は、下記のとおりです。ドコモとソフトバンクは、新料金プランと旧料金プランで購入できる最小単位が異なり、新料金プランのほうが若干安くなっています。

ドコモ:128kbps通信解除/1GB追加オプション

  • 1GB:1000円(データパック、シェアパック[カケホーダイ])
  • 2GB:2500円(Xiパケ・ホーダイ)

申し込み方法などの詳細は、下記の公式ページを参照してください。

128kbps通信解除 | NTTドコモ
1GB追加オプション | NTTドコモ

au:データチャージ

  • 0.5GB:550円
  • 1GB:1000円

申し込み方法などの詳細は、下記の公式ページを参照してください。

データチャージ | au

ソフトバンク:追加データ

  • 1GB:1000円(データ定額パック[スマ放題])
  • 2GB:2500円(それ以外)

申し込み方法などの詳細は、下記の公式ページを参照してください。ソフトバンクでは2015年7月から、料金プランの新旧を問わず、550円で0.5GB追加、1000円で1GB追加できるキャンペーンをおこなっています。なお、キャンペーン終了時期は明示されていません。

所定データ量を超えた場合に通常速度へ戻す方法について確認する | ソフトバンク

自動追加オプションに要注意

通信速度制限

キャリア各社のプランには、月間の通信量を超過したら自動的に追加課金して容量を増やすオプションが用意されています。ドコモでは「スピードモード」、auでは「エクストラオプション」、ソフトバンクでは「快適モード」といった名称です。

通信速度制限を受けないようにすると謳ってはいますが、使えば使ったぶんだけ際限なく料金がかかるため、利用時には注意が必要です。ただし、自動で追加する容量の上限や回数を、あらかじめ設定しておくことが可能なプランもあります。

なぜ通信速度制限を受けたのか:主な原因

では、どのような使い方をしたら、速度が制限されるのでしょうか。

データ通信量は、単純にいえばデータのサイズです。100MBの動画を再生すれば、100MBの通信量を消費することになります。つまり、YouTubeやHuluの動画を長時間閲覧したり、大容量のゲームアプリなどをいくつもダウンロードしたり、サイズの大きなコンテンツを利用すれば、その分だけ通信量が消費されます。

Apple MusicやLINE MUSICなど音楽配信は?

通信速度制限

また、最近はApple MusicやLINE MUSICなど、ストリーミングによる音楽聴き放題サービスが注目を集めています。音楽を聴きながら作業などをしていると、通信量が知らないうちに大きくなることもあるでしょう。

たとえば音質が192kbpsなら、5分間の曲のサイズは約7.2MBです。1GBで聴けるのは約694分となります。7GBのデータ通信容量が設定されている料金プランなら、約81時間。1日当たりに換算すると3時間です。ラジオのような感覚でいろいろな曲を毎日聴いていたら、キャッシュも効かずに所定のデータ通信量を超えてしまうこともあります。

これだけは押さえたい、Apple Musicの使い方──料金比較から基本機能の活用、通信量節約、退会の方法まで

定額制の音楽配信(聴き放題)サービスおすすめ6選──楽曲や音質、料金、オフライン再生、PC版などを比較

YouTubeやHuluなど動画の視聴に気をつけよう

auによれば、1GBに到達するまでにできる操作の目安として、次のように項目をあげています。

項目 1カ月 1日あたりの換算
うたパス 約18時間の再生(5分ほどの楽曲が約200曲分) 約4時間の再生(5分ほどの楽曲が約46曲分)
ビデオパス 約2.5時間の再生 約35分間の再生
Webブラウザ(スマートフォン版Yahooトップページ) 30,366ページ 1,012ページ
メール(300文字程度のテキストメール) 約143万通 約4.7万通
YouTube(YouTubeモバイルの動画) 約58時間 約2時間
地図(スマートフォン版Google Mapsで現在地を表示した後に拡大[東京23区内]) 約9,786回 約326回
音楽(楽曲のダウンロード) 約1,790曲 約60曲

