超入門、Bluetoothの基礎知識──接続方法からつながらないときの対処法まで【iPhone/Android】

【最新版】これでわかる、Bluetoothの基礎知識──接続方法からトラブル解消まで【iPhone/Android】

イヤホンやスピーカーなど、さまざまな機器をワイヤレスで接続できる「Bluetooth(ブルートゥース)」は対応製品がますます増えています。

今回は、Bluetooth製品の基本的な設定と利用方法・使い方をはじめ、うまくつながらないときのトラブル解消まで詳しく解説します。少し前までは非常に簡単だったペアリングも、機種ごとにいろいろな方法が出てきており、すべて同じ操作ではできなくなりました。その点についてもあわせて紹介します。

Bluetoothの基本的な接続方法(つなぎ方)

ごく一般的なBluetoothの接続方法を紹介します。これは、多くの機種で共通ですが、最近は違う操作をおこなう製品も出てきています。

基本的なつなぎ方は下記の通りで、3ステップで利用できるようになります。ただし、この方法では接続しづらい製品もあるので、そちらに関しては後述します。

Bluetooth接続の基本手順
  1. Bluetooth機器のペアリングモードをオンにする
  2. iPhoneやAndroidスマートフォンのBluetoothをオンにして機器を検索
  3. 機器が表示されたら接続ボタンを押す

まず、接続するBluetooth機器の電源を入れて、Bluetoothのペアリングモードに切り替えます。

この操作は機種によって異なります。専用のボタンが用意されていたり、電源ボタンを数秒間長押しにしたりすることもあるので、マニュアルなどを参考にして調べておきましょう。

Bluetooth つなぎ方

このスピーカーはBluetoothボタンを押すと、電源ボタンが点滅してペアリングモードになっていることがわかる

ペアリングモードになるとランプが点滅したり色が変わったりするので、それとわかります。

この状態でスマホ側のBluetoothをオンにすると、機器の検索が始まります。必ず機器とスマホを近くに置いて作業しましょう。

Bluetooth つなぎ方Bluetooth つなぎ方

左:「設定」アプリから[Bluetooth]をタップ右:Bluetoothをオンにする。少し待っているとペアリングモードにした機器が表示されるのでタップ

Bluetoothは10メートルくらい離れていても利用できることが多いのですが、ペアリング作業は1メートル以内に置いておくと確実な作業ができます。

のんびり操作していると、ペアリングモードが終わってしまうことがあります。その場合はもう一度作業を繰り返してペアリングモードを有効にします。先にスマホのBluetoothをオンにしておいてから、機器をペアリングモードに切り替えてもかまいません。

スマホに機器が表示されたら、タップして接続すれば完了です。なお、Bluetoothのリストには製品の型番が表示されることもあるので、間違えないようにしましょう。

Bluetooth つなぎ方

リストに表示され、「接続済み」になれば利用できます。

Androidスマホでも基本作業は同じです。

Bluetooth つなぎ方

「設定」アプリで[Bluetooth]をタップし、オンにします。少し待っていると機器が表示されるので、名前を確認してタップします。

Bluetooth つなぎ方

確認を求められたら、[OK]をタップします。

Bluetooth つなぎ方

その後、「ペアリング済みデバイス」のリストに表示されれば、利用できるようになります。

機種ごとに異なるBluetoothのつなぎ方

最近は、より簡単に使えるようにするために、製品ごとに独自の接続方法を採用しているケースがあります。

Bluetooth 機種ごとに異なるつなぎ方

iPhoneとAirPodsのつなぎ方は非常に簡単

たとえばAirPodsは、iPhoneやiPadの近くでケースの蓋を開けるだけでペアリングが始まります。さらに、iPhoneではBluetoothの設定画面を開くことがなく、ポップアップしたメニューから接続できます。

Bluetooth 機種ごとに異なるつなぎ方

AndroidスマホとAirPodsの接続は、一般的な方法と同様

ところが、AirPodsをAndroidスマートフォンで使う際には、本体裏のボタンを押してペアリングモードに切り替えます。あとの作業は、他のBluetooth製品と同様にペアリングしていきます。

