ないものだらけの素人主婦が挑むハードな政治の世界、ドラマ『民衆の敵』

2017-12-23 9:24

ないものだらけの素人主婦が挑むハードな政治の世界、ドラマ『民衆の敵』

みんなヒーローを待っているけれど、自分がヒーローになればいい。40歳代、高校中退、資格なし、仕事はクビになり旦那も無職。崖っぷちに立った母親が導き出した結論は、実は特別なことではないのかもしれません。

人に幸せにしてもらうのを待つのは楽だし、何かと人のせいにできて便利です。でも自分が動けば、誰かが決めた幸せではなくて、自分が思う本当の幸せが手に入るかもしれない。大切な人をもっと笑顔にできるかもしれない。下を見て自分のほうがマシだと感じる虚しい幸福感から抜け出すには、誰しも自分なりの大改革が必要です。

ドラマ『民衆の敵』は、息子に本物のステーキを食べさせてやりたい一心で市議会議員に立候補した主婦が立ち向かう、リアルな市政の現場を描いた痛快エンターテイメントです。あおば市議会議員を目指す主人公・佐藤智子を演じるのは、意外にも月9ドラマ初主演の篠原涼子。かっこいいのにどこか隙がある、粋でチャーミングな女性の魅力をここでもたっぷり見せつけてくれます。

夫と同時に仕事をクビになり、無職になった夫婦が 「市議会議員の当選確率80%超、年収950万円」の情報を手に入れ、全財産の50万円をつぎ込んでママ友たちと必死に選挙活動に駆けずり回るシーンは、観ている側も手に汗握ります。動機が不純過ぎるのに無条件で応援したくなるのは、主人公が家族の為に無我夢中で幸せになろうとしているから。

「あなたにみんな期待してるのよ!」というママ友に、「私、950万が欲しくて立候補したんだよね」と正直に謝る智子。実際の議員から絶対に聞くことのないセリフだな、と思いながらもどこかスッキリします。

「幸せなふりはやめて、本当の本当に幸せになりましょうよ!!」。無所属・新人、佐藤候補の戦いは始まったばかり。自分の人生のゴングも鳴ったような気持ちにさせてくれる、応援歌のような物語です。

直球勝負の智子がとにかく小気味いい!体当たりの市政ストーリー

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優しい夫・公平(田中圭)と、保育園に通う愛息子・駿平(鳥越壮真)の3人で仲睦まじく暮らすパート主婦・佐藤智子。両親の愛に恵まれることなく、高校も中退していた智子は、普通の家族の幸せを手に入れることはできましたが、経済的には不安定な日々。ある日、追い討ちをかけるように、夫婦揃って同時に職を失ってしまいます。

焦る智子の目に飛び込んできたのは、市議会議員の汚職報道。そこで議員の高額な年収と、意外と高い当選確率を知った智子は、なんとその場で市議会議員への立候補を決意します。

選挙に行ったこともない、無知の智子を支えるのは主夫となった公平と、実は元キャリアウーマンだったママ友たち。

そして、最有力派閥に属する嘘まみれの現職議員、政治家一家の御曹司、愛嬌たっぷりで世渡り上手なアイドル候補等々、それぞれ戦い方を熟知している候補者達の中で、何もない智子の頼みの綱は子育て世代の支持者層。

「時給950円の幸せも知らない奴らが、市民の幸せ語るな!」と敵陣に邪魔されながらも、相手の土俵でマイクを握り、自分の演説を繰り広げる智子の度胸と訴える力に、ママ達からは共感の拍手が起こります。

さて、気になる開票結果は。報酬目的の素人ママの目を通して見る市政は、私たちに何を教えてくれるのでしょう。

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智子のブレインとなって支えるママ友で元記者の和美(石田ゆり子)のアドバイスは毎回的確で安心させてくれます。さらに、危なっかしくも真っ直ぐな智子に動物観察的な興味を抱く新人議員の藤堂誠(高橋一生)や、家事・育児、さらには人の子の面倒まで完璧にこなす優秀な主夫と化した公平など、智子を支える家族や友人達とのやり取りは思わずクスッと笑えるシーンばかり。新人議員の小出未亜(前田敦子)による議員活動の一言解説は、わかりやすくて為になります。

未だかつてないほどラフな政治エンタメ。自分が住んでいる町の議員さんのバックグラウンドも気になってきます。市政への関心と自分の未来を変える大きな決断への勇気を呼び起こしてくれる、世代を問わずオススメできる斬新な一作です。

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