SIMフリーの高性能モデル「HUAWEI P20」レビュー、P20 ProやZenFone 5との比較も

2018-07-16 11:15
記事タイトルとURLをコピーする

「HUAWEI P20」レビュー、カメラに優れるSIMフリーの高性能モデル

HUAWEI(ファーウェイ)の中核となるモデル、Pシリーズが3機種発売されています。手ごろな価格の「HUAWEI P20 lite」と最上位モデル「HUAWEI P20 Pro」はすでにレビューを掲載していますが、今回はその中間のモデル「HUAWEI P20」について詳しく検証します。

P20はSIMフリーで提供されており、価格は6万円台半ば。SIMフリースマホの中では上位機種という位置づけです。P20 Proにトリプルカメラというわかりやすい特徴があり、P20はやや影に隠れている印象もあります。しかし、SIMフリーの上位機を狙っているユーザーなら最有力候補の1台といえるでしょう。

どれを選ぶ? 最新SIMフリースマホ、おすすめベスト5機種

5.8インチは頃合いのサイズ

P20とP20 Proではカメラなどが違うだけでなく、位置づけも異なります。P20 Proは6.1インチディスプレイを搭載する大画面モデルです。対して、P20は5.8インチディスプレイで、一回りコンパクトです。

HUAWEI P20 レビュー

HUAWEI P20はSIMフリーモデルの上位機だ

さすがに同じシリーズなだけに、写真で見てもサイズの差がわかりづらくなっています。iPhoneにPlusシリーズがあるのと同じように、そもそもの大きさが違うことを把握しておきましょう。ただし、サイズの差はiPhoneシリーズほどはありません。実物を並べると多少違いますが、そもそもディスプレイのサイズでも0.3インチの差しかないのです。

P20 P20 Pro ZenFone 5
サイズ 70.8×149.1×7.65ミリ 74×155×7.9ミリ 75.6×153×7.7ミリ
ディスプレイ 5.8インチ 6.1インチ 6.2インチ

価格帯が近いのでライバルとも考えられるSIMフリーの「ZenFone 5」も一緒に並べてみました。こちらは6.2インチと、サイズ的にはP20 Proと近くなります。

HUAWEI P20 レビュー

左からP20 Pro、P20、ZenFone 5。3モデルのサイズの差は意外に少なく、ZenFone 5は額縁が極めて細いことがわかる

ガラス製の高級ボディ、3色がラインナップ

今回はブラックのモデルをレビューしていますが、カラーは他にもミッドナイトブルーとピンクゴールドが用意されます。P20 Proは男性のガジェット好きな男性ユーザーを意識しているのでしょう、ブラックとミッドナイトブルーしか用意されていません。一方でP20は、女性にも似合うピンクゴールドが手に入ることで、位置づけの違いがよくわかります。

HUAWEI P20 レビュー

背面はガラスで高級感がある

本体の背面はガラス製で、質感は非常に高く、持っていて嬉しくなります。ただし、P20 Proはガラスパネルが直接金属のフレームに取りつけられていたのに対し、P20は細いバンドが取り巻いています。細かく見ると、P20のほうがより高級な造りであることがわかります。

HUAWEI P20 レビュー

ガラスとフレームの間に細いバンドがあるのがP20との違いだ

ディスプレイは最近流行のワイドタイプで、2.5Dガラスを採用しています。このあたりは、3万円クラスのスマホでも採用されており、もはや当然と言えるでしょう。インカメラのノッチが気になる人は、設定で隠すこともできます。しかし、せっかくの広い画面を無駄にするのももったいないので、そのまま使うのがおすすめです。

HUAWEI P20 レビュー

液晶のガラスは2.5Dで、縁(フチ)がアールを描いている

HUAWEI P20 レビュー

設定でノッチを隠せるが、そのまま使うのがおすすめ

イヤホン端子がないことに注意

P20は最新モデルらしく、構成にかなりの割り切りが見られます。

賛否が分かれそうなのが、イヤホン端子を搭載しないことです。イヤホンを使うなら、ワイヤレスにするかUSB-C接続のタイプもしくはアダプターを利用するしかありません。充電しながら音楽を聴こうと思ったら、ワイヤレスを使うしかないのです。ケーブル接続の高級イヤホンが手元にあるユーザーは注意が必要です。