つまり、組み合わせによって使い方が変わるわけです。

Bluetooth 機種ごとに異なるつなぎ方

Galaxy BudsをGalaxy S10などで使うと、とても簡単にペアリングできる

Bluetooth 機種ごとに異なるつなぎ方

専用のツールも起動する

Samsung製イヤホンのGalaxy Budsは、蓋を開けるとペアリングモードになります。同じくSamsung製のGalaxy S10などでは、専用のメニューがポップアップして簡単に接続できます。

しかし、他社製のスマートフォンやiPhoneではメニューが表示されず、通常のペアリングの手段で利用します。このように、機種によって接続方法が異なるケースは多いので、必ずマニュアルなどで確認をしてください。

Bluetooth 機種ごとに異なるつなぎ方

このキーボードは3台の端末とペアリングできる

画像のBluetoothキーボードは、同時に3つのデバイスと接続できます。この製品は、端末ごとに切り替えて使えるのが便利なのですが、ペアリングは3台ずつおこなうことになります。

このようなモデルも、マニュアルを見てBluetoothの切り替え方法などを確認しておきましょう。

Bluetooth機器を切り替える方法

イヤホンと外付けスピーカーをスマホとペアリングしている場合、どちらで音を出すか選択することができます。少し前までは、どちらかのペアリングをオフにする必要がありましたが、今はスマホの機能で選択できるケースも増えてきました。

ここでは、iPhoneとAndroidスマートフォン(Galaxy S10)の切り替え方法を紹介します。スマホの機種によって異なるので、自身の使っているモデルの方法を調べてみてください。なお、切り替えに対応していない機種もあります。その場合は、Bluetoothの接続メニューからペアリングをオフにすればOKです。

iPhoneの場合

Bluetooth 機器の切り替え iPhoneBluetooth 機器の切り替え iPhone

iPhoneでBluetooth接続機器を切り替えるには、音楽再生中にコントロールセンターを開きます。コントロールセンター右上に音楽再生に関するメニューがあるので、右上にある青色のマークをタップするか、メニューを長押ししてください。

「ヘッドフォン」に表示されている接続可能な機器の一覧から、接続したい機器を選択すれば切り替えが可能です。

なお、iPhoneは2台のAirPodsを同時に接続することが可能です。2台目のAirPodsを同時接続する方法は下記記事で解説しています。

Androidスマホの場合

ここでは、Galaxy S10での切り替え操作を取り上げます。

Bluetooth 機器の切り替え AndroidスマホBluetooth 機器の切り替え Androidスマホ

Bluetooth接続機器を切り替える場合は、音楽の再生中にクイック設定パネルを表示させ、[メディア]という項目をタップしてください。

「メディア」の設定画面に遷移するので、「オーディオ出力」の項目から切り替えたい機器を選択すればOKです。

マルチペアリング機能があれば切り替え操作も不要

1台のイヤホンが複数の端末とのペアリングに対応する機能を「マルチペアリング」と呼びます。マルチペアリングに対応している製品を選べば、同時に2台のスマホやタブレットとペアリングできます。機器によっては3台以上との接続も可能です。

マルチペアリング時の使い分けは、音を出したい端末で音楽や映像の再生ボタンを押すだけです。たとえば、iPhoneで音楽を聴いている最中でも、iPadで映画を再生すると映画の音声が流れます。

うまくつながらないときのトラブル対処法

一度ペアリングした機器は、再び電源をオンにすると自動的にスマホに接続できるようになっています。しかし、何らかのトラブルで接続できなくなることがあります。

Bluetooth機能をオフにする

うまくつながらないときには、スマホのBluetooth機能をいったんオフにして再度オンにしてみます。また、登録されている機器を一度削除して再び接続すると、うまくつながることもあります。

ペアリングモードになっているか分かりにくい製品の場合には、一度電源を落として再起動すると、確実に作業できます。

他の機器にペアリングされていないか確認する

正しい手順で作業しているのに、リストに表示されないときには、他の機器にペアリングされている可能性が考えられます。

たとえば、iPhoneとペアリングしている機器をAndroidスマホでも使おうとした場合に、Androidスマホで機器が検出されないときは、iPhoneとのペアリングを解除してみてください。続いて、Androidスマホで基本の手順通りに接続すれば、つながるようになります。

