Appleアカウントの支払い方法や配送先などの情報は、「設定」アプリの「支払いと配送先」画面で設定できます。しかし「支払いと配送先」の設定は、そもそも「設定」アプリのどこにあるのかわからない、支払先や配送先の情報を編集できない、などと迷いやすい機能です。
本記事では、「支払いと配送先」設定を編集する際によくある疑問点に回答。支払い方法の優先順位を設定する方法や、「支払いと配送先」内でエラーが起きてしまった場合の対処法も紹介します。
「支払いと配送先」を編集できないのはなぜ?
「購入アイテムの共有」が表示されていて、「支払いと配送先」の編集ができないケース
「要確認」が表示されていて、「支払いと配送先」の編集ができないケース
「支払いと配送先」画面の「お支払い方法」欄が[購入アイテムの共有 オン]または赤字で「要確認」と表示されている場合があります。画面右上の[編集]がタップできないほか、本来あるはずの[お支払い方法を追加]や[チャージ]が表示されていません。
このように「支払いと配送先」画面を編集できない場合、あなたが「ファミリー共有」に参加していて、かつ、ファミリー共有の管理者が「購入アイテムを共有」オプションを有効にしていると考えられます。
Appleの「ファミリー共有」機能は、Apple Musicなどのサブスクをファミリープランで楽しんだり、ペアレンタルコントロール機能を使ったりするための機能です。ファミリー共有には6人まで(1人の「管理者」+5人)のメンバーが参加できます。自分で設定していなくても、スマホを利用し始める前などに保護者側で設定されている可能性があります。
ファミリー共有の設定のひとつである「購入アイテムを共有」オプションが管理者側で有効化されていると、家族のApp Storeでの支払いがすべて管理者に請求される仕組みになっています。たとえば、あなたの親が管理者の場合、ファミリー共有メンバー(あなた)がApp Storeで購入した有料アプリの代金は、親のアカウントに追加されているクレジットカードなどによって支払われます。言い換えると、ファミリー共有メンバー自身は代金を支払う必要がないということです。そのためファミリー共有メンバー側で自ら支払い方法を設定したり、変更したりする必要もありません。このような事情で、ファミリー共有メンバーは「支払いと配送先」を編集できない仕様になっているというわけです。
[ファミリー]をタップ
自分のアカウントを選択
[ファミリー共有の使用を停止]をタップ
あなたが成人しているならば、自分でファミリー共有から抜けられます。まずは「設定」アプリを開き、[ファミリー]をタップします。次に自分のアカウント部分を選択してください。最後に[ファミリー共有の使用を停止]を押せば完了です。設定してから「支払いと配送先」画面に反映されるまでは、少し時間がかかります。筆者の端末でも数分間設定が反映されない状況でしたが、端末の再起動を試すと無事に反映されました。
なおファミリー共有から抜けると、ほかの家族が購入したアプリ内アイテム(Apple MusicやiCloudのファミリープランなど)にあなたはアクセスできなくなるので注意しましょう。アプリ内アイテムを利用したまま「購入アイテムを共有」だけを無効にしたい場合は、管理者側の端末を操作してもらうしかありません。
未成年者のアカウントでは[ファミリー共有の使用を停止]がタップできなくなっている
あなたが未成年ならば、自分ではファミリー共有から抜けられません。上記の通りに進んでも、[ファミリー共有の使用を停止]はタップできない状態になっているはずです。この場合は管理者に直接相談するしかありません。
支払い方法を「なし」にできない(削除できない)のはなぜ?
支払い方法が削除できない
支払い方法をすべて削除しようとすると、「削除できません」と表示されることがあります。この場合に多い原因として、何らかのサブスクリプションに加入していたり、ファミリー共有に参加していたりすることが考えられます。
支払い方法を「なし」にできない(削除できない)場合、以下のケースに当てはまっていないか確認してください。
- サブスクリプションに加入している
- 未払い残高がある
- iTunes StoreまたはApp Storeを初めて利用する
- 「国または地域」を変更した
- ファミリー共有に参加している
上記の理由に当てはまっていても、支払い方法が1つでもあれば問題はありません。つまり新しい支払い方法を登録してからであれば、古い支払い方法を削除できます。支払い方法の変更をしたいのではなく、支払い方法を「なし」にしたいのであれば、サブスクリプションの解約やファミリー共有の解除などの対処が必要です。
支払い方法にキャリア決済を追加できない(エラーになる)のはなぜ?
認証エラー
コードを送信できません
支払い方法にキャリア決済を追加できずエラーになる場合に考えられるのは一時的なエラーが発生しているか、またはキャリア決済の利用ができない回線を契約しているケースです。
「認証エラー」という画面が表示されたら、少し時間をおいて再度試してみるか、端末を再起動してみてください。それでも解決しなければ、Appleに問い合わせてみましょう。
キャリア決済に登録できるのは、以下のサービスを契約している場合のみです。
- NTTドコモ/ahamo
- au/povo2.0/LINEMO
- ソフトバンク/UQモバイル/ワイモバイル
楽天モバイルや格安SIMを契約している場合はキャリア決済を追加できません。
筆者が楽天モバイルを契約しているiPhoneでキャリア決済の登録を試してみたところ、「コードを送信できません」というエラーメッセージが表示されました。楽天モバイルにもキャリア決済サービスはありますが、Androidにしか対応していないためにiPhoneでは使えないのです。
複数の支払い方法が登録されているときの優先順位は変えられる?
