コスパは高いが満足度は低い?「Amazonプライム・ビデオ」5つの魅力と3つの弱点

2017-12-31 9:59

コスパは高いが満足度は低い?「Amazonプライム・ビデオ」5つの魅力と3つの欠点

数ある定額制で見放題の動画配信サービスの中でも、コストパフォーマンスが最も高いと評価されているのが「Amazonプライム・ビデオ」(以下、プライムビデオ)です。月額400円(年間プランなら325円)で3万本以上の動画が見放題になります。

プライムビデオの人気は高く、先日実施された動画配信サービスに関する調査でも、利用率で断トツの1位を獲得しています。しかし同じ調査では、ユーザーの満足度は75.7ポイントににとどまる(9/9位)という気になる結果も出ています。プライム会員に登録しようと考えている人には見過ごせない内容です。

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そこで本記事では、プライムビデオの魅力や弱点について掘り下げて検証したいと思います。

魅力1:コストパフォーマンスが最高

プライムビデオの最大の魅力は、コストパフォーマンスの高さです。

プライムビデオは、Amazonプライムの会員に用意されている特典の一つです。Amazonプライムには、お急ぎ便などの配送特典をはじめ、100万曲以上が聴き放題で楽しめる「Prime Music」や、毎月1冊無料で読める「Kindleオーナーライブラリ」、容量無制限のフォトストレージ「プライム・フォト」など様々なサービスが用意されています。プライムビデオもそのうちの一つで、追加料金なしで利用できます。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

プライム会員には年間プランと月間プランがあり、前者は年3900円、後者は月400円(いずれも税込)です。1カ月あたりの費用は、年間プランで325円という安さ。HuluやNetflixなど他の定額制動画配信サービスと比べても破格です。さらに学生限定の学割プランもあり、こちらは年会費1900円で利用できます。Amazonプライムの全特典が利用でき、1カ月あたりの会費は159円です。

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魅力2:3万本以上の作品が見放題

プライムビデオは、「Amazonビデオ」で配信されているコンテンツの一部が見放題になるサービスです。見放題ではないコンテンツは、レンタルまたは購入して視聴します。画質はSDやHD(最高1080P)のほか、UHD(4K)やHDRも少しですが視聴できます。

Amazonビデオは、記事執筆時(2017年12月26日)で6万7463本のビデオを配信していました。このうちプライム会員特典で無料になるのは3万272本、レンタル・購入が3万8600本となっています(この数字は日々変わります)。見放題ではないタイトルはレンタルでカバーできるので、たいていの作品は見つかります。

レンタルの価格は作品や画質により異なります。一般的なレンタル作品の価格は100円から540円程度です。旧作は200円前後でレンタルできるものが多く、見逃していた作品を見るのにちょうどよい価格設定です。購入作品は1000円から2500円程度のものが多いようです。レンタル期間は30日間で、一度視聴を開始すると48時間でレンタル期間が終了します。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

プライム会員特典の見放題コンテンツは3万本以上あります(12月26日現在)

ジャンル毎の内訳も調べてみました。強いのは「外国映画」や「ドキュメンタリー」です。次いで「ホビー・実用」「キッズ・ファミリー」となりました。

外国映画 10778
日本映画 3952
アニメ 2874
キッズ・ファミリー 6797
ミュージック 2921
テレビドラマ 3189
ドキュメンタリー 12964
お笑い・バラエティ 1090
ステージ 1359
ホビー・実用 7164
スポーツ・フィットネス 3724
アイドル 188
エロス 880

※レンタル・購入作品を含む

ちなみにテレビドラマは、アメリカと日本で半数以上を占めていますが、プライム会員特典で見られるのは、アメリカが472、日本が198と少ないです。見逃し配信もありますが、こちらは有料のものが多く、テレビ局系列の動画配信サービスに比べて見放題のコンテンツが少ない印象です。

魅力3:しっかり作り込まれたオリジナル作品

最近では、どの動画配信サービスもオリジナルの作品に力を入れています。プライムビデオでも、アメリカで制作されたオリジナル作品に加え、2016年からは日本独自のタイトルも制作しています。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

見ごたえのあるオリジナル作品が約130用意される

2018年にシーズン2が配信される恋愛バラエティ『バチェラー・ジャパン』や、シーズン4まで配信されている松本人志の『HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル』、ベストセラーのビジネス書を原作にした『77部署合体ロボダイキギョー ドラマ・伝え方が9割』など、他では見られないユニークな作品が続きます。

さらに、完全新作の『仮面ライダーアマゾンズ』や『ウルトラマンオーブ』のスピンオフ作品など、どれもしっかり作り込まれており、子どもから大人まで楽しめるラインアップです。

