アプリストアを一覧すれば、さまざまな家計簿アプリが並んでいます。それらを大きく3つに分類すると、
- 総合管理タイプの家計簿アプリ:口座連携などがあり資産を総合管理できる
- レシート読み取りタイプの家計簿アプリ:レシート読み取り機能に特化している
- 手動シンプルタイプの家計簿アプリ:従来の紙ベースの家計簿をアプリ化して使いやすくした
といったジャンル分けができます。
なかでも収支管理ツール(総合管理タイプ)のジャンルは競争が最も熾烈な分野。財布の中身だけでなく、銀行やクレジットカードをはじめとした金融関連サービスとの連携ができるため、家計を一元的に管理できるようになっています。
また多くの家計簿アプリでは、集計したデータをグラフ化して分析できたり、費目(品目・カテゴリー)をカスタマイズしたりと便利機能が備わっています。
総合管理タイプの家計簿アプリ
銀行口座やクレジットカード、ポイントカードなどと連携させることで、資産を一括で管理できるのが総合管理型の特徴です。ざっくりとした家計簿を記録できればよく、かつ、これまで家計簿を頑張ろうと思っても三日坊主になりがちだった人にも、総合管理型の家計簿アプリはおすすめです。
マネーフォワード ME
- 2660以上の金融機関サービスに対応、複数口座と連携してまとめて管理できる
- 正確なレシート読み取り機能でサクサク処理できる
- 高額入金などのお金の動きはメールでお知らせ
- 条件の似たユーザーと自分の予算を比較
「マネーフォワード ME」はレシート読み取り・総合管理型の家計簿アプリ。ホーム画面にいくつかのニュースと広告が表示されますが、広告は有料の「プレミアム登録」で非表示にできます。
銀行や証券といったありとあらゆる口座と連携できるよう、2660以上の金融機関サービスに対応します。
銀行口座、クレジットカード、ポイントカード、電子マネーなど、生活で利用している口座やカードを登録さえしてしまえば、後は自動で利用状況が反映されていきます。レシート読み込みにも対応しているので、現金支払時にも入力の手間も省かれるでしょう。
ほぼ全自動で家計簿がつけられるため、これまで把握しきれていなかった出費や収入が出てくるかもしれません。
Zaim(ザイム)
- 銀行口座やクレジットカードなどの連携、レシートの読み取りに対応
- 家計プランナーが監修した予算診断も便利
- アカウントを家族などと共有して使える
- ローンや保険のシミュレーションができる「わたしの○○」機能
「Zaim(ザイム)」は900万ダウンロードを誇る、レシート読み取り・総合管理型の家計簿アプリです。口座連携の種類はマネーフォワードに劣りますが、銀行・カードの明細を自動取得して分析してくれるのは便利な機能と好評です。
現金で購入した際のレシートからの記録はもちろん、銀行口座やクレジットカードと連携してお金の流れをしっかりつかむことも可能。会員登録にはメールアドレスが必要ですが、無料版でも十分に使えるアプリとなっています。
家計簿のアカウントを他の人と共有できるのも特徴。たとえば家族で1つのアカウントを共有できれば、家計全体の収支も把握しやすくなるというわけです。有料のプレミアム版へグレードアップすれば、複数アカウントの切り替え利用が可能になるため、さらに使い勝手がよくなります。
Moneytree(マネーツリー)
- 2700以上の金融サービスと連携、50社まで登録可能
- プライベート用と仕事用で家計簿を切り替えられる
- 預金の動向や高額の取引をプッシュ通知とメールでお知らせ
「Moneytree(マネーツリー)」は本記事で紹介する総合管理型の家計簿アプリの中で唯一、レシート読み取り機能がないアプリです(無料版)。
どのように管理するのかというと、口座やカードなどを登録することで取引明細を自動取得し、AIによる自動判別で項目に仕訳けてくれます。マネーフォワードMEと同じく、2700以上の銀行、クレジットカード等と連携しているので、口座やポイント残高もひと目でわかります。
家計簿をプライベート(パーソナル)と仕事(ワーク)の2つで切り替えて管理できる機能もあります。パーソナルでは各種金融サービスへの連携や支出管理が、ワークでは法人口座の連携と経費精算がおこなえるようになっています。
左:アプリ内の通知右:メール配信によるアラート
引き落とし額の大きな項目に対して、自動でアラートを出してくれる機能も重宝します。心当たりのない支払いが組まれている、支払いの存在を忘れていた、といった点に気づかせてくれるありがたい存在です。
LINE家計簿
- LINEアプリから利用可能な家計簿、トークでレシート読み取りもできる
- アプリ版なら銀行口座やクレジットカードなどが紐付けられる
- 「予算設定」であとどのくらい使えるかを見える化
「LINE家計簿」は、LINEアプリ内「ウォレット」タブから直接利用できるため、別途アプリのインストールなしで家計簿がつけられるお手軽さが魅力です。またLINE家計簿アプリ(アプリ版)を利用すれば、銀行口座やクレジットカードとの連携にも対応ができます。アプリ版とLINE版とでは家計簿データが共有される仕組みです。
LINEアプリ内の「ウォレット」タブで[家計簿]ボタンをタップすれば、すぐLINE家計簿がつけられるようになります。
家計簿を始めたタイミングでLINE家計簿公式アカウントが自動で友達追加されるので、家計簿とのトーク画面から友人とやりとりするように収支がつけられます。たとえば「ランチ 1500」とメッセージを送るだけで、家計簿に反映されるという手間いらず。
LINE Payなどの電子マネーサービスや銀行口座に紐づけてより細かく記録したい場合は、アプリ版のLINE家計簿のダウンロードがおすすめです。LINE版とアプリ版は連動するため、どちらか更新し忘れたので二重で入力する必要がある、などの煩わしさはありません。
アプリ版LINE家計簿では、毎月の予算を設定して「あとどのくらい今月使えるのか」を見える化してくれる機能が利用できます。LINE家計簿をアプリ版・LINE版でダブルで利用すれば、詳細にアプリで家計簿をつけて、LINEついでに現状を把握するといった使い方もできて便利でしょう。
レシート読み取りタイプの家計簿アプリ
レシート読み取り型は、読み取る機能が他のアプリよりも優秀であることが特徴です。家計簿アプリでのレシート読み取りとなると、合計金額は合っていても店名や品物名までは正確に認識されないことも少なくありません。
そんな中、DNP(大日本印刷)グループが運営する「家計簿レシーピ!」は、読み取り精度も高い印象で、かわいくて使いやすいとストア評価も上々です。
家計簿レシーピ!
- 口座情報やクレジットカードの登録は必要なし、レシートを読み取るだけでOK
- 「自動入力レシート」機能で、毎月の決まった支払いを登録
- 「しっかりモード」で口座やクレジットカードも管理
「家計簿レシーピ!」はレシート読み取り型・口座連携はなし。キャラクターや背景を選択できるかわいいアプリです。
インストールした際には「かんたんモード」ですが、「しっかりモード」にすると複数の帳簿やクレジットカードの支出も管理できるようになります。ただし総合管理型アプリとは異なり、自動ではありません。
レシートの読み取り精度は確かで、店名やカタカナの多い商品名まで正確に表示されます。撮影時に右下の「長いレシート」をオンにすると、約20行ほどの長いレシートも問題なく撮影ができます。
手動でシンプルに使える家計簿アプリ
入力などの操作は基本的に手動でおこなうシンプルな家計簿アプリは、従来の紙の家計簿に最も近い感覚で使えます。もちろん入力の手間は増えますが、すべて自分で打ち込むため自動読み取りよりも確実に管理ができそうです。
らくな家計簿
- 使った金額を入力するだけのシンプル設計、グラフで収支が一目瞭然
- カテゴリーを作成して収支の分類をかんたんに
- メモしたキーワードを検索できる機能つき
- 外貨の記入や「繰り返し管理」などの機能も充実
「らくな家計簿」は、1400万ダウンロードを超える手動入力タイプの家計簿アプリです。電話番号やメールアドレスの登録なしでスタートでき、ほとんどの機能が無料で使えるので家計簿初心者も気軽に始めやすいでしょう。
有料版では、パソコンからの家計簿管理や広告が非表示になるといった機能を利用できます。
スタイリッシュなデザインと文字や金額の打ち込みやすさに定評がある「らくな家計簿」は、日ごと、週ごとなど、期間を絞って収支のチェックができます。
グラフで費目ごとの出費の割合が見られたり、月間利用する予算を立てて記録していったりと、シンプルな家計簿の中でも充実した機能が詰まっています。
トップ画面右下の設定ボタンで[補助通貨設定]をタップすると設定可能
旅行や出張で海外へ行った際の入力も、らくな家計簿なら外資入力で解決。100カ国以上もの外貨が選べます。
また、リアルタイムのレートも表示してくれるので、日本円の換算や円高・円安がわかり便利です。