上から順番に支払いの優先順位がつく
[編集]から優先順位を変更できる
複数の支払い方法が登録されているときは、設定アプリの「支払いと配送先」画面を編集すれば優先順位を変更できます。
Appleアカウントに支払い方法を複数登録している場合、「支払いと配送先」画面の上に表示されているものから優先して利用されます。このときAppleギフトカードでチャージした残高とApple Payでの支払いは、必ず優先される仕組みです。
Appleギフトカード・Apple Pay以外の支払い方法は、自分で優先順位をつけられます。「支払いと配送先」画面の右上にある[編集]ボタンを押して、優先して使いたい支払い方法を上に移動してください。
Apple Payでは決済時に支払い方法を選べる
基本的に、購入画面で支払い方法を選択することはできません。しかし「Apple Pay」を最優先に設定しておけば、Apple Payに登録されているクレジットカードなどから支払い方法を選択できます。購入画面で毎回決済方法を選択したいという人は、ぜひApple Payを活用しましょう。ただしApple PayでApp Storeの決済をする際は、SuicaやPASMOといった交通系マネーが使えないことに注意が必要です。
Appleアカウントの支払い方法を追加・変更・削除する方法
iPhoneで「支払いと配送先」にアクセスし、Apple IDの支払い方法や配送先などの情報を追加・変更・削除する基本的な操作手順を紹介します。
自分のアカウントの部分をタップ
[お支払いと配送先]を選択
まずは「設定」アプリを開き、画面上部に表示された自分の名前部分をタップ。[お支払いと配送先]を選択し、Face ID(またはTouch ID、Apple IDのパスワード入力)による認証をおこないます。
「支払いと配送先」画面が表示される
支払い方法がひとつも設定されていない場合は「お支払い方法を追加」が表示される
これで「支払いと配送先」の画面を表示できました。支払い方法がひとつも設定されていない場合は「お支払い方法を追加」が表示されるため、その場で支払い方法を追加できます。
「支払いと配送先」までアクセスできたら、おこないたい操作にあわせて以下の手順に従ってください。
既存の支払い方法からどれを優先するか設定したい場合の操作手順は前述しています。
「App Store」アプリでもApple IDの支払い情報を変更・削除できます。
アカウントのアイコンをタップ
アカウントをタップ
[お支払い方法を管理]をタップ
画面右上のアカウントアイコンをタップし、画面上部にある自分の名前部分を選択。[お支払い方法を管理]をタップしてください。
あとは設定アプリで支払い情報を変更・削除する方法と同様の操作手順です。
ケース1:支払い方法を追加したい
[お支払い方法を追加]をタップ
追加する支払い方法を選択し、必須事項を入力する(スマホ決済の場合は認証する)
「設定」アプリ→[Appleアカウント]→[お支払いと配送先]の画面で、[お支払い方法を追加]をタップします。追加する支払い方法を選択し、画面に従って必須事項の入力またはアプリ認証をおこなってください。
支払い方法別の詳しい操作手順は、以下の記事で紹介しています。
ケース2:既存の支払い方法を削除したい
削除する支払い方法を選択
[お支払い方法を削除]をタップ
登録された支払い方法を削除するには、「設定」アプリ→[Appleアカウント]→[お支払いと配送先]の画面にある「お支払い方法」から削除したいものを選択。[お支払い方法を削除]をタップすると確認メッセージが表示されるので、もう一度[削除]をタップすれば削除完了です。
基本的にどの支払い方法を選んでも同じ手順で削除できますが、Appleギフトカードからチャージした残高で支払う方法は削除できず、強制的に最優先の支払い方法になります。
ケース3:既存の支払い方法の情報を変更したい
変更する支払い方法を選択
右上の[編集]をタップ
請求先情報などが編集できる
請求先の氏名・住所や電話番号を変更する場合は、まず「設定」アプリ→[Appleアカウント]→[お支払いと配送先]の画面で支払い方法を選択しましょう。次に支払い方法の画面で右上の[編集]をタップします。該当する箇所をタップして情報を選択または入力し、新しい情報に修正してください。入力が終わったら、画面右上の[✓]をタップして完了です。すべての支払い方法で同じように情報を変更できます。
クレジットカード情報の編集では、請求先情報に加えて有効期限も変更できます。カード番号は変更できないため、カード番号を更新する際は一度クレジットカード情報を削除してから登録し直すしかありません。またクレジットカードの情報を変更するときは、セキュリティコードの入力が求められます。手元にクレジットカードを用意したうえで変更をおこなうとスムーズに実行できます。
請求先の氏名・住所・電話番号の変更が終わると、登録したメールアドレスに「Apple Accountの情報が更新されました」という件名のメールが届きます。
[他のPayPayアカウントを使用]というボタンがある
「支払いと配送先」画面でPayPayの登録情報を選ぶと、[他のPayPayアカウントを使用]というボタンが表示されます。しかし、このボタンをタップすると自動で「PayPay」アプリに遷移してしまうため、連携するアカウントをその場で選択できません。
Appleアカウントの決済方法として利用するPayPayアカウントを変更したい場合は、あらかじめ「PayPay」アプリで元のアカウントからログアウトし、利用したいアカウントにログインする操作をおこなってから、「設定」アプリで支払い方法の変更をしましょう。
PayPayアカウントのログアウトは、「PayPay」アプリの[アカウント]タブで[詳細]をタップし、ページの下部にある[ログアウト]をタップすることで可能です。