魅力4:レコメンドとユーザーレビューが充実

「何を観ようかな」という時に参考になるのが、プライムビデオのおすすめ機能です。作品の詳細ページには「この商品をご覧になったお客様はこんな商品もご覧になっています」が表示され、1つの作品から似たような作品を次々見つけることができます。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

似たような作品が見つかりやすいレコメンド機能

また特徴的なのが、ユーザーの投稿したレビューを全文読める点です。もちろんネタバレには十分に注意しなければなりませんが、いいところや悪いところが克明に書かれていることが多く、観る作品を決める時のフィルターになります。作品評価が星の動画配信サービスは、何が良くて何が悪いのかはっきりしませんが、Amazonビデオならそのようなことがありません。

またレビューの数を見て、人気作かどうかを判断する人も多いでしょう。高評価の作品や賛否に分かれた作品など話題を呼んだ作品は、いずれもたくさんのレビューが投稿されています。たとえば前述の『バチェラー・ジャパン』は588、ドキュメンタルのシーズン1においてはなんと1485ものレビューが投稿されています。

書き込みが多い作品は、それだけ多くの人が観ている証拠です。観たい作品が見つからない時は、こうした作品からチェックするというのもアリかもしれません。人の評価で視聴するものを決めたくないという意見もあると思いますが、つまらないコンテンツで時間を無駄にするリスクは軽減できます。

魅力5:対応デバイスが豊富

Amazonビデオは、様々なデバイスに対応しています。iOSデバイスやAndroidデバイスといったスマートフォンやタブレットなら、作品をダウンロードすることが可能なので、出先でもモバイルデータ通信を節約しながら高画質な映像が楽しめます。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

エピソード単位またはシーズンまるごとダウンロードできる

ストリーミング再生やダウンロードの画質は端末により異なります。たとえば、iOSデバイスはストリーミングでHD再生が可能ですが、ダウンロードはSD画質になります。

Androidデバイスは、デバイスによってSD/HD/UHD/HDR再生が可能です。HDに対応していない端末は、ストリーミング再生もSD画質になります。UHDやHDRについては、Amazonビデオのヘルプに対応機能が記載されています。これによると、UHD/HDR/HDを再生できるのは、Sony Xperia XZ Premium、SHARP SH-03J、SHARP 605SH、SHARP SHV39で、HDR/HDはSamsung Galaxy 8/8+、Galaxy Tab S3です。

またAndroidの場合、ストリーミング再生の画質は「標準画質」に設定されています。映像がかなり粗く見えますので、Wi-Fiが使えないところで見るならあらかじめダウンロードしておくか、1つ上の「高画質」に変更しておくとよいでしょう。ダウンロードする時は、保存先をSDカードにするのがおすすめです。

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ストリーミング再生の画質(iOS)

最高 1時間で約5.8GBのデータを使用(12.3Mbps相当)
1時間で約1.8GBのデータを使用(3.8Mbps相当)
中(初期設定) 1時間で約0.6GBのデータを使用(1.3Mbps相当)

ダウンロードの画質(iOS)

最高 1時間で約0.9GBのデータを使用(1.9Mbps相当)
高(初期設定) 1時間で約0.6GBのデータを使用(1.3Mbps相当)
1時間で約0.3GBのデータを使用(635Mbps相当)

ストリーミング再生/ダウンロードの画質(Android:Nexus 5X)

最高画質 1時間で約2.35GBのデータを使用(5Mbps相当)
高画質 1時間で約0.98GBのデータを使用(2Mbps相当)
標準画質(初期設定)※1 1時間で約0.23GBのデータを使用(480kbps相当)
データセーバー 1時間で約0.13GBのデータを使用(275kbps相当)

※1:初期設定はストリーミング再生のみ。ダウンロードは「毎回確認」になっている

Amazonが提供しているFireタブレットシリーズも対応デバイスに含まれます。こちらもHDで楽しむには「Fire HD 8」や「Fire HD 10」などHD画質に対応しているモデルが必要です。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

ストリーミング再生やダウンロードの画質は設定で変更できる

このほかテレビで楽しむ場合は、「Amazon Fire TV」や「Fire TV Stick」「Apple TV」といったSTB、「PlayStatuion 3/4」や「Wii U」、テレビ、Blu-rayレコーダー/Blu-rayプレーヤーといった家電製品がAmazonビデオを利用できます。これらのデバイスはストリーミング再生のみになりますが、対応デバイスなら4Kのタイトルも再生できます。