また、nanoSIMを2枚セットできますが、microSDカードは利用できません。内蔵ストレージは128GBなので当面は不自由しないとは思いますが、ビデオをたくさん撮ったり、映画をダウンロード視聴したい人は足りなくなるかもしれません。これら2点は、最近の上位モデルが割り切るケースが増えています。

HUAWEI P20 レビュー

USB-C接続のイヤホンとアダプターが付属する

HUAWEI P20 レビュー

nanoSIMを2枚セット可能だが、microSDカードは使えない

HUAWEI P20 レビュー

指紋センサーを本体前面下端に搭載する

生体認証は指紋と顔認証に対応しています。顔認証はとても高速ですが、iPhone Xほどの精度はなく、サングラスを掛けていると認証できないことがあります。指紋と両方を使えば不自由することはまずないでしょう。

対応バンドは次のようになっています。

  • FDD LTE: B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 12 / 17 / 18 / 19 / 20 / 26 / 28 / 32
  • TDD LTE: B34 / 38 / 39 / 40 / 41
  • キャリアアグリゲーション対応
  • WCDMA: B1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19
  • TD-SCDMA: B34 / 39
  • GSM: 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz

HUAWEI P20 レビュー

ソフトケースが標準で付属している

ディスプレイは有機ELでなく液晶を採用

価格は6万円台ということを考えると、やや残念なのがディスプレイに液晶を採用していることです。

この価格帯では、OPPO R11sが有機ELを採用しています。また9〜10万円クラスのスマホは、ほとんどが有機ELです。とはいえ、P20の液晶はとても明るく美しいので、正面から見ると有機ELにも引けをとりません。ZenFone 5の液晶もかなり明るく美しいので、いい勝負です。

斜めから見た時には、有機ELとの差が明確になります。また夏場の屋外などでは、最高輝度で使い続けるケースも少なくないでしょう。そんな時にはバッテリーの減りが気になります。一般的に、有機ELは液晶よりもバッテリー消費量が抑えられるのです。

HUAWEI P20 レビュー

左からP20 Pro、P20、ZenFone 5。正面から見ると、さほど差がなくどれも美しい

HUAWEI P20 レビュー

左からP20 Pro、P20、ZenFone 5。ところが斜めから見ると、P20が一段明るいことがわかる

バッテリーは3400mAhと、このクラスとしては十分な容量です。急速充電にも対応しますが、HUAWEI SuperChargeと呼ばれる独自規格なので、対応するモバイルバッテリーやACアダプターが多くありません。

ただし、PowerDelivery(PD)対応の充電器でテストしたところ、9V、0.8〜1.6A程度で充電ができました。公式には対応を謳っていませんが、PDでも急速充電ができそうです。ただし、あくまでも自己責任で利用してください。また、ワイヤレス充電に対応しないのも欠点です。

スマホの「急速充電」とは、対応充電器・ケーブル等の選び方とおすすめ製品

AIを搭載した自社製CPU「HUAWEI Kirin 970 オクタコアCPU(4×2.36GHz A73+4×1.8GHz A53))+i7コプロセッサ」の性能は文句なしで、ベンチマークの値も優秀です。ベンチマークのスコアはP20 Proとほとんど変わりませんが、P20 Proでは6GBのメモリが、P20は4GBになります。また、バッテリー消費量を抑えるのも特徴の一つです。

HUAWEI P20 レビュー

性能は文句なし。10万円クラスのモデルにも匹敵する

カメラはズームをしなければ大満足

P20はライカブランドのデュアルカメラを搭載しています。HUAWEI P9から続くこのカメラは、非常に美しく撮れます。今回はiPhone X、ZenFone 5とも比べてみました。また、上位モデルでもあるP20 Proとも比較しています。

普通に撮るなら、P20でも大満足だと断言できます。iPhone XやZenFone 5とは同等、もしくは上回る美しさで撮影できます。逆に、あまりカメラにこだわらない人なら、どれでもよいと感じるでしょう。あえて比較しなければ、どのカメラも満足できます。