メールの送受信やホームページの閲覧は問題なさそうですが、気を付けたいのはやはり動画でしょう。約58時間というのはモバイル向けに最適化されている動画が基準になっているものの、パソコンとつないでテザリングをおこなった状態で高画質のHD動画を再生すれば、たった2時間程度でおよそ6GBに達してしまいます。

定額制の動画配信(見放題)サービスの比較と選び方

ついつい使いすぎてしまうテザリング

通信速度制限 テザリング

テザリングでは、iPhoneなどのスマホをアクセスポイント(親機)として、PCやタブレット、携帯ゲーム機など様々な外部機器(子機)を無線またはUSBでつなぐことにより、出先などでも子機のインターネット接続を実現できます。便利なテザリングですが、当然スマホの回線(モバイルデータ通信)を利用するため、ついつい使いすぎて、通信速度制限にかかる原因となることも少なくありません。

テザリング利用時に気をつけたい点を、下記の特集にまとめています。参考にしてみてください。

iPhoneでテザリングする設定方法と料金、通信速度制限への注意点【ドコモ・au・ソフトバンク】

当月使った通信量を確認するには

当月に使用したデータ通信量を大まかに測定できるアプリなどは多々ありますが、やはり各キャリアのサポートページ(またはアプリ)で確認するのが最も正確です。日頃の使い方でデータ通信量に不足がないか不安なら、一度見ておいたほうがよいでしょう。

ドコモの場合

通信速度制限 確認 ドコモ

dメニュー」を開き、「お客さまサポート」の項目から[料金・通信量などの確認]と進んで、[ご利用データ通信料確認(当月分)]をタップします。

通信速度制限 確認 ドコモ

ネットワーク暗証番号(4ケタ)を入力してログインすれば、1カ月間の合計通信量が表示されます。

ネットワーク暗証番号を忘れてしまった場合

ネットワーク暗証番号は、入力をミスし続けるとロックがかかり、ドコモショップでロックを解除してもらう必要が出てきます。この点、PCのウェブブラウザからだと、My docomoにdアカウントのID(携帯電話番号)とパスワードでログインできるので、データ通信量確認などの手続きに便利です。

auの場合

通信速度制限 確認 au

auお客さまサポート」を開いて、「今月の通話・通信料 及び データ通信量」のページにau IDでログインします。

LTE通信量合計で、当月の利用データ通信量を確認できます。また[内訳]をタップすれば、前月分のデータ通信量も表示されます。

ソフトバンクの場合

通信速度制限 確認 ソフトバンク

My SoftBank」にログインして確認できます。「メニュー」を開いて、[ご利用のデータ通信量を確認する]をタップします。

通信速度制限 確認 ソフトバンク

[ご利用状況の確認]で、基本データ量や当月の残りデータ量などを確認できます。また「過去3日間の通信量」では、直近3日間の通信量を照会することも可能です。

通信速度制限を回避する効果的な対策

通信速度制限を回避するには、携帯電話の回線を無駄使いしない工夫が必要です。とはいえ、せっかくのスマートフォンですから、便利さを損なわず無理のない対策をしたいところです。そこで、データ通信量を節約するおすすめの方法をまとめました。

Wi-Fiを活用する

一番の基本となるのが、Wi-Fiの活用です。家や会社にいる時はもちろん、外出先でもキャリアが提供しているWi-Fiスポットやカフェ、コンビニなどに用意されているWi-Fiスポットを利用することで、データ通信量を減らすことができます。

Wi-Fiを活用した通信量の節約方法、自宅向けのおすすめルーターの選び方については、下記にまとめていますので参照してください。

スマホで無料Wi-Fiスポットを使い倒す方法、便利アプリの活用術も【カフェ・マクドナルド・コンビニ・駅など】

失敗しない、Wi-Fiルーター(無線LAN親機)の選び方 おすすめ機種も紹介

バックグラウンド通信を制御する

iPhoneの場合

通信速度制限 回避

バックグラウンド通信がオンになっていると、操作していないアプリでもネットワークに接続し、最新情報を取得できます。

「設定」アプリから[一般]→[Appのバックグラウンド更新]を開き、[Appのバックグラウンド更新]の項目をオフにすれば、バックグラウンド更新を一括で無効にでき、データ通信量を節約できます(当然、最新情報をリアルタイム取得できなくなる不便もあります)。