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弱点1:入れ替わりが割りと激しい

ここからはプライムビデオの欠点を見ていきたいと思います。一つ目は、タイトルの入れ替わりが頻繁にあるということです。

どの動画配信サービスでも、同じ作品がいつまでも配信されているわけではありません。契約が更新されるタイミングなどで、タイトルの入れ替えがおこなわれます。プライムビデオでは、この入れ替えが割りと頻繁です。

「30日以内にプライム会員特典ではなくなる作品」というページで確認すると、思っている以上にたくさん(12月25日時点で480)の作品が無料でなくなるのがわかると思います。過去には1000本以上の作品が一気に特典から外されたこともあります。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

30日以内にプライム会員特典ではなくなる作品」でプライム会員特典(見放題)から外される作品をチェックできる

気になる作品はとりあえずウォッチリストに登録し、時間がある時に少しずつ消化していくというのは、動画配信サービスを利用している人にありがちなことですが、プライムビデオでは少し危険です。あとで観ればいいやと思っていた作品が配信終了になっていたらきっと悔しく思います。

一部の作品は期間をおいて再登場することもありますが、どれだけ待てばいいか誰にもわかりませんし、そもそも保証もありません。ウォッチリストに追加した作品は貯めておかず、なるべく早めに観るのがおすすめです。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

ホーム画面やウォッチリストのサムネイルにカーソルを合わせると、公開終了の日を確認できる

弱点2:2話目から有料が多すぎる

厳密に言えば、これはプライムビデオの欠点ではありません。けれど、1話目(や2話目)は無料で、それ以降は有料という作品をよく見かけます。また2話目までは100円でレンタルできるけれど、3話目からは値上がりする(300円になるなど)なんていうものもあります。

こうした作品はプライム会員特典で用意されているわけではなく、Amazonビデオのレンタル・購入作品の第1話が無料、もしくはディスカウントされているものです。本来は「ラッキー」と感じるべきものですが、旬な番組だったりすると「無料と思ったのにがっかり」ということになりがちです。

見逃し配信やリアルタイム配信を無料で提供している動画配信サービスに比べると、プライムビデオは「今見たいコンテンツがない」という不満につながりやすいのかもしれません。

弱点3:機能的に物足りない(字幕、検索ほか)

海外ドラマや映画で語学の学習をしたいと考えている人に、プライムビデオは向きません。字幕表示と吹き替えを途中で切り替えることや、日本語字幕を非表示にすることができませんし、英語字幕も用意されていないためです。HuluやNetflixなど、英語字幕が用意されている動画配信サービスを使ったほうが効率が上がります。

また気になるのはアプリの使い勝手、特に検索機能が弱いことです。スマホ向けのアプリやSTBでは、細かいジャンルによる検索ができません。笑えるコメディやホラーの傑作を探したい時、キーワード検索と作品ごとに表示されるリコメンドしか使えないのは不便です。

このほか、Fire Stick TVではユーザーレビューが表示されません。レビューに関してはネタバレもありますので賛否あると思いますが、ブラウザの使い勝手とは大きくかけ離れています。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

まとめ

月単位換算にすると325円(年間プラン)で利用できるプライムビデオは、現状でコストパフォーマンスの最も優れた動画配信サービスです。プライム会員になれば、ショッピングの送料は無料になるし、音楽も聴ける。本も読める。その上、動画が見放題です。どう考えてもお得なのは間違いありません。ただし、これらはプライム会員の魅力であって、プライムビデオの魅力ではありません。

プライムビデオ自体は、海外ドラマや日本のテレビをよく見る人には正直物足りません。特に新しい作品や話題になったものはレンタルで提供されることが多いので、月に数本もレンタルすると安さのメリットは薄れてしまいます。プライムビデオが目的でプライム会員になると、他の動画配信サービスのラインアップを妬ましく思うかもしれません。

それでも、最新の作品にこだわらなければ、プライムビデオはおすすめです。3万本とラインアップは充実しており、質の高いオリジナル作品や見ていなかった名作を掘り出す楽しみがあります。入れ替えが頻繁にあることは、幅広い作品を楽しめるとプラスの方向で受け取ることができます。年間に10数本の映画を見るだけでも、軽く元を取ることができるしょうし、時々おこなわれているレンタルのセールなども利用すれば、見たい作品の相当数はカバーできます。

最後にプライム会員について、あえてデメリットを挙げておきます。プライム会員は途中でキャンセルすると返金を受けられないことがあります。HuluやNetflixなら使わない月は更新を停止することができます。プライムビデオでも同じ使い方をしたいなら、月間プランを利用するのが無難です。この場合、年間で900円高くなりますが、30日間の無料体験後も悩んでいたら、月間プランに切り替えてしばらく使ってみるという選択肢もありでしょう。