ただし夜景を撮ると、P20とP20 Proがとても美しく、またズームはP20 Proの画質が粗くならない5倍ズームにはかないません。P20 Proは最高4000万画素で撮影可能なため、普通にスナップ写真を撮っても拡大すると随分と差があります。やはりカメラ機能はP20 Proが最強ですが、P20も文句なしです。iPhone X、ZenFone 5を確実に凌駕しています。

P20とP20 ProのAIはなかなか素晴らしく、花や草木、砂浜などを認識して自動で色合いなどを調整します。ちょっとやり過ぎの感もありますが、わかりやすい美しさで撮れます。絵が気に入らなければタップするだけでオフにできるので、どんどん活用したいところです。

AIによる撮影

HUAWEI P20 レビュー

AIで草木を認識した

HUAWEI P20 レビュー HUAWEI P20 レビュー

左:草木のAIをオンにして撮影。緑がやや過剰なほど美しい右:AIをオフにした。こちらも解像度が高く自然な美しさだ

通常の撮影

HUAWEI P20 レビュー

P20で撮影

HUAWEI P20 レビュー

iPhone Xで撮影

HUAWEI P20 レビュー

P20 Proで撮影

HUAWEI P20 レビュー

ZenFone 5で撮影

曇りの日の朝に撮影したので全体にやや暗くなりましたが、どれもスナップ写真には十分でしょう。iPhone Xの写真がやや暗く感じます。またZenFone 5は、オートのHDRがやや効きすぎた感があります。

近接撮影

HUAWEI P20 レビュー HUAWEI P20 レビュー

左:P20で撮影右:iPhone Xで撮影

HUAWEI P20 レビュー HUAWEI P20 レビュー

左:P20 Proで撮影右:ZenFone 5で撮影

花を近くから撮影しました。どれも十分美しく撮れましたが、iPhone Xが一番明るくなっています。

実物に近いのは、P20、P20 Proです。ZenFone 5では、比較すると花がくすんでいます。

背景をぼかす撮影

HUAWEI P20 レビュー HUAWEI P20 レビュー

左:P20でアパーチャなしで撮影右:P20でアパーチャありで撮影

P20のアパーチャ(ピント位置を調整できる機能)で背景をぼかして撮影しました。絞りを中くらいと開放した状態で比較していますが、キレイにぼけていることがわかります。

HUAWEI P20 レビュー HUAWEI P20 レビュー

左:P20 Proで撮影右:ZenFone 5で撮影

P20 ProとZenFone 5で、どちらも一番ぼけるように撮影。ZenFone 5はちょっと不自然になっています。

ズーム撮影

P20 Proで撮影

HUAWEI P20 レビュー
HUAWEI P20 レビュー
HUAWEI P20 レビュー

P20 Proのズームは5倍まで利用可能です。10万画素になるものの、5倍でも非常に美しく撮れています。

P20で撮影

HUAWEI P20 レビュー
HUAWEI P20 レビュー

P20も10万画素でズームが可能。タップで選べるのは2倍までです。それでも拡大すると、P20 Proとは比べものにならないほど粗くなります。

夜景撮影

HUAWEI P20 レビュー HUAWEI P20 レビュー

左:P20で撮影右:P20 Proで撮影

HUAWEI P20 レビュー HUAWEI P20 レビュー

左:iPhone Xで撮影右:ZenFone 5で撮影

P20とP20 Proの夜景撮影はほぼ引き分けと言っていいでしょう。どちらも明るく撮れており、すばらしい出来です。

ZenFone 5も同じように感じますが、拡大するとノイズの多さがよくわかります。また、iPhone Xは光源の白飛びが多く、一段劣る印象です。

まとめ

HUAWEI P20は価格と性能のバランスが抜群です。SIMフリーの上位機では迷わずおすすめできる1台で、その中でも写真にこだわるユーザーに推奨します。

P20 ProはNTTドコモでしか購入できませんが、おサイフケータイに対応し、カメラもトリプルになるなど大変魅力があります。しかしP20でも、普通のスナップ写真では両者の差はほとんど感じられません。夜景も同様です。また基本性能では、P20のメモリがやや劣りますが、十分に上位モデルと言えます。

構成・文:戸田覚

編集:アプリオ編集部