2015年5月に「Googleフォト」が登場したとき既に、Picasaの立ち位置は微妙なものでした。そして、ユーザー向けにGoogleフォトへの移行が勧められるなど、これまで予期されていたこととはいえ、いまだ利用者も少なくない写真管理サービスがついに終焉の時を迎えます。
Googleは2月12日、デジタル写真管理サービス「Picasa」を終了させると発表しました。Googleでは、同種の写真管理サービスをGoogleフォトとPicasaに分裂させているよりも、Googleフォトに注力することでより良いユーザー体験を生み出すことができるとしています。
Picasaウェブアルバムについては、保存されているコンテンツはGoogleフォトにログインすれば全て閲覧できるとGoogleは説明しています。また、Googleフォトの利用を望まない場合でも、Picasaウェブアルバムのデータにアクセスして閲覧・ダウンロード・削除できる方法を提供する予定があり、Picasa特有のタグやキャプション、コメントなどを引き続き確認することはできます(作成・整理・編集は不可)。この変更は2016年5月1日から実施されます。
また、Picasaのデスクトップ・アプリケーションについては、2016年3月15日の時点でサポートが打ち切られます。従来どおり使用できるものの、その後の新規開発・アップデートは期待できません。Googleはパソコン用アップローダを利用してGoogleフォトへ写真・動画をアップロードすることを推奨しています。
さらにGoogleは、一部のPicasa Web Albums Data APIを終了させます。
GoogleがPicasaを買収したのは2004年のこと。デジタルで写真を管理するツールとして人気を博しました。その後、2011年の「Google+」登場で、写真クラウドサービス「Google+フォト」と併存する形となり、その未来が不安視されつづけてきました。昨年にはGoogleフォト(実態はGoogle+フォトのバージョンアップ)が開始され、それにPicasaが統合される格好となりました。