孤独な復讐鬼の壮絶リベンジ──ドラマ『モンテ・クリスト伯~華麗なる復讐~』

2018-06-09 11:50
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孤独な復讐鬼の壮絶リベンジ──ドラマ『モンテ・クリスト伯~華麗なる復讐~』

「人間とは自分の運命を支配する自由な者のことである」。劇中で主人公が呟くマルクスの格言も、この物語にあっては背中に寒いものが走ります。

ドラマ『モンテ・クリスト伯~華麗なる復讐~』は、冤罪によって有望な将来や婚約者、自分自身のすべてを奪われた主人公が、自分を罠に嵌めた男たちに「本当の不幸」をもたらしていく壮絶な復讐劇。

原作は、日本でかねてから『巌窟王』の名で知られているアレクサンドル・デュマ・ペールの同名小説。国内外を問わず映画などで数多く実写化されてきた名作が、今回は現代日本を舞台にした大胆なリメイクで生まれ変わります。

主演の柴門暖を演じるのはディーン・フジオカ。明るく快活な海の男が白髪・髭面のおぞましい囚人に変わり、最終的に狂気を秘めた上品な紳士へ。話し方、立ち振る舞い、まとっている空気のすべてを、同一人物が演じているとは思えない豹変ぶりには目を見張ります。

登場人物達のもつ心の闇の深さ、暖が描く復讐の筋書きにゾクゾクする、ラストの展開に救いを見出したい作品です。

地獄を味わった主人公が次々と人々の運命を狂わせる、鮮やかな復讐劇

柴門暖は婚約者のすみれ(山本美月)と海をこよなく愛する若き漁師。しかし、結婚を目前に控えたある日、暖が乗る『海進丸』が遭難して音信不通に。すみれと共に、仲間の先輩漁師・神楽清(新井浩文)や地元の親友・南条幸男(大倉忠義)らも不安な日々を過ごします。

捜索費もかさみ、さらには船長のバラジがテロ組織『ククメット』のメンバーであるとの噂も浮上。不穏な空気の中、『海進丸』が2週間ぶりに姿を現します。

喜びの声を上げ港で抱擁するすみれと暖。大けがを負ったものの、命に別条のない暖でしたが、船長のバラジは漂流中に死亡。帰港先ではバラジの身元を調べる刑事・入間公平(高橋克典)の姿がありました。

死ぬ前にバラジから一通の手紙を預かっていた暖。匿名の電話からその事実を知った入間は、騒動が落ち着いて一躍時の人となった暖の元を訪ねます。実はその手紙は『ククメット』からのもの。しかも、日本の有名な金融ファンド宛てに500万ドルを超える資金援助を依頼する内容でした。

「テロ資金提供処罰法違反の容疑で逮捕する」。自身の結婚式の真っ最中になぜか警察に強制連行されてしまう暖。訳も分からず連れてこられたのは、ラデル共和国の刑務所でした。耐え難い暴行や水責めの末、「日本政府のかませ犬!ここがお前の墓場だ!」と地下牢に閉じ込められたのが2003年。それから時を経た2017年、白髪を振り乱した臭気漂う一人の男が、煮えたぎる怒りを携え、真相を求めて海から這い上がります…

冷酷な頭脳戦。真海は赦しを与えられるのか

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人名や起こった出来事など、原作を忠実にもじって現代の日本に当てはめたストーリー。独房で一人生きる希望を失いかけていた暖は、脱獄を試みる賢人・ファリア真海(田中泯)と出会い、彼の隠し財産を相続して数千億という巨万の富を手にします。その後、投資家として見事成功した暖は、その名を『モンテ・クリスト・真海』に。

真海が自分を嵌めた神楽、南条、入間の前に14年ぶりに姿を現すシーンでは、「いくらなんでもみんな気付くだろう」と思ってしまいますが、誰の記憶にも残っていない設定はあまりにも悲し過ぎます。そして、狂人と化してもとにかくセクシーな紳士役が様になるのは、やはりディーン・フジオカならでは。

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真の復讐は死にあらず。「本当の不幸ってなんだか知ってるか? 壊すんだよ。大切なものを。すべて」。神楽の妻・留美(稲森いずみ)と、過去に留美と入間との間に生まれた息子をそうとは知らせずに恋愛関係にさせてしまうなど、徹底した身辺調査の末に仕組んだエグい復讐計画は、次々と私たちの想像を超えてきます。

暖と永遠の愛を誓いながら、彼の復讐の的となる元親友・南条と結婚したすみれ。彼女に真海が伝えたい本当の言葉とは。彼とすみれとの間に赦しはあるのでしょうか。

単純な復讐バイオレンスとは一味違う、まさに「華麗なる」真海の生き方に注目です。

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