通信速度制限 回避

また「設定」アプリの[モバイルデータ通信]を見れば、データ通信を多く使っているアプリを簡単に調べることができ、個別にモバイル通信のオン/オフを設定可能です。

Androidの場合

通信速度制限 回避

Androidにも、iPhoneのようにバックグラウンドの通信を制御する機能があります。「設定」から[データ使用(量)]の項目へ進み、右上の[…]ボタンのメニューを開きます。

[バックグラウンドデータを制限する]をタップすると、すべてのアプリにおいてモバイル通信を使ってのバックグラウンド通信を禁止できるようになり、これで通信量を節約することが可能です。

通信速度制限 回避

すべてのバックグラウンド通信を止めてしまうと、逆に不便を強いられることも多いため、特定のアプリのみ制限するということもできます。

「設定」から[データ使用(量)]と進んだ画面に各アプリが表示されていますが、いずれかをタップすると「フォアグラウンド」「バックグラウンド」とデータ通信使用量を個別に表示してくれます。

下部の項目[バックグラウンドデータを制限する]の設定から、そのアプリだけ個別にバックグラウンド通信をオン/オフ可能です。

ブラウザのデータ圧縮機能を使う

Safariなどの標準ブラウザから、「Chrome」や「Opera」などのデータ圧縮機能を搭載するブラウザに乗り換えることで、データ通信量を節約することもできます。

たとえばChromeでは、閲覧しているWebページ(HTTPSで通信している場合を除く)のデータ通信量を最大50%まで削減できます。プロキシを利用して圧縮したデータを表示する仕組みですが、Webサイトを頻繁に見るなら検討すべきアプリです。

通信速度制限 回避

Chromeのメニューから[設定]を選択して、iOS版では[帯域幅]→[データセーバー]、Android版では[データーセーバー]をタップします。スイッチをオンにすると、ブラウジング時の通信容量を圧縮するデータセーバーが有効になります。

データ通信圧縮アプリ「Opera Max」も有用

Android向けアプリ「Opera Max」は、起動しておくだけでデータ通信を最大50%まで圧縮できます。

通信速度制限 回避

機能はChromeと似ていますが、Webページだけでなく、ゲームや動画などアプリを限定せずに通信量を削減できるのが最大の特長。圧縮レベルもマニュアルで調整でき、少ないデータ容量でやりくりしたいユーザーには必携です。

アプリ「Opera Max」をダウンロード
Opera Max

音楽ストリーミングには「オフライン再生」も

通信速度制限 回避 オフライン再生

Apple MusicやLINE MUSIC、AWAなど、日本でも定額制の音楽ストリーミングサービスが本格的に普及してきています。聴き放題で楽しめる一方、ストリーミングだけに通信量がかさむのが悩みの種です。

そこで活用したいのが「オフライン再生」機能。聴きたい楽曲を選択し、あらかじめWi-Fi通信環境下などで各種サービスからキャッシュデータをスマホにダウンロードしておくことで、ネットワークに依存しない形で音楽を聴くことができます。

詳しくは下記の特集を参照してください。

iPhoneの「Wi-Fiアシスト」をオフにする

通信速度制限 Wi-Fiアシスト iOS

iOSでデフォルトでオンになっている「Wi-Fiアシスト」とは、Wi-Fiの接続状況が悪い時(電波が微弱な場合など)に、自動的にモバイルデータ通信に切り替わる機能です。

モバイルデータの通信量を気にしなくてよいプランに加入しているなら、通信がスムーズに維持できて便利な機能といえますが、知らないうちにモバイルデータを消費してしまう可能性もあります。なるべく通信量を節約したい格安SIMなどでiPhoneを運用している、あるいは月末で通信量がピンチといった場合、設定はオフにしておくほうが賢明です。

「設定」アプリから[モバイルデータ通信]→[Wi-Fiアシスト]の項目をオフにすることで、勝手にWi-Fiからモバイルデータ通信に切り替わることはなくなります。