熱血社長のものづくり愛と町工場ドリーム──ドラマ『下町ロケット』

2018-05-19 10:23
記事タイトルとURLをコピーする

熱血社長のものづくり愛と町工場ドリーム──ドラマ『下町ロケット』

「この佃製作所には世界に通用する技術力がある。いい年したおっさんが夢見て何が悪い。町工場が夢見て何が悪いんだ!」

純粋にいいものを作りたいと思う気持ちは、その思いの純度が高まれば高まるほど、他と確実な違いを生んでいく。日本の経済と産業の基盤である400万を超える中小企業にも、それぞれの小さな仕事にも、同じことが言えるのかもしれません。

ドラマ『下町ロケット』は、下町のつぶれかけた小さな町工場が、ロケットエンジン部品の技術開発力を武器に大企業と互角に勝負し、ロケット打ち上げに夢と誇りをかけた不屈の物語です。

第145回直木三十五賞受賞、池井戸潤の同名小説が原作。主演の阿部寛をはじめ、杉良太郎、吉川晃司、真矢ミキ、安田顕、土屋太鳳、竹内涼真など、幅広い年齢層の実力派俳優がずらりと並ぶ豪華なキャスティングも話題を呼び、2015年度放送の民放ドラマで最も高い平均視聴率を獲得しました。

「どんな難問にも必ず答えはある」。資金繰り、取引先の離反、リストラ、訴訟、社内の人間関係、そして家族との絆。無数の問題を抱え、それでも絶対に夢を諦めない男たちの熱い戦いは、胸の高鳴りと涙なしには観られません。

動画配信サービスParavi(パラビ)では、『下町ロケット』の全話が見放題です(2018年8月1日時点)。

次々と立ちはだかる難問に、航平の夢と町工場のプライドが挑む熱いストーリー

下町ロケット 動画配信 パラビ

佃航平(阿部寛)は、宇宙科学開発機構の元研究員。ロケット打ち上げ失敗の責任をとり、父の家業を継いで「佃製作所」社長の道を選んでからはや7年。東京大田区で細々と精密機器の製造を営んでいたこの会社も、航平が社長になってからはロケットエンジンや周辺デバイスの製品開発に注力するようになりました。

ただ、実用的なエンジン開発を行っていないことから、直接的な利益に結びつかず売り上げは低迷気味。その矢先、ライバルであるナカシマ工業から90億円もの賠償金をめぐる特許侵害訴訟を起こされます。謂れのない訴訟でありながら、顧問弁護士は知的財産権関連の裁判については素人。

しかも、ナカシマ工業の本当の狙いは、勝訴ではなく佃製作所の技術。適当な訴訟を長引かせて資金力を奪い、買収の和解案を提示してナカシマ工業の傘下に入れることで、佃の高い技術力や特許を吸い上げようとしていたのです。

訴訟に打ち勝つだけの膨大な資金を調達するか、買収に応じるか、それとも倒産か。八方ふさがりの状況に戸惑う航平と社員たち。彼らを救ったのは、航平の別れた妻・沙耶(真矢ミキ)が紹介してくれた敏腕弁護士・神谷修一(恵俊彰)でした。

「まだ、一つだけ手がないわけではありません。うまくいったら、短期間のうちにナカシマを完膚なきまでに叩き潰すことができる」。果たしてその方法とは何なのか。

下町ロケット 動画配信 パラビ

他方、日本を代表する大企業・帝国重工では、純国産ロケット開発「スターダスト計画」が佳境を迎えていました。ロケット開発の要であるバルブシステムが苦戦の末ようやく完成するも、その特許が聞いたこともない名前の町工場・佃製作所にある事実を発見。バルブシステムの製品特許を取得するべく、計画を先導する宇宙航空部部長・財前道生(吉川晃司)が起こした行動とは……。

職人の格好良さを見事に表現。適役キャスト陣に注目

下町ロケット 動画配信 パラビ

「たとえこの裁判に負けたとしても、ナカシマに特許を奪われたとしても、屁でもありません。培ってきた技術力だけは決して奪われない。正義は我にありだ」

ナカシマ工業との訴訟で証人尋問に立つことになった航平が、裁判官を前に目を赤くし堂々と本音をぶつけるシーンは圧巻。思わず拍手です。

肝心な場面以外でも、反抗期の娘の前で親としての威厳を保てずたじろいでしまうところや、困った時は毎回ボーリング場に駆け込んでしまうところなど、シリアスなのにどこかユーモラスな佇まいは、阿部寛にしか表現できない、航平の親しみやすい人柄を感じます。

そして、時に反発しつつも社長の思いに寄り添う佃製作所の面々は最高のバイプレイヤー。根っからの研究者で航平と共に数々の苦難を乗り越えてきた技術開発部長・山崎(安田顕)が、逆境に打ちひしがれる航平と、「しょっぱいっすね」と泣きながら大福を食べるシーンにもじんっときてしまいます。

心を揺さぶられる数多くのエピソードの中でも、大企業が巨額を投じた最新マシンで作った部品より、熟練された技術者が手作業で仕上げた部品の完成度のほうが高く、ものづくりとはそういうものだ、と納得させられるシーンがもしかしたら一番感動できるかもしれません。

旨味のない弱者を切り捨てる銀行の冷酷さ、大企業という特殊な組織の方針をたった一人の思いが動かす可能性、そして家族の意義など、佃製作所と航平が歩む道のりは社会の光と影を鏡のように見せてくれます。

なぜそこで働くのか。そこじゃなければ、あるいはそれじゃなければならない理由は何なのか。「生きるために働く」の本当の意味とは。観る人に熱く問いかける、壮大な社会派エンターテインメントです。

おすすめの動画配信サービスの比較と選び方