Bluetooth トラブルシューティング

iPhoneでペアリングを解除する場合は、「Bluetooth」の画面で「接続済み」となっている機器をタップします。

Bluetooth トラブルシューティング

[接続解除]をタップし、iPhoneとのペアリングを解除すればOKです。

Bluetoothで利用できるいろいろな機器

Bluetoothで利用できる代表的な製品をいくつか紹介します。これまでに取り上げた、イヤホンやヘッドホンをはじめ、外付けのスピーカーや自動車のオーディオなどBluetooth対応の音楽関連機器はバリエーションが増えています。

コードレスで快適な音楽関連機器

イヤホンやヘッドホンはBluetooth対応製品が増えてきました。

Bluetoothイヤホン Soundcore Liberty 2

「Soundcore Liberty 2」は、1万円を切る価格ながら10mmドライバーを搭載するモデル。最大32時間の長時間再生も魅力だ

Soundcore Liberty 2

Bluetoothイヤホン Soundcore Liberty Air 2

「Soundcore Liberty Air 2」では、専用アプリで自分に合わせたプロファイルを作成可能。ノイズキャンセリングに対応したマイクを搭載し、クリアに通話ができる。本体カラーは黒と白を用意

Soundcore Liberty Air 2

Bluetoothスピーカー Tribit bluetooth スピーカー ワイヤレススピーカー 24W

「Tribit bluetooth スピーカー ワイヤレススピーカー 24W」は最大20時間連続再生の長時間駆動が魅力で、低音に強い。価格も手ごろだ

Tribit bluetooth スピーカー ワイヤレススピーカー 24W

キーボードやマウスで作業効率アップ

スマホ用のキーボードも利用できます。iPhoneとAndroidスマートフォン、Windowsでキーの配列などが異なるので対応製品を手に入れるのがベストです。

また、iPadもマウス操作に対応し、パソコンのように使える環境が整ってきました。

Bluetoothキーボード マウス

マウスは「ロジクール Bluetooth マウス M557GR」で、定番のモバイル向け製品だ。キーボードはフルサイズの「IC-BK05」

ロジクール Bluetooth マウス M557GR

製品を選ぶときに知っておきたいBluetoothの知識

最後に、押さえておくと製品選びに役立つBluetoothの基礎知識をまとめました。

プロファイルの確認

Bluetoothでは、どのように機器を使うのかを「プロファイル」で指定しています。イヤホンでは、主に4つのプロファイル(A2DP、AVRCP、HFP、HSP)があります。

たとえば、通話専用のヘッドセットは、音声をステレオで再生するためのプロファイル「A2DP」に対応していないことが多くあります。通話はできても音楽が再生できないのです。プロファイルは難しいので、覚える必要はありません。しかし、製品を選ぶ際には何ができるかをしっかりチェックしておきましょう。

バージョンの確認

Bluetoothは年々進化しており、いくつかのバージョンが存在します。

最新のバージョンは「5.1」です。「4.0」で消費電力が少なくなり、さらに「4.2」ではセキュリティが向上するなど順次進化しています。「5.0」では通信速度が2倍速くなり、通信距離も最大で4倍へと進化。古い規格の「3.0」はデータの転送が高速で、「2.1」でペアリングが簡単になっています。

なお、iPhone 8シリーズ、iPhone Xから5.0に対応しています。2019年に登場した5.1では、方向探知機能が搭載され、ペアリングされている機器がどの方向にあるのかが分かるようになります。

実はワイヤレスのイヤホンやスピーカー、キーボードを使う上では、Bluetooth 3.0でも十分です。たとえばカメラの画像転送などに利用するなら、高速な通信が重宝することでしょう(現在はWi-Fiを使う製品が主流です)。Bluetooth 5.0対応製品はこれから数が増えてくると予想されます。

現在販売されている周辺機器は、Bluetooth 3.0以上が主流です。バージョンが異なる場合には古いほうに合わせて動作します。スマホが長時間利用できる4.2に対応していても、機器の側が3.0だと利用時間は長くならないので注意が必要です。これから購入するなら、なるべく最新のバージョンを選んでください。

構成・文:戸田覚

編集:アプリオ